三輪明神のご由緒
先日、息子が部活で大きめの怪我をしてしまい学校へ迎えに行った際に久しぶりで広島の三輪明神へもお参りしてきました。
こちらは奈良県桜井市に坐します大神神社(おおみわ)の広島分祀になります。大神神社は三輪山を神体山とする古代山岳信仰の神社です。本殿はなく拝殿から三輪山を拝する形になります。そうしてみると広島の三輪明神も山(見越山)を拝する形になっておるように見受けられます。Googleマップのリンクを貼っておきますのでご覧ください。但しこれは私の勝手な解釈ですので間違っていたらごめんなさい。
山の写真は何年か前のものですがこんな感じの所です。
それでは由緒書きの解説に移っていきたいと思います。
三輪明神の由緒書き
御祭神と配祀の神々について
オオモノヌシとコトシロヌシと…
三輪明神の御祭神であるオオモノヌシは出雲大社のオオクニヌシの化身とも言われており。かつまた初代神武天皇のお義父さんとも言われております。
そしてコトシロヌシはオオクニヌシの御子神で島根県美保神社や静岡県三嶋大社などの祭神です。こちらもまた初代神武天皇のお義父さんという伝承がございます。
そんなこんなの神武天皇后は媛蹈鞴五十鈴媛命と申されます。どうです、読めましたか?…なんてイタズラ心を出してしまってすみません。『ヒメタタライスズヒメ』と申されます。
ヒメタタライスズヒメ、ある時はオオモノヌシの娘であり、またある時はコトシロヌシの娘であるのです。
この伝承のとっ散らかり具合のおかげでオオモノヌシとコトシロヌシどちらがどちらかいつも混乱してしまいます。
コトシロヌシもご一緒に祀られているのはヒメタタライスズヒメつながりなのでしょうか。疑惑が深まります。
火の神、ヒノカグツチ
字面のまんま火の神様です。火の神様として命を受けたばかりに出生の悲話がございます。
イザナギとイザナミの国生みの最後に生まれてくる神様なのですが火の神であったばかりに生まれてくる時にイザナミのほと(女陰)を焼いてしまい、その大やけどのせいでイザナミは神去ってしまわれます。(神様がおなくなりになることを神去るとかおかくれになるとか言います。)
ブチギレたイザナギはヒノカグツチの首をぶった斬ってしまわれます…。生まれくるなり斬首とか悲しすぎます。まあ、神様が人間のように死んでしまうわけではありませんが。
アマテラス爆誕
さてそうして独り身となってしまわれたイザナギはあまりの淋しさに黄泉の国へイザナミを訪ねて行きますが「見るな」と言われた変わり果てたお姿をフリと勘違いしたわけでは無いでしょうがつい見てしまいます。ブチギレたイザナミとその手下たちに追われ、ほうほうの体で地上へ戻ってきます。そして宮崎県の日向あたりで「黄泉の国へ行って穢れたわい」とか何とかいって川で禊ぎをなさいます。その時に住吉大社の神様などもお生まれになりますが最後に左目からアマテラス、右目からツクヨミ、鼻からスサノオがお生まれになりました。
イザナギはこの三柱の神様をみて「ユーたち麗しい!今日から三貴子。」と指名しセンターにアマテラスを据えました。
ちなみにトヨウケやオオヤマズミはこれより前にお生まれなので一応姉神、兄神ということになりましょうか。
三輪明神について雑感
由緒書きに『大物主大神の第一の眷族国光龍王様』とあるのですが国光龍王の存在について私が調べた範囲ではよくわかっておりません。明治時代に神道から分派して新興宗教のようなものが興るのですが(金光教とか出雲大社教とか生長の家とか)、私見ではそのような教派の一つであったのかもと思っています。
というのもこちらの奥宮は祖霊社のようなのですが『幽冥事をしろしめす幽冥の大神をお祀り』とあり、いわゆる記紀神話を元にした観念とは独特な教導色、特に黄泉の観念について独自の教義があるのかもと考えております。気にはなりますが一歩踏み込む勇気(単に聞いてみる勇気)が無いのでそっとしております。
まとめ
山岳信仰という古神道の名残が強い大神神社の分祀ということもあり記紀神話の話題が盛り上がってしまいましたがいかがだったでしょうか。真面目に語ると文量がすごいことになりそうなのでかなり端折ってあります。詳しくお知りになりたい方には現代語訳の古事記がおすすめです。参考書籍欄にリンクを貼っておきますのでご参考になさってください。
最後までお読みいただきまして誠にありがとうございました!
参考
書籍
ウェブサイト
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?