「どうせぼくには無理だろうな」カッコ悪い自分にさよならするためのウルトラマラソンに。

「颯太君。実現したい目標があるとするよね。それってどうやって実現するんだと思う?」

哲は質問した。

「そりゃ、やっぱり……努力して、頑張って実現するんじゃないんですか?」

「うん。まぁ間違いではない。努力して頑張っていない人が、目標を達成できるはずがないからね。だけど、大切なのは、努力して、頑張ってということ以上に、本気であることが大事なんだ」

秘密結社Ladybirdと僕の6日間

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「悪くはなかった。大切な人もたくさんできて、人の縁に恵まれた。その人たちのおかげでたくさんの思い出ができた。美味しいものも食べれたし、ある程度いきたいところにも行けた。そこそこのチャレンジもできたと思う。でも、中途半端が多い人生だった。なにひとつ本気で取り組めたことはなかったかもしれない」

もし仮に今ぼくが死んだとして、あの世で神様だか閻魔大王さまだかに「どんな人生だったか?」と聞かれたら、こんな回答になるだろう。

もちろん、楽なことばかり選んでいるわけではない。それは自信を持って言える。

でも、じゃあなにかに対して本気で取り組んだか?と言われると、「これは間違いなく本気で取り組んだ」っていえるなにかはほとんど思い浮かばない。

明確な志望校もなく、勉強量だけを重ねた大学受験は、「地元の国立大学に受かればいいや」ぐらいの志だった。

司法書士を目指して上京し、バイトしながら専門学校に行って勉強をしたはいいものの、休みの日すべてで朝から晩まで勉強できたわけではなかった。

「たまには気分転換を…」なんてパチンコ屋に足を運んだ。もちろん受かるわけがなかった。

はじめて就いた保険営業の仕事では、安定した営業成績をあげられなかった。

悔しくて、仕事が始まる2時間近く前には職場については、ひたすらにトップ営業マンの音声を聞いてはメモをしまくった。昼休みはご飯を早めに切り上げて、お客様に電話した。

周りからは努力しているように見えたかもしれない。でも、ぼくの心にはいつも、「ぼくにはトップ営業マンなんて無理だろうな」という本音があった。本気でトップ営業マンを目指していないやつがトップ営業マンになれるはずもないのに。

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振り返ると、これまでの人生、求める結果を達成するために本気で取り組んだ覚えがほとんどない。

達成した何かは、できる範囲で成し遂げたものだけな気がする。大学受験のときのように。

すこしハードルが上がると、すぐに「ぼくには無理だろうな」という弱気な自分がでてきてしまい、頑張ってるふりだけして諦める。

かっこわるい。

今回読んだ「秘密結社Ladybirdと僕の6日間」に出てくる主人公は、そんな自分にちょっと似ていた。

本を読んで気付いた。

「かっこわるい自分」から「かっこいい自分」になるには、本気で挑戦しなければならない。

なんでもいい。やりたいことがないなら、まずは今取り組んでいることでいい。

本気で挑戦する。本気でやるっていう覚悟を持つ。

それが新しい自分に生まれ変わるための絶対条件。

約2週間後の4月16日、富士五湖ウルトラマラソンに挑戦する。走る距離は118km、富士山のふもとだけあって、アップダウンも激しい。

「ぼくには無理だろうな」

今回も心の中ではかっこわるい自分が顔を出している。やる前から半分諦めている。アントニオ猪木さんがいたらぶん殴って欲しいと思う。

でも、もうかっこ悪い自分のままで生きていくのは嫌だ。かっこいい自分に生まれ変わりたい。いや、生まれ変わる。

好きなランニングでも本気になれないなら、きっとこの先何に対しても本気で生きていくことなんてできないだろう。

残り2週間、ぼくならきっとやれる。本気でやれると確信して本気でチャレンジする。

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急に暑苦しい話ですみません。

マラソン大会当日まで、勝手ながらみなさんの Instagram のストーリーにお邪魔して、ランニング距離を報告させてください。

かっこいい自分に生まれ変わるきっかけにさせてもらえたら、と思います。

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