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オンライン中心のマネジメントで心掛けていること

新型コロナ感染拡大防止にひもづく、リモートを中心とした就業環境への変化から早くも3カ月近く過ぎ、第一波は完全に収束に向かいつつある。だからと言って、皆が満員電車にのり、オフィスに集まって仕事を...というコロナ以前に戻ることはもうないだろう。

4月下旬の日経ウーマノミクス・プロジェクト会員に向けた調査では、在宅勤務をした1400人のうち74.8%が「新型コロナ収束後も続けたい」と継続を希望しているし、

各企業側でも在宅就業環境を整えていく為、個社ごとの支援を始めている。支援には通信費や光熱費の負担から、在宅就業環境での生産性を上げる為の机や椅子などの費用負担、社員同士の交流をオンライン環境下でも生むための交流会の飲食代負担まで多岐にわたる。

そんなオンライン前提の、オンラインを軸としたコミュニケーション中心になってきたからというもの、チーム運営をどうしているのかと、マネジメントに関わる友人に相談されたり、ディスカッションすることが増えた。

僕自身、現職に入社して3年半近く、現在10人弱のチームマネジメントに携わっており、日々の業務において試行錯誤している。そんな自分自身が過去に上司から教わったことも含め、オンラインな今だからこそ改めて大切にしていることを書き残しておきたいと思う。※これを読んで頂いた皆さんの声も聞かせてください

一日の始まりはちょっとした雑談から

チームで仕事をする上でマネジメント側に大切なのは、チーム個々人の変化に敏感であることだと思っている。自チームにおいて、毎朝チームメンバーとその日の動きを共有したり、必要に応じて他メンバーへ相談や依頼をおこなう「朝礼」的な時間を5‐10分設けているが、共有や相談、依頼の前に必ず雑談を入れるようにしている。

当初は自分が意図的に雑談していたが、途中からチームメンバー持ち回りで雑談をやるようにしてみた。話す人は日でわけ、話す内容もお任せ。チームで仕事をする為には前提の関係性(=土台)は大切で、人となりがわかるだけでも仕事への入り方は変わってくる。そして個人の状態は日々変わる、個人の状態が変われば、チームの状態も変わる。マネジメントは日々のチームや個人の変化に敏感でありたい

意図しない偶然の雑談、出会いをどうつくるか

雑談の流れでもう少し書くと、オンライン中心になってからというもの、日々の業務でコミュニケーションをとる人が固定化されてきているように感じる。オフィスに出社していた時にあったような他チームの人とのオフィス内での偶然の出会い、お昼やお茶を飲んでいる時の休憩時にあった雑談は減っている。

だからこそ、チームを超えた偶然の雑談、出会いをうまく作っていくことは重要に思う。特に新入社員がいるようなチームにおいては、前提の関係性が出来ていないからこそ、マネジメント側が意図して前提の関係性をつくるような時間や場をつくる必要がある。

自身の場合、自チームを超えて「オンラインZoomランチ&飲み会」を企画したり(チーム内外の人のカレンダー上に、勝手に2‐3時間くらい帯で時間を入れ、時間の中で入るも入らぬも自由な空間)、華金の夕方の就業時間の終わる直前に「週末雑談」なる20分くらいの、これまたカレンダー上でチーム内外の人の時間を勝手に押さえ、入るも入らぬも自由な空間をオンライン上に設けてみている。

他チームとの連携も、日々のコミュニケーションがあるかどうかで変わってくる。ちょっとした関係性があるかどうかでチームを超えた連携の初速に大きく関わってくるはずだ。

日報や週報、各種アクションにきちんと反応する

自チームでは3月中旬より自身を含めた10名弱が完全にリモート中心の就業に変わっているが、元々コロナ前から育児や介護に向き合うメンバーが半数いたこともあり、リモートで就業すること自体に対するチームメンバーの抵抗はなかったように思う。

とは言え、全員がリモートになったからこそ、意識していることがいくつかある。中でも、日々メンバーが開示してくれる日報や週報(これは人によって、どちらかというのはある)に対して、必ず反応することは大事にしている。どんな些細な内容でも短文で返したり、気づいたことなどは週末にまとめてメールし、週明けに読めるようにしておくなどだ。

チャットに反応することも大切にしている。個人的にはSlackは必ずリアクションするようにしている。ちょっとしたことかもしれないが、反応すること、興味を示すこと、これはマネジメントにおいて大切だと思っている。興味を持たれているかいないかでは、人の動きが大きく変わる

オープンな空間でのコミュニケーションを心がける

物理的にオフィスに出社していた時は、チームでのMTGやディスカッションの時間内でも、その都度自身が示した反応をチーム全員が感じられる時間や場があった。オンライン環境においては、ともすれば個人同士のチャットなどで話して完結することも出来てしまうが、

出社時と違い、他メンバーがその場の空気を察知したり、感じたりすることが少なくなってしまう。テキストには情報はあっても、温度感が見えない。だからこそ、個人的にSlackなどのチャットを活用する際も、チーム内で個別に送るのではなく、出来るだけチーム全員、オープンな場で送ることを意識し、必要な対象には@をつけて共有したり議論することを心がけている。

私には送られているが、私には送られていない。私は言われたが、私は言われていないを避け、チーム内の情報の濃度を出来るだけ均一に上げていく。チームのバランスは大切だ。

余白を残しておく。ツッコミどころを大切に

オンライン中心の仕事になってからというもの、ついつい仕事をしすぎてしまったり、オフになる瞬間が少なくなったという声を聞くことがある。オフィスへの出社という移動があった時は、個々人に中と外と自分のタイミングで切り替える時間があったのだと思う。

在宅環境下ではメンバー個々に就業環境の前提は変わり、育児や介護などに向き合いながら、仕事をしているメンバーもいる。だからこそ、チームの中に余白を残しておくことは大切だ。余白と言っても、ただチーム内の戦力を余らせるという意味ではない。

表現として難しいが、特に対上司に対する余白、ツッコミどころをつくっておくということだ。上司が常に溢れている状態ではチームは機能しない。張りつめすぎた糸は切れてしまう。チームも同じだ。程よい緊張感が必要な時と、余白が必要な時がある。

目指すべきGOALやそこに至る道筋、必要なツールを見える化しておく

これはオンライン環境に特化した話ではないが、自分達が今どこに向かって日々の活動をおこなっているのか、そういった情報を丁寧に見える化し、集約しておくことが大切だ。特に個々人が日々ディスカッションしたりする際に用いているような資料(ドキュメントやスプレッドシート、スライド等)はそれぞれが作成し、自身のPC上だけで整理されている状態になりやすい。

マネジメントの役割の一つには、目指すべきGOAL(KPI)やそこに至る日々の道筋(ログのようなもの)、使っているツール(例えばIDやPASS)まで含めて、情報を整理し、きれいに整えておくことが大切だろう。必要な時に必要な武器が取り出せないようでは、チームはうまく戦えない。チームが戦いやすい状態をつくっておくことはマネジメントの役割だ。

定量的な事実と定性的な感情の両方を大切にする

生鮮ECの宅配事業を手掛ける当社にきてから、「FACT(事実)は何か」ということに向き合うことが非常に増えた。それと同時に、お客さまの声を聴く機会(HRであればお客さまと言わないまでも、向き合う先は社員であり、外部の求職者が中心になる)も。

チームをマネジメントする上で、とても大切にしているのが、定量(事実)と定性(感情)のバランスだ。オンラインになって、物理的な姿として働いているメンバーを目にすることは減っている。だからと言って、マネジメント側が細かく細かく仕事にあーだこーだと言っていたら、メンバーもやりにくいし、力を発揮できない。

だからこそ定量的な事実、数字で見ることは大切だ。どれくらいの労働時間で、どれくらいのアウトプットを出しているのか。残業が増えているのか、減っているのか。勤務の開始時間に大きなブレがあったりしないか。勤務時間のログと違う時間にメール返信したり、資料を作っていないか。こういうことはマネジメント側が注視すれば、すぐにわかる。

同時に定量だけでなく、定性的な感情を捉えにいくことを欠かしてはいけない。定量的に出た数字はあくまで表層的なもの。その裏に潜む背景、個々人が持つ、定性的な部分を捉えに行く必要がある。リモートになって、就業時間は変わらなくても、育児や介護に向き合う時間が増え、誰かにそういったバックボーンを抱えて仕事に向き合っているメンバーもいる。感情に丁寧に向き合わずして、マネジメントは務まらないと思う。

先が見えない環境下だからこそ、時にたな卸しし、自らを変えることを厭わない

誰一人、1年前の今頃は新型コロナによる現在の環境は予測できなかったはずだ。そして1年後がどうなっているかも、正確に予測することは難しい。だからこそ、日々の活動を定期的にたな卸しをすることは大切だ。

自分自身、Qに1回は必ずチームの状態、個々人の状態、自分のおこなってきた活動をたな卸しし、アップデートする時間を意図的に設けている。例えばそこでは、定例で入っているような会議の時間を見つめなおしたり、続けてきたことでも辞める決断をするものも大切だ。チームや個人の目標、KPIも定期的に見つめ、必要に応じてアップデートしていくこと。マネジメントの役割だ。

最後に

オンライン中心とは言え、本来のマネジメントの役割とは、組織の掲げるミッションに紐づく事業を成功に導く為、チームや個人と正しい目標を定量的・定性的に設定し、その達成に向けた伴走をすること。そして個々の個性を発揮しやすい状態をつくる為の支援を惜しまぬことだと思っている。

その為には、自社を取り巻く環境(市場・競合・顧客)や自社の状態を細やかに事実情報で把握すること、チーム内の個々人の強みを把握し、最適な状態を目指して、常に変化し続けることだと考える。何より自身が率先して、変わることを厭わず、日々の振り返りを欠かしてはならないと思う。

そんな変化の日々の中で、変わらない軸のようなもの、個人やチームのサイクルをつくっていけたらと思う。オンラインでも、マネジメントにおいて大切な本質は変わらない。

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