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国立台湾大学GMBA体験記 5学期目終了ほぼ終盤にさしかかり

5学期目(2.5年)である今期の授業・レポートもやっと終わりました。少しバタバタしながら同時多発的に色々なことがあったので、記録に残しておきたいなと思いつつも、どこから始めようかというのが悩ましかったりして、永遠の悩めるお年頃です。あとは来期に卒論だけです!

国立台湾大学GMBA受験生向け情報

2022年9月入学の外国人枠・応募第1ラウンド(12/5締め切り)は日本人7名の応募があったそうです。第2ラウンド(2/24締め切り)は駆け込みがあるとして20名前後になりそうな気がします。

先日1/15のオンサイトの学校説明会では満員御礼・約100名の入学希望者・当校に興味のある方々が参加し、日本人の登録は3名でした。入国制限がある中で、既に台湾にいる人だけが参加出来る説明会です。海外からの応募も増加傾向だとのことです。

日本人応募者が増加しても国籍バランス的には日本人合格者3名程度がこれまでの実績としては妥当、一方で年度によってはタイの学生が6人採用されていたりするので、日本人応募者のレベルが高ければ、他の国籍の枠を奪う(?)ことで最大6人程度まで合格できるかもしれません。想定倍率は3.3~6.6倍といったところでしょうか。

因みに台湾大学EMBA(全て中国語コース)の方は100人程度の枠に3,000人応募したそうなので倍率30倍です。EMBAと比べればGMBAは大分入りやすいことになります。

学校説明会で当校責任者からのメッセージで印象に残っているのは「勉強だけが目的であれば独学でもなんでもよく、当校に来る必要はない。勉強や学位だけが目的であれば授業料分のお金は株などの投資に回したほうがいい。我々が欲しい学生は当校のコニュニティーに何かをコネクトでき、当校に貢献できる生徒だ」と言っていたことです。

応募書類のひとつであるエッセイや面談では上記を意識することをお勧めします。もちろん応募時点だけのものでなく実際にその後もどのようにするかイメージを持って頂ければと思います。

GMBAの運営は少人数かつアットホームなチームです。別の観点でいうと、日本人応募者が多いときに採用担当者は日本人在校生に「この応募者どう思う」的な意見を求めてくることがあるのはご留意ください。たわいもない「この人どんな感じだった? 」とかもあれば「この人職歴はXXなんだけど日本でこの学部の評判はどんな感じ?」とか。僕はなるべく中立かつポジティブな回答を心掛けていましたが場合によっては選考に影響あると思います。

今期の授業を振り返って

2021年9月から翌年1月までの秋セメスターは2クラス(6単位)、働きながらではありますが有給を利用し平日昼間の授業をほぼフルタイムの学生と一緒に取ってみました。これで卒業単位は全て取り終えたことになります。(もちろん成績結果次第では落第というのもありますが、それは考えなく)
授業は結構バックグラウンドがないと簡単ではない、苦労を伴う科目も多々あるのですが、逆にそうでもない授業も存在します。

最初の2年で簡単ではない科目は取り終えていたので、残りは比較的緩い授業となりましたが、2クラスとも5人のチームを組み上級生になってしまったこともありチームをリードする立場となりました。

記憶が残っている間に簡単に各授業がどんな感じだったか記録に残したいと思います。

Business Communication

教授は白人系南アフリカ人で、政治大学で修士・博士課程を取った人です。
内容としては学部生向けくらいだと思いますが、ボリュームはそれなりにあります。それぞれの状況の中で、会社員としてこの場合どのように上司に連絡する、管理職として部下にどのように指示を出す、危機的状況を経営者として大衆にどのように声明を出すのか等、要点を押さえつつ自分であればどう伝えるのかを繰り返し問われます。野球でいうところの千本ノック。基礎ではあるものの繰り返しのトレーニングが必要な分野です。

個人的にはこのクラスはチームビルディングクラスと位置づけて、クラスが終わったら毎回チームディナーしていました。

メンバーは1年生アナウンサーのエイミー、元シンガポール・キャピタランドのベトナム人GMのダイアナ、2年生唯一の日本人マサコさん、台大学部卒エンジニアのジェイク、3年であるぼくの5人。

基本的には和気あいあいとした授業ですが、最終プロジェクトはビジネスプラン、つまりは「事業計画」のプレゼンとレポートであったため、単なるビジネスコミュニケーションの枠を超えて、アイディア出し意見交換でチームミーティングを何度も重ねることとなりました。

事業計画書はある意味MBAの総合格闘技なので。チームメンバーを創業者として、戦略、マーケティング、会計、ファイナンス、その他諸々の要素を組み込んで作ります。

事業計画はぼくのアイディアを採用してもらったことからCEO役を頂きましたが、「名前はCEO、役割はチームの召使い」を心掛けました笑

メンバーのバックグラウンドが異なるのでビジネスモデル理解に繰り返しの説明が必要なメンバーもいれば、すんなりと理解するメンバーもいればで個人差が大きく、楽しみながらもこれを纏めるのはそれなりに時間と労力はかかりました。

Cultural and Creative Industries

文化創造産業です。教授は台湾大学植物学の学士⇒台湾大学MBAで会計を専攻⇒イギリスのスターリング大学で映画&メディア学の博士課程修了しており、起業失敗などを経て現在台湾大学芸術センターの責任者兼GMBAの非常勤という、MBAの中で変わったバックグラウンドがウリの人で、とてもフレンドリーです。

5週連続、クラスメイト達の誕生日やら婚約したとかおめでたい話があるたびに教授とTA分を含めた全員分のお酒を持参して乾杯していたくらい、これまたチームビルディングクラスでした笑

文化創造産業は文化やクリエイティブなものが含まれている産業で、文化、芸術、音楽、旅行、広告、科学技術、IT分野や特許に至るまで、いうなればほぼなんでもアリ、非常に広い分野が文化創造産業に含まれます。産業というかぼくら金融・コンサルなんかが作るパワポですらクリエイティブになってしまう、全ての業種に繫がる学問です。

経済規模は大きいものの、一方でインターネットや技術の発達、コピーが容易であったり、産業自体が急激な縮小、地殻変動があった産業でもあり、文化を守るため、雇用を守るため、歴史的にも各国政府が補助金を出したり保護政策をしています。要点は我々マネジメントを学んでいる者がアーティストがアーティストとしての役割に集中できる、働きやすい仕組みを作ることです。そして雇用の維持と創出! ”Let artist be artist. We handle the rest.”

この授業では文化創造産業で経済活動を進めていくためのビジネスプランを作成し、最終プロジェクトでは本物のベテラン・ベンチャーキャピタリストの前でプレゼン+レポートという内容です。

チームメンバーは4年生 昨年度のGMBAベストプレゼンターを受賞していた企業IR担当のビビアン、3年のぼく、2年 生保出身カナダ人のUK、1年生はインドネシア富豪一族のTC、スイス人ファイナンス専攻交換留学生のトビーで非常にバランスの取れた布陣でした。クラス外で毎週食事やミーティングやその他イベントがこのメンバーでありました。

ビジネスプランはプラットフォームストラテジーを応用して、台湾人デザイナーと台湾繊維産業をAR技術で繋げるぼくのアイディアがこの授業でも採用され、またも名ばかりCEO役を頂きました笑

このように、授業の内容自体は難しくはないものであっても、仮想の事業計画を通して、チームビルディング、アイディア出し、意見交換、役割分担、時には提案、時にはダメ出しなどあーでもないこーでもないを繰り返す経験が、楽しいながらも大変だったりで、これを一緒に行った仲間と強い絆が出来きるってことです。





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