台湾の女子アナと政治
今回は女子アナのクラスメイト⇒メディアにも政治がめっちゃ影響してますよというトピックです。
以前、人脈系の記事を書きました。
クラスメイトの女子アナ達
現代では女子アナという表現がジェンダー絡みなんですが、尊敬を込めて敢えて女子アナと強調します。というか単に「アナウンサー」よりも「女子アナ」の方が神聖化されているようにすら感じます。
近年のGMBAでは3年連続で女子アナが毎年少なくとも1人づつ入学していまして、狙ってないですが、僕としては超ラッキーなことに毎年各学年の女子アナとグループワークで一緒になっています。はい、狙ってないです、たまたまです。念のため。
他にもメディア出身が数名いたりします。
みんな美女で品があるだけでなく、才能に溢れています。MBAで重要となるコミュニケーションスキル、プレゼンテーションスキル、台本を瞬時に読んで覚える能力等、かなり高いです。しかも3人中2人は米大卒。
特に写真真ん中のエイミーは英語ネイティブであるだけでなく、情報処理能力がずば抜けていて、フォトリーディングとマルチタスクが高精度に出来るので圧倒されました。
エイミーとグループワークを組み、研究対象が台湾メディアとなったのですが、調べていくと色々興味深かったので記事にしてみました。
各女子アナが口をそろえて言うのはビジネスのバックグラウンドがないのでMBAの会計やファイナンスの数字を扱う科目が辛いってこと。なので会計・ファイナンスが得意な人は頼られること間違いなしです。
三人の女子アナの出身テレビ局を下記にまとめます。
問題だらけの台湾のメディア
台湾のメディア自体は実は一般的にかなりレベルが低いと言われており、報道の信頼性が低かったり、報道の内容がゴシップやくだらないものが多く、子供がアホないたずらなどした場合、大人が「そんなことばっかりしてたら新聞記者にしかなれないぞ」とたしなめたりします。
どれくらいくだらないかというと「かわいい」がニュースになっちゃうんです。Facebookで流れてる「猫がいたずらしてる動画がバズってる、かわいい!!!」とか、「台北市長・柯Pがおちゃめな動きした、かわいい!!」とか。猫動画に関しては取材すらしてないし、そんなニュースありですか?と唖然とした。
給料も日本等と比べるとかなり低いにも関わらず、それでいて長時間労働や、上司の命令は絶対で口答えするなら即番組を降板させられるなど、一般的な台湾の労働慣習と比べても特異です。
台湾にはメディアが乱立しすぎで、過当競争である。当然ながらチャンネルごとの視聴率は低くなるのでスポンサー料もたいして取れない、製作費も低いので良いコンテンツも作れない、従業員の給料も低い、劣悪な労働環境で離職率も高いという悪循環である。
それでも女子アナは花形ポジションなので優秀な人材が集まる。台湾メディアのコンテンツはレベルが低くても、実際に働いている人の能力が低いとは限らないということだ。
政治の話のおさらい
以前、台湾の政治に関する記事を書いた。
政党を色で表現する。一般化した言い方をすると「緑」は昔から台湾に住んでいた本省人を中心とする民進党で、高齢者を中心に極度の親日家が多い。
「青」は第二次世界大戦終戦後の中国内戦で敗れて台湾に逃げてきた際に流入してきた、外省人こと中華民国人が中心の国民党である。戦争の際には日本と戦ったので反日教育を受けている。
他にも政党はたくさんあるが、上記の緑と青が二大政党で、その他は小さすぎて現在は政権を握れる気配はない。10数年後世代が交代するとわからないが。
元々は国民党は現在中華人民共和国がある広大な土地を統治していた貴族・エリート集団+軍隊で、国民党が台湾に来た際に、中国から大量の財宝を持って来ており、元々台湾にあった文化財を含む富を接収した。さらには元々住んでいた本省人の知識人を虐殺する白色テロがあり、本省人は人口で勝ってはいるものの、半世紀以上に渡り外省人に支配され続けていた。
権力だけでなく、経済的にも国民党の家系は金持ちは更に金持ちになり、海外留学など教育に充てられるものも一般的な本省人達とは雲泥の差で、現在においても外省人は台湾の各界で優秀な人材を輩出している。
また、上記は極端に一般化しているので、実際には国民党は悪で民進党は虐げられてきたかわいそうな人達という図式が必ずしも当てはまらない。戦争から75年経って、世代が代わり、独自の歴史をたどり、本省人/外省人等混血も進んだ現代においては相応しくない、一概に言えない部分も多くなっていることは付け加えたい。
当たり前だが緑にも悪いやつはいる。青にもいいやつはたくさんいるし、親日っぽく日本語勉強している人も多い。
そもそも今の現役世代は戦争やいざこざの当事者でないので、そんなこと知ったこっちゃないという意識だし、それは全くもってその通り、傍から見ても過去のいざこざは現代の現役世代には関係ないです。そもそもを追加すると、当事者世代であっても軍隊と一般人は別物です。特に女性側からみれば「争いごとなんて男が勝手にしてきたことでしょ」という意識であるかもしれない。
ただし、外国人として台湾に住む者として、そういった経緯で富やエリート意識は何代にも渡って残り、台湾の格差が現在でも続いていることは念頭に置いておいたほうがよい。
また、個人対個人で友達になるぶんにはなんの影響もないものの、台湾人と結婚するとなると話はまるっきり異なり、家族対家族なので親以上の世代の歴史的認識がまるっきり違っていたなど日台国際結婚カップルではよくある問題だったりする。個人でみれば元・敵国が相手のほうが禁断の恋のように燃え上がるのはあるかもしれない。
因みにうちの嫁の家系は義父側が民進党の大家族、義母側が国民党側の大家族出身なので、比較的中立的立場からこの二大政党を客観視している方だと思う。
そんなこんなでいろいろ省略するが、現在は本省人主体である民進党が念願の政権を獲得し、中華民国の実質的な中身のすげ替え(台湾化)を達成した。
各テレビ局に各政党の強い影響
メディアの話に戻す。
各テレビ局にはどこかの政党が強い影響力を持っていて、ニュースの情報にものすごい差がある。民間人もこれをわかっており、自分の政党系のチャンネルしか観ない/自分の政党でないチャンネルは観ないため、この点においても同じ狭い国土の中において情報・知識・文化の分断が起こっている。
二大政党は緑と青だと書いたが、近年青に変化が起こっていた。近年と書いたが、実際には水面下で十数年前からかもしれない。
国民党は長らく中国共産党(赤)と敵対してきたが、2008-2016年 馬英九が総統であった時代は中国との関係改善し、台湾が中国をコントロールして、台湾が潤う政策で押した。
現在も青の中でも赤を敵対視する純正青は現存するが、近年は青の中に赤が大きくなりつつある。つまりは国民党の中でも中国共産党に買収された赤派が大きくなってきており、それがいわゆる台湾版「親中派」である。
先述の中天テレビは青の中のめっちゃ赤。ニュースの内容が「イェーイ!赤万歳!!」って感じで現・蔡英文政権(緑)からも問題視されていた。で、昨年末これ↓
中天ニュースに関する民衆からのコメントをみると、「ニュースを取材するのではなく、ニュースを捏造している」「中華人民共和国の台湾事務所」「ここは諜報活動会社だ」「フェイクニュースばっかり」等散見、というかそんなんばかりだ。
問題が多い台湾メディア。この件についてはいつかまた追跡したいと思う。
付録
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