見出し画像

問題に対してアクションを打つことは大事だけど、それだけじゃうまくいかないよね

「離職率」に関するこんな記事を読みました。

「実は、当社が概算した社員1人が入社後3カ月で離職した場合の損失は、187万5000円となった。これは採用手法や社員教育の内容によって前後するが、大きい金額であるのは間違いない。しかも、新入社員は『連鎖退職』を招きやすい傾向がある。退職ドミノを防ぐためにも、離職のサインを見逃さないことが大切だろう」

すごい金額・・・

もちろん職種とか採用形態にもよると思うのですが、採用コストってすごいんですね。

いまの世の中「人手不足」といわれているので、「離職率」は多くの企業の悩みのたねになってると思います。

で、だいたいの場合、企業の上層部はちゃんと論理的に問題を分析して、「これが要因になってるから、解決するためにはこうしなきゃだめだよね」というふうにアクションを打ってると思うんです。

すごい正しいんですけど、それだけじゃダメなんじゃないかなーとも思います。

たぶん、「想い」がともなってはじめてアクションは活きてくるんじゃないかなと。


人は感情で動く生き物だからこそ、動かす側がちゃんとした「想い」を持つ必要がある

たとえば、甲子園を目指している野球部があって、打率に問題があったとしますよね。

で、要因を調べたところ、どうやらバットの振り方にムラがあって、ちゃんとしたスイングができていないことがわかりました。

スイングを安定させるために「毎日素振り100回する」みたいなアクションを決めたとします。

一見、ロジックで見るとアクションとしては正しそうなんですが、たぶんこのアクションだけしても実際にはそこまで大きな成果は出ない気がするんです。

理由は、相手が人間だから。

機械であれば、論理的にばっちりはまったアクションはそのまま成果に結びつくと思います。

でも、甲子園を目指している高校生は人間です。正しいアクションを打ったからといって、それがそのまま成果につながる可能性はあまり高くないんじゃないかなーと思います。

大事なのは「監督の想い」で、「甲子園に連れて行ってあげたい」という想いを強く持った監督と、「まぁ行ければラッキーだよね」ぐらいの想いの監督とでは、同じアクションを打っても成果が段違いに変わるはずです。

持っている「想い」は、ことばや振る舞いにあらわれるので、必ず相手に伝わります。

強い想いを持っていれば、たとえば一緒に毎日素振りをして、ともに頑張ることでチームの一体感が生まれたりとか、正しい素振りができているか一人一人チェックをして FeedBack したりとか、「がんばれー!」って励まし続けるとか、おなじ素振り100回でも工夫の仕方がぜんぜん変わるはずです。

で、そういうふうに指導してもらった球児たちは、「この監督のためなら」と死に物狂いで頑張ると思います。結果、素振り100回の効果が高まって、打率も向上する、みたいなイメージです。


「想い」も「論理」も両方必要

「想い」が大事だから「論理」は適当でいい、というわけではありません。

両方必要だと思っています。

「想い」がベースにあってはじめて「アクション」が活きるので、最初の「離職率」の話でいうと、「離職率を下げるために面談を取り入れよう」ではなくて、まずは「このひとたちにこの職場でしあわせに働いてもらうためにはどうすればいいかな?」という「想い」を持つことが大事。

それから、「不安に感じていることはなるべくはやめに解消してあげたいな」という想いから「定期的にコミュニケーションをとる機会をつくってみよう」みたいな順番が正しそうです。

どれだけロジカルにハマっていても、アクション単体でうまくはいきにくいので、本当に離職率を下げたいなら、会社のメンバーのことをちゃんと想うことを忘れちゃダメだなーと思いました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?