読書記録|百田尚樹『風の中のマリア』
読了日:2021年6月14日
昆虫の目線で描かれる小説というのはあまりないので、その構想自体に面白みを感じたし、想像を絶するオオスズメバチの世界を垣間見ることができた。
人間界では嫌われ、一方的に駆除されるオオスズメバチだが、一匹のオオスズメバチに焦点をあて、その一生をこれほどドラマチックに描かれた小説は初めて読んだ。
ただの物語という枠で終わらず、昆虫界のオオスズメバチというものの生態、もっと深いところだとゲノムについても解説されていて、まるで人間界のような組織とも見えるコロニーの中で産まれ、生きて、死ぬ…そんなオオスズメバチに共感性を抱いた。
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