K.

いつか見たみ空の勿忘草はそのままに

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いつか見たみ空の勿忘草はそのままに

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何事も単純化させないことが大切 複雑の中から気になる石を拾い上げる

    • 食卓

      グリルで焼いたシマホッケの開きをテーブルの中央へ置き、茄子とピーマンと魚肉ソーセージの炒め物に今年お気に入りとなったトマト・スープカレーの残りを加えた名前のないおかずは、ご飯をよそった3つの皿へと均等に分けられた。 「パシュ」 「撮るような食事じゃないわよ」 「食事制限しててさ、インストラクターに毎食送信をしてるんだ」 ホッケの中骨は配膳時にあらかじめ剥がしておいた。私たちの箸の先はあちこちとホッケの身に集中する。 「ほら、こっち側も食べなさい。」 残った縁や尾の付け根

      • 食卓

        2024.8.28 「ソースはお付けしますか?」 「お願いします」 「分けますか?それとも一緒にしますか?」 「一緒でいいです」 野菜市から手に入れた、いびつで傷の入った大きなトマトを2つ使い、刻んだソーセージを入れたスープカレーはなかなかの出来だった。 夕食の時を待つのは前日に作られたそのスープカレーだった。 車を少し遠くへ止め、雨粒を避けながらコンビニエンスストアに入ると、向かう間に考えた計画は思うままにはいかなかった。 (ナンが無い、冷凍ビスケットでいいか)

        • 食卓

          2024年8月22日 久しぶりに焼き魚を食べた。 「ホッケって馬鹿にしていたけどうまい魚だよな。あと、どれくらいうまいものを食べられるかな?」 「そう思う人って、結構いるかもしれないね」 ホッケをガスコンロのグリルで焼く。 表面を狐色になるまで忍耐強く焼く。 皮面に返すと直ぐに厚い皮が膨らみ焦げてしまった。 丸く膨らんだ焦げを取り除いてからそれぞれの皿へと移す。 熱いうちに…中骨を剥がすと艶やかな肉が箸の先に現れた。 食後にデラ葡萄を食べる。 小さめの房は長く居た冷蔵

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        何事も単純化させないことが大切 複雑の中から気になる石を拾い上げる

          いい加減な世界

           物理的に万物は粒子が入れ替わりながら並行に空間移動しているものだと言いますが、人のいい加減はそこから来ているのかもしれません。私があろうとするものには成れず、そうあってほしいと思うものはそう成らず、またそれも過ぎ去れば粒子らは別のかたちとなって忘れている。世の中に記録が生まれたのはいつだろうか?なぜ人は記録を欲したのか。いい加減な世界は「今」が生まれた時から存在する。

          いい加減な世界

          私の師の源泉は「矛盾」

          私の師の源泉は「矛盾」

          権力は腐敗するという観点から言えば、様々な革命要因を同一視する理由もわからなくもない。 そう思うと、近代革命は「資本戦争」なんだろうね。

          権力は腐敗するという観点から言えば、様々な革命要因を同一視する理由もわからなくもない。 そう思うと、近代革命は「資本戦争」なんだろうね。

          星条旗おじさん

          星条旗おじさんは(完全に冷めきっていた)、朝7時に起きる。ゆで卵を作るのが毎朝の日課。新聞を一通りチェックし草花に水をあげた。開店したスーパーで食材の買い物を済ませると図書館へ向かい、英字新聞に目を通し政治の欄を書き写した。真昼の太陽は、おじさんの毛髪と両肩を温めた。太った生のイワシを洗い、水や調味料とともにアルミ鍋に入れて火をかけ梅干しを加えた。弱火にししばらくすると部屋中に良い匂いが立ち込められていった。少し窓を開け、ソファーに座り、いつもの動画を開く。勇ましい大統領の姿

          星条旗おじさん

          今を生きる人類がニヒリズムの池から這い上がれないのは、資本増殖が彼らを一人残らず絡めとる包摂なるコメディ・アンカリングのためであろう。

          今を生きる人類がニヒリズムの池から這い上がれないのは、資本増殖が彼らを一人残らず絡めとる包摂なるコメディ・アンカリングのためであろう。

          アバターというものがあるが、現実世界で不一致が見られるのは宝くじや相続でいきなり大金を手にした人の様子だろう。大金に対する学習をしていないので途方に暮れているようだ。その様子はまるで大きすぎる殻を着せられたヤドカリだ。殻が動きを妨げ、対照的な小さな足が空に悶えている。目的は?

          アバターというものがあるが、現実世界で不一致が見られるのは宝くじや相続でいきなり大金を手にした人の様子だろう。大金に対する学習をしていないので途方に暮れているようだ。その様子はまるで大きすぎる殻を着せられたヤドカリだ。殻が動きを妨げ、対照的な小さな足が空に悶えている。目的は?

          金を渇望し嫌悪する理由

          日本人がお金を欲しがりながらも汚いものと感じる理由は、お金の存在が人をずるくさせてしまうから。お金は人を助けると共に堕落させ、欲しいものを引き寄せ、大切な物事を引き裂いていく。そんな強い力を持っているから。お金は神や悪魔を両方持ち合わせており、それは人間の鏡となりえよう。ならば日本人が嫌悪の印象を持つのは、人間の本性なるものを認めているゆえだろう。日本人が気持ちを表に表さないのは、人間の本質を理解している歴史があったからかもしれない。

          金を渇望し嫌悪する理由

          いつかの6月

          互いに期待を充分に積み重ねた結果、 男はキセルで改札を抜けてきた。 女は渡された切符の領収書を受け取らなかった。 部屋にあった饅頭と茶を飲み、風呂へゆく支度をすると女の視線の先、男がおもむろに灰青緑色の局部をさらして数歩彷徨った。 男は温泉旅館の二杯目の白飯を注文したが手をつけることはなかった。 部屋の明かりを消すと女は男の手を取りその手の甲へ口づけをした。 男がその手を送った女の手を持ち直すと男の局部へ導いた。 男と女は汗ばみながら5時間あまり無言の念仏を唱えた。

          いつかの6月

          暁を 瞼に眺め 夜明け待つ 沈黙上手な 枕に口づけ

          暁を 瞼に眺め 夜明け待つ 沈黙上手な 枕に口づけ

          無題

           ボーガンを使った女性の事件も山上の事件も彼らには、十分な才能があったのに結果を除き一貫して受動的であったことに疑問を持つ。事件以前からの秘めた能力に加え、頑張ればそれほどのことができる才能を持っているのを、なぜ能動的に開拓できなかったのだろうか?また彼らの人生に長らく影響を及ぼした具体的な悪となる人間を結果的に彼らは個人的な粛清をしている。彼らの攻撃性と能力、それまでの一貫した受動性に対する問題には深い意味があると思う。彼らの恐れていたものは何なのだろうか、そして彼らの見せ

          ショベルヘッドにヴィンテージな女を乗せて

          どっこん、どっこん、どっこん、どこどっとん、どこどっとん、どこどっとん、どこどっとん、どこどっとん、どこどっとん、どこどっとん、どこどっとん、どどどどどどどどどどどどー。 袂をたすき掛けした女は草履で軽快にジャンプをし、その体重をエンジンペダルに乗せた。着物の裾を割り、尻の下にまとめて風に靡かせればまるで土方さん、ニッカボッカのように膨らんでは旗めいた。

          ショベルヘッドにヴィンテージな女を乗せて

          メーターマン

          体中にメーターが付いている。全てを管理している。かっこのいい姿。アナログメーターの部品群、それぞれが心を惹きつけるポイント。メーターに心惹きつけられて寄ってくる人間に対して、彼のメーターは数値板に沿って針を振った。 秘密は深夜行われる。彼は復刻版ディーゼル列車から約二時間で満充電をしている。 メーターマンの夢、空を飛ぶ、地上より飛行機が少し大きく見えた。密閉部が破損してメーターが1つ落下してしまった。 昼下がりのメーターマンと焼きそばパン。足元の黒蟻にパンの欠片を分ける

          メーターマン