見出し画像

XO醤って何者?学歴や年収は?彼女がいるって本当?

XO醤ってなんだよ

ずっっっっと思ってたけど、字面が異様すぎる。

「醤」という字から何となく調味料であることは連想できるものの、それを修飾する「XO」が意味不明。XとO、アルファベットの中でもクセ強め(主観)なチョイスのおかげで異世界言語の香りすら漂う。これは明らかに我々の世界に存在しない言語体系で作られた言葉だ。

ていうか「えっくすおーじゃん」って読むこと自体割と最近知った。中華料理屋でXO醤を使ったメニューを注文する時はずっと「え・・・っと豚肉とキャベツのエックス・・・炒めで。」みたいな感じでごまかしてた。

そもそもなんでこんな名前になったのよ。

1980年代の中華料理界では、「新派」と呼ばれる諸外国の料理の手法を取り入れた中華料理を創作する動きが加速していた。その中で香港・ペニンシュラホテルの広東料理レストラン「嘉麟楼」の料理長だった許成氏が高級食材をふんだんに使ったXO醤を開発した。XOとはブランデーの最高の等級を示すエクストラオールド(eXtra Old)からの命名である。あくまで高級感を持たせるための修飾語であり、実際には古く熟成させる工程はない。(Wikipediaより引用、一部改変)

なるほど。要は「ぼくのかんがえたさいきょうの調味料」というワケだ。サラッと纏められてるけど、XO醤が開発されるまでのストーリー普通に面白そう。絶対エスカレートしすぎた結果の「もう高級食材全部入れたれ!」だと思う。

さて気になる主な材料がこちら。

干しエビ
干し貝柱
金華ハム
生姜
唐辛子
ニンニク
植物油
(Wikipediaより引用)

豪華メンバーすぎるだろ。『リンカーン』かと思った。

なんか美味しそうだから食べたくなってきたな。

XO醤を探して

画像1
天気が良すぎる

というわけでXO醤を探しに業務スーパーにやって来た。

完全に余談だが筆者は小さいころ業務スーパーが嫌いだった。理由は食玩が売ってないからだ。テンションの上がるものが何一つなかった。

画像2
XO醤フラグ立ちまくり

瓶詰軍団を発見。多分この中にXO醤は潜んでいる。

画像3
画像4

おい知らん醤(ジャン)ばっかりあるやんけ

醤(ジャン)シリーズってこんなあんの??ほんでXO醤無いけどアイツ結構大御所じゃないの??大丈夫?歴史も知名度もそこそこあるベテランやけど?醤(ジャン)の世代交代の波に呑まれた??

というわけでXO醤がなかなか見つからない。チューブタイプの物も見当たらず、僕は業務スーパーを延々と徘徊するだけの不審者となった。

画像5
最高か?

一瞬マジでどうでもよくなってコレに手が伸びかけた。なぜ私はXO醤にこだわるのか。誰からもお金をもらうわけではないのに。

店員さんに聞こうと思ったけど、「え、エックスオージャン・・・」と口にするのが恥ずかしかったので止めた。文字列バグってるから、たぶん言われた方もビックリすると思うんだよな。耳が。絶対聞き返されるし。

あと目の前にいた若い店員さんがシフトの事でパートのおばちゃんに詰められてたし聞きづらかった。「○○さん日曜はなんかあるの?絶対シフト入ってないけど。」「すいません日曜日は部活があって・・・」「ア、スイマセンXO醤って・・・」←こうなるの滑稽すぎる。誰がこの状況でXO醤の在庫聞くねん。

画像6
天気が良すぎる(再)

というわけでイオンにやって来た。

画像7

うん、ないのよ。

XO醤ってもしかして雑魚マイナー調味料?

流石に雑魚マイナー調味料ひとつのためにスーパーを三軒もハシゴするのは嫌だと思ったので、今度は店員さんに聞いてみた。
最初は「あぁ、XO醤ですね!」と順調な滑り出しを見せたものの、気づけば助っ人が参戦していたようで「店員さん&在庫担当の人&スーツ着た社員さんっぽい人」の三人がかりでXO醤を探してくれている。非常にありがたかったが、たぶんこの店にXO醤は無い。だって大人が増えたもん。大人が増えた時って大体ダメな時のサインだから。スイマセンもう大丈夫なんです・・・ボク、XO醤だけ買いに来たキショ客なんで・・・。

画像8
金色が眩しい

で、結局三軒目に立ち寄ったスーパーにてようやくXO醤を手に入れた。

画像9
こういうの暇な時に読んじゃうよね

とにかく豊富な原材料。謎野菜ことエシャロットまで入ってるじゃないか。

果たしてそのお味は・・・!?

たかがXO醤ひとつ相手に長い戦いだった・・・。

画像10

というわけでXO醤単体で味わっていく。

画像12

佃煮みたいな見た目。いただきます。

画像12
虚無

うん、まぁ、うん。調味料やもんね、言うても。


正直三軒もハシゴしたこちらの労力に見合ってない。

「高級食材をふんだんに使った調味料」とはこの程度なのか。いや、もちろん全く不味いわけではない。しかし食べるラー油のように単体で成立しているだろうと、なんなら食べるラー油系の頂点かもしれないと、そういった勝手な幻想を抱いておりました。

味を例えるなら、魚介風味の中華佃煮といったとこだろうか。悪くはないがご飯が進むタイプの味ではない。

貝柱、エビ、ハム、ニンニク、生姜etc・・・これだけの豪華メンバーを揃えておきながらこの微妙な味・・・『リンカーン』やないか。

しかし困惑しているのは案外XO醤さんサイドかもしれない。多分そのまま食べられるとは思ってなかっただろうから。「すいません、ぼくガチの調味料なんで(笑)」という声が聞こえてくる。ごめんな、俺が悪かった。

というわけでちょい足しアレンジしてみる。
今回は「サッポロ一番塩ラーメン」をチョイス。

画像13
全然違う

一気に香港の風が吹いた。

そうか、XO醤の真価ってこれなのか。誰かと交わることにより、その魅力を発揮し元の食べ物の新たな一面を引き出すのか。

僕たちもそうかもしれない。みんながみんな食べるラー油みたいに一人で輝けるわけじゃない。XO醤のように誰かと一緒にいることで、もしくはどこか特定の場所にいることでその魅力を発揮する、そういう生き方ってあるじゃないか。それぞれに輝ける場所があるよな。

ありがとうXO醤。僕は一人でも十分面白いから食べるラー油側だけど、君は大事なことを気づかせてくれたね。

画像14

XO醤FOREVER

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?