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金星と木星のであいから宇宙のひろがりにあらためて想像をめぐらせる


はじめに

 このところ夕暮れどきの西の山ぎわがにぎやか。今年は年のはじめから条件のいい月食といい、夜空を見上げる機会が多い。それにともない果てしない夜空におもいをはせ、ほかに代えがたい時間をすごせる。

「見上げてごらん♪…」とうたいたくなってくる。

きょうはそんなお話。

タイトル写真は、ズボラして満月と街灯を室内から網戸とガラス窓ごしにぐうぜん撮影したもので金星、木星とは関係ない。

撮影:木山 仁

西の山ぎわが

 数日前の帰宅時にふと西の空をみあげた。宵の明星の金星があかるい。あれ、もうひとつあるなあ。こちらの高い空にあるほうの星もおとなりの金星にはまけないぐらいあかるく輝いている。この時期は山の方角に陽がしずむ。まだ夜になりきらないたそがれどき。

このあかるさならば木星か。こんなにあかるいのか。まだあかるい西空におとらず太陽からの反射でかがやいている。そうだよなあ、みずからひかりかがやいているのでなく、太陽のひかりを受けてかがやいている。そのへんの石ころに陽があたっているのとおなじ。月のあかりもそうか、などとつらつら思いつつ家路についた。

家にもどると

 ひといきついてテレビをみた。ゆうがたの天気情報で、この西の空のようすについて話題にしていた。ここ数日でおたがいにちかづき、これから両方の星が接近するそうだ。3月2日の木曜日。そののち両者はふたたびはなれていく。

接近時には地球から見ると、地球⇒金星⇒木星とならんでいる。この出会いはほぼ毎年のようにあるわけだが、太陽がすこしだけはなれて先にしずむ(あるいはあとから日が出る)おかげで条件がよくなる。

太陽があって明るすぎるとせっかく出会っていてもおひさまと同じ方向ならば見えない。金星は下の記事をみるとことしは主役かも。

すごいスケールだなあ。太陽系の大きさをイメージできるし、北半球の低緯度にいるわたしはこんなにななめに地球上に立ってながめているんだなと気づく。

意外とひんぱんに

 この両者、けっこうひんぱんにちかづいて見える。昨年のゴールデンウィークのころは夜明けの明けの明星に木星のほうが寄りそうかたちで観察できた。数年ごとに条件はよいことがあるが、これだけあかるい惑星どうしがぴったりと出会うのはまれ。

天気予報では、雲が多いとの予想していて気をもむ。ほんのちょっとでいいので見てみたい。こうしたスケールの大きなイベントでいつも思うのは地球上でのできごとのなんとさまつな(失礼)、あらそいごとなんてはっきりいってどうでもよくなる気が個人的にはしてくる。

地球もその上にいきる生命もどんなに貴重なものなのかあらためて気づく。なんとか平穏であってほしい。

おわりに

 そんな地球上のことはおかまいなしに両方の惑星たちはちかづいて、また遠ざかっていく。何十億年とくりかえしているできごと。

背中がわの東の空は夕闇がせまっている。あかるい星がふたつ、月いくつぶんかあいだをあけてならんで見える。いずれもまたたかない。


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