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人事部長〜闘病編⑥〜

手術直後。
8時間想定の手術だったから
麻酔の効きが強く残っていた。

体が動かない。
酸素マスク。
点滴何本も。
指に酸素計。
足はキツイ靴下と
エコノミー症候群防止の膨らむやつ。
名前知らない。

そして大腸がんの手術後は
下半身に管が入り自分の意志では
ラージもスモールも出来ない。
オムツをつけるのだ。

そして全てのケアを
若い看護師の方々がお世話をしてくれる。
本当に申し訳ないやら
恥ずかしいやら。
でも本当に体が動かない。

嫌な顔をしない献身的な看護師の方々には
本当に感謝しかない。

手術の次の日からもう歩行練習が始まった。
とはいえ初めは上半身を起き上がらせて靴を履いたところでで血圧が下がり断念。
その日は午前午後2回チャレンジも
同じ結果だった。

しかし麻酔の影響は筋力に顕著に現れる。
全身の筋力が低下しているのが分かった。
体が動かないことに必死だったが
夜になると考えてしまう。

『しかし俺のがんは治るのか?』
手術で治らなかったから化学療法に
切り替えるとのこと。
抗がん剤だ。

手術の時もそうだったが
【分からない事】が怖い。

抗がん剤ってどうなるんだ?

がんになった時もそうだったが
ネットでの検索のし過ぎは精神的に良くない。
が、担当医から言われる言葉をどう解釈したらよいか分からずたまらず調べる。

調べるとどこをどう読んでも
ポジティブに捉えられるものはない。
何故なら僕は早期発見の患者ではないからだ。
患者用ではなく一般公開の記事やコラムは
容赦なく生存率などの数字が載っている。
科学的根拠だ。

いや。どんなに裏付けされてても
俺の数字ではない。。。

『自分で見たものや聞いたことだけを信じよう。』

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