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【ビジネスメモ】蝶矢京都さんに学ぶビジネス戦略

先日「蝶矢京都」という梅酒作り体験ができるお店に行ってきました。

ビジネス的に「いいなー!」と思える点がいくつかあったので、備忘録がてらメモします。

ざっくりまとめると以下の通り。

・SNSにアップされることを踏まえた店内づくり
・体験作りでお客さんを呼び込んで、他のお客さんが入りやすいように工夫
・「体験 × 持ち帰り × プレゼント」で客単価アップ



SNSにアップされることを踏まえた店内

店舗に入り、ゼロコンマ1秒で「映える…!!」ってことばがでてくるほど、鮮やかに梅酒で彩られた店内。

壁は、一面まるで雪で覆われたかのようにまっしろに白塗りされていて、そこにならぶ梅酒はまるで舞台に立つ主演女優のようなオーラを放っていました。

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さながら Instagram のなかの世界に迷い込んだかのような感覚。

つまるところこれは、「SNSにアップされることを前提に店内が設計されている」ということ。

店員さんからも「梅酒作りが始まるまでのあいだ、店内の写真はご自由にお取りくださいね」だったり、梅酒作りの途中でも「よければこれ (きれいな完熟梅の模型) を背景に撮影ください」とお声がけがあるほど。

Instagram で「蝶矢」検索をすると、1万件近くの投稿がヒットします。

現代において、SNSをマーケティングの戦略に組み込むことは大前提にしておいた方がいいなと、確認できました。

とくに「体験 × SNS」は相性よさそうですね。

体験にいく前に検索するひとも多そうですし、そこにきれいな写真が上がっていると「行きたい!」っていう気持ちも湧きそうなので!

一方で SNS と掛け合わせる相性がそこまで良くないものもあるのかも、とも思いました。

たとえば「Bar × SNS」とかは、来店対象のお客さんの目的が「飲んで話すこと」だったりするので、きれいな写真を取りたい欲はそこまでないのでは?と考えます。

もし掛け合わせるなら、入り口に入ってすぐくらいのところに、ちょっとした「映えるスポット」みたいなものを作っておいて写真はそこでとってもらう、ぐらいで良さそうです。

■ ここまでのまとめ
・SNSを掛け合わせることは戦略に入れる
・外壁含めた空間作りも戦略のうち
・おもわずSNSにアップしたくなる空間を
・来店対象のお客さんを考慮して設計



体験作りでお客さんを呼び込んで、他のお客さんが入りやすいように工夫

店内がガラガラだとちょっと入りにくい、、、みたいなことって、感じたことある方多いと思います。

コンビニがガラス張りになっているのも、「なかに人がいることを見せることで入ってくるお客さんの不安を取り除く」という要因があるからだとか。

店を営業する側からすると、少しでもお客さんが中にいることをアピールできた方が、他のお客さんを呼び込みやすいわけです。

でもいわゆる「サクラ」を雇うっていうのはちょっとまずくて、お客さんとの信頼関係にも響きます。

サクラを雇ってお客さんがいるように見せてる店ってどうなの?みたいになってしまい、中長期的に見るとお客さんが来なくなると思うので、あまりおすすめできる手法ではなさそう。

じゃあどうするかって考えたときに、今回の「梅酒体験でお客さんを呼び込んで、それを見せる」っていうのはすごいいいと思いました。

「梅酒作り」を体験として提供することで、店舗の中には必然「体験作り」のお客さんが入ります。

すると外観上、店内にはお客さんがいるっていう状態が作れるので、ほかのお客さんは立ち寄りやすくなりますよね。

もちろん「サクラ」でもないので、お客さんとお店との信頼関係は崩れません。

今回梅酒作りを体験している間にも、店舗前には持ち帰りで並ぶお客さんがいる状態だったのですが、中のお客さんをみて不安感が取り除かれたのも一因になっているのかなと思いました。

さらに絶妙だなと思ったのが、お店の狭さです。

こういうご時世なので、梅酒作りも人数制限をして実施していたのですが、今回一緒に梅酒作りをしたのは4名ほど。

そして4名もいれば結構店内が賑わっているように見えるくらいのちょうどいい狭さでした。

お店の広さも考慮できると、さらに良さそうです。

■ ここまでのまとめ
・体験作りでお客さんを呼び込み、それを外のお客さんに見せる
・狭さを逆に利用する



「体験 × 持ち帰り × プレゼント」で客単価アップ

「体験」は、客単価のアップにも繋がります。

ぼく含め、今回梅酒作りを体験した4名の参加者は、全員持ち帰り用に梅ドリンクを購入して帰りました。

梅酒作りはあくまで体験ですし、熟成させるまで1ヶ月ほどの期間を要します。

つまり、その場では飲めないわけです。

でも作ったからには、「その場で飲みたい欲求」みたいなのが出るんですね。その欲求を満たせるように、持ち帰り用にドリンクを購入することができました。

ご時世上、アルコール類は不可だったのですが、梅シロップをベースとしたドリンクを持ち帰り用に買って欲求を解消。

これは想像ですが、体験に参加したお客さんの一定数は持ち帰り用にドリンクを買ったんじゃないかなと思います。

店員さんもすごく感じがよかったので「返報性の原理」が働いて、持ち帰りドリンクを購入する確率はまぁまぁ見込めそうです。

さらにプレゼント用に最適そうな 1日限定5本の梅酒があったり、

持ち帰って家で梅酒を作れるキットもありました。

体験をベースにしてうまく設計すれば、顧客単価を最大限まで引き上げることができるんだなと感じました。

ここまでのまとめ
・体験をしてもらったお客さんに、持ち帰りやプレゼントを掛け合わせると、顧客単価を最大化できそう



というわけで

・SNSを掛け合わせることは戦略に入れる
・外壁含めた空間作りも戦略のうち
・おもわずSNSにアップしたくなる空間を
・来店対象のお客さんを考慮して設計
・体験作りでお客さんを呼び込み、それを外のお客さんに見せる
・狭さを逆に利用する
・体験をしてもらったお客さんに、持ち帰りやプレゼントを掛け合わせると、顧客単価を最大化できそう

体験的にもすごく楽しかったし、いろいろと学びも多かった梅体験。

感染対策もバッチリされていますし、梅酒だけではなく「梅シロップづくり」の体験もできるので、お子さんがいらっしゃる方も家族で行けるようになっています。

よければぜひ一度体験してみてください。

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