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若さの定義をちょっと遠回りしながら考える

ぎりぎり30代、国立台湾大学GMBA現役生兼外資系会社員のJinです。しばらく更新していませんでしたがなんとか生きています。今回はいつにも増して異次元までトピックが飛びます。

3月ということでここ台湾の日系マーケットにおいても大御所の人事異動やら退職などいくつもあり、僕の業界にも激震が走りました。例えば某金融業界世界1位が撤退?!と一報があったところ、よくよく確認するとその会社自体は撤退していないものの、唯一の日本人社員が退職していたので、当分野に関しては名実ともに僕の独占マーケットになってしまったとか。なんか最近問い合わせ多いなと思ったら。。。

戦争反対、飛び火はさせない

世界が注目するロシアのウクライナ侵攻についても、ネット上では中国・台湾の関係を連想して「次は台湾だ」というようなことが囁かれていたりしますが、いち台湾在住者としてはご心配はありがたいが、そんないらんこと言わんでくれと思っています。

というのも、僕自身は過去の数々の事故で死の淵を経験しているのである程度の恐怖のコントロールは出来ていると自覚していますが、うちの家族含む一般の人達の恐怖をいたずらに煽るようなことはやめてほしいと願っています。

なんなら現在進行形で日本も北方領土問題で揉めていることもあれば、追い詰められたヤクザ・プーチンからみれば世界のリーダーとしてなにかとうるさい米国だって頭からつぶしてやろうとか考えるのはあり得る話ですし、戦争自体はどこでも起こりうることだとわかりました。

起こるか起こらないかは誰にもわからないし、気を付けるもなにも起こらないように祈ることしかできない一方で、このネットの時代は声を大にして「戦争反対」と言い続けることが大切だとも認識しました。

別の見解として、海外からの視点と国内からの視点は異なることは多々あるということ。例えば、韓国に5年駐在していた現台湾日本人駐在者の方によると、北朝鮮が日本に向けてテポドンを発射した際も日本本社から多くの連絡がきたが、韓国人に言わせると当たり前のように「あいつらは元々そういうやつらなんだ」という反応であったそうです。

同じように台湾においても台湾海峡両岸の緊張は半世紀以上続いており、台湾の一般人からすると「今に始まったことではない」というのもあり、海外のニュースと国内の反応には乖離があると言えます。

そもそも中国は台湾をつぶしたいのではなく、経済も取り込みたいので、全てを破壊する戦略は取らない。また、両岸関係は陸続きでないので、もしものことがあれば兵力の差ではなく、技術の差や戦術がものをいう世界なので、技術であれば台湾に分があり、ボタン一つで勝敗が決まる可能性があります。つまりは開始するなら勝率2分の1、中国というか頭のいる北京もただでは済まない可能性が高く、簡単には手は出せない。

また、本日 日本工商会で識者の講演がありました。ここでは詳細は割愛しますが、節目を気にする習近平が行動を起こすなら国共分裂の100年目となる2027年か、習近平が敬愛する毛沢東が83歳で亡くなったので、習近平が83歳になる2036年までに行動を起こしたいはずとも予想されていました。問題の先送り、一時の気休めにすらなりませんが、逆にそれまでは可能性は高くないとも考えられ、本人も行動パターン研究し尽されていると認識すれば抑止効果に繫がる可能性もあります。

政治とビジネス

日本のビジネス界隈では政治の話は避けることが定説になっている節がありますが、実際には政治とビジネスは密接に関り、切っても切れない関係になっているため、ビジネスパーソンとして「政治の理解は必須、ただし発言する場には気をつけよ」が解だと思います。件の戦いも経済・ビジネスが大きく絡んでいることは明らかです。

台湾では国内で民進党と国民党で大きく分かれていますが、真逆の経済政策を押していることからビジネスに直結します。再生可能エネルギーを推進する民進党と、原発のほうが金になると言って原発回帰派の国民党。日欧米に加えて東南アジアとの経済協力関係を構築したい民進党と、中国をコントロールすることを前提・建前としながら中国とのビジネスを増やしたい国民党など、どちらに転んだ場合においてもこちらにビジネスが入っているくるようにビジネスパーソンは戦略を用意しておくべきです。

一方で、八方美人政策だけでは通用せず、特に金融業界でも社会通念上「明らかな悪」と見做すことができることにはビジネスで関わらないという方針が大きな流れです。それが戦争だったり、武器の製造、麻薬関係は昔からでしたが、最近は環境破壊が加わりました。そういったところに資金面でのサポートを行わないことが鉄則です。金融業界でもロシア撤退、資金流れを止めるなどそういった背景も重なっています。

公序良俗に反するものは顧客であっても取引を行わない、関わらない決断をしています。

海外ビジネススクールでよくある認識の違い

さて、戦争⇒政治とビジネスときて海外ビジネススクールでの話に半ば強引に持っていくとになりますが、多国籍チームでプロジェクトを動かしていると認識の違いにぶつかることがよくあります。

例えばマーケティングの授業でタイ人2人と台湾人、アメリカ人でチームを組みました。タイをターゲット国として電気自動車関連製品のマーケティングプランを作ることになったのですが、最初にターゲット顧客セグメントを「環境意識の高く新しいテクノロジーに理解のあるEV所有タイ人若年層」と設定しました。

プロジェクト終盤になり、タイ人が設定する若年層の定義が18歳~25歳であったことに今更ながら気づき、「USD80,000くらいはするであろうEV購入する若年層って35歳くらいまででもいいんじゃない?40でもいいくらいだ。なんなら20代前半でEV買うなら親のサポートが必要だ。親の年代にもこのプロダクトの良さを訴求するように修正しない?テクノロジーって言っても今時60代でもスマートフォン使いこなしてるし、上の年代もターゲットを拡大してもいいんじゃない」と提案したところ、

「現代のタイではEV買う大学生は富裕層でもなんでもなく、普通にいる。親の意思とは関係なく本人が所有したいという意見だけでいい。タイでは30代は若年層じゃないし、タイの高齢者は新しいテクノロジーを受け入れたいと思ってないし、そもそも最初に合意したターゲットセグメントを終盤に差し掛かった今更変更したくない」ときたもんだ。

外資企業で働いている僕からしたら上司の一存や顧客の意向でプロジェクトの方向性が突然ひっくり返ることなんて日常茶飯事なんですけど。そのタイの学生は20代中盤くらいでした。

今ネットでタイの平均年齢検索すると38歳 (30くらいかと思ってた)。一方で日本の平均年齢は48.4歳 (2020年)だそうです。ほぼ50歳だ。
10代、20代前半の頃は30代は大人だと思ってた。でも日本人のデモグラフィーでは30代は(過半の40代も)平均にも中央値にも届かない若手ということもできる。

いつまでも子供ではいられないとうのはある一方で、実際はどうあれ、個人的には自身をまだまだ若手だと思っておいたほうが謙虚に学ぶことができるし、自身の成長の伸びしろも残されているわけで、そっちのほうがよいと思っている。

でも、平均年齢の比較的若い国出身者だとそもそもの認識が異なる可能性がある。

ちなみに結局、「当マーケティングプロジェクトはタイが対象国だし、タイ人のほうがタイマーケットを熟知してるのから君の感覚を信じるよ」と任せたら無反応で押し切られた。

若さの定義は時代やその場で変えていくべきだと思う

いくつか昔の(昭和に一世を風靡した)人達の写真を見てみよう。

昔の30代40代を見ると貫禄ありすぎて年齢がどうでもよくなる「これが年下!?」「昔の人の年の取り方スゴイ」

写真の人達ほぼ年下だけどめっちゃ貫禄がある。今の人も昔の人も遺伝子自体はそんなに変わっていないはずだから、現代人が摂取する栄養素が違うとか、単純にファッションが老けてみえるとか、当時の俳優/女優はこういうタイプが人気だったため結果として貫禄がある人達のみを抽出して画面に映っているというバイアス等考えられる。

でも、平均寿命、平均年齢が伸びているのは事実で、どうやら現代人の方が若く見えるのが最もらしいこと。

「現代人の年齢の感覚は、昔の人の年齢の0.7倍に相当する」
つまり、実際の年齢に0.7をかければ、気持ち的な感覚と一致するということ。
40歳なら昔の28歳に相当
50歳なら昔の35歳に相当
60歳なら昔の42歳に相当
70歳なら昔の49歳に相当…

『現代の50歳』は『昔の35歳』に相当する!?

言葉の定義は時代とともに変わっていくものだし、「若者」「おじさん」「おばさん」「おじいちゃん」「おばあちゃん」等もそろそろ定義を柔軟にアップデートすべきだと思う。30代がおじさん・おばさんなのは昭和の価値観だと思うのです。

デモグラフィー、場によっても変わってきますしね。政治の世界だと50代でも若手ですし。

台湾では子供に大人を「おじさん」「おばさん」と呼ばせる。台湾ではこれは普通だと脳ミソは理解しているが、感情が理解していないのが正直なところで、おじさんじゃなく、まだお兄さんと呼んでほしいという願望からこの記事を書いたことは秘密にしておく。


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