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干したくだものは「わが家の端境期」だけでなく1年じゅう食べられて重宝する


はじめに

 ふと思った。わが家は親の代からいままで収穫物にこまらない。なにかしら畑や庭からもいでたべる。いずれも大きく育つとそれほど世話いらず。

それでもなにも収穫できない時期が生じる。桃の生産をやめたので、いまがまさにそう。そのかわりに干したくだものが豊富に市販されていて街にでさえすれば手にはいる。目うつりするほど豊富。

きょうはそんな話。

たくさんもいでいた頃

 もちろん寒い時期から耕して種子を蒔き、苗をそだてしていたころはもっとあふれるほど身近にあったくだもの。いまは先ぼそりこそしたが、それでも年間つうじてなにかしらたべている。

これからは桃だった。木で熟してから収穫するのであじのバランスがいい。いまは大風でほとんどたおれてしまい。収穫はほぼない。したがって梅雨入りまえのこの時期は年間つうじて「わが家の端境期」といえなくもない。

そんなときは買いにむかう。なまのくだものではない。干したくだもの。買っておいて家にローリングストック。なによりいいのは日持ちするところ。常温でも未開封だとながもちする。「わが家の端境期」に活躍。

手元にあるものではぶどう、ナツメ。それからミューズリーやグラノーラとしてバナナ、いちじく、マンゴー、デーツ、、クランベリー など。いずれも干してありそのままでもたべられる。

もちろん生のくだものがわりだけでなく、ミューズリーで豆乳や牛乳をたしてたべるとふやけておいしい。

お菓子づくり

 こうした乾燥くだもの。日々づかいのほかにヨーグルトにいれたり、てづくりパンにまぜこんだり。そのままでおやつとしてもけっこうたべられる。生のくだものがないときにはとくにいい。

干しぶどうはなかでもいちばんのお気に入り。余裕があるときにラム酒とまぜて加熱しアルコールをとばす。煮沸して乾燥させたふたつきガラス瓶にいれ、冷蔵保存。

とくにお菓子づくりに重宝する。とくにパウンドケーキ。かんたんだがわたしがつくるものとはおもえないほどのしあがりになる。生地となる材料にまぜて型にながしこんでオーブンで焼く。冷蔵庫で数日から1週間ほどおくと味がまとまり、さらに風味がましてしっとりする。

干すことで

 くだものの多くは干すことで濃厚なあじわいになる。さらに特有のかおりや風味がくわわる。こどものころから給食でぶどうパンがたのしみだった。まだごはん給食ではなく、食パンの時代。ひと月にほんの1回ほどのぶどうパンやミルクパン。この「食パンでない日」が無性にたのしみだった。

店にならぶパンや、幼稚園で毎朝ごとならんで先生に注文する昼ごはんでもすかさず、ぶどうパンを選んだ。

幼稚園に入るまえはぶどう園の横の長屋住まいだった。暑さをとおりすぎたころにはぷ~んとぶどうの熟れる香りが風にのってきた。このぶどうジュースはほかに代えがたい最高の飲みもの。その記憶がいまだにのこる。

ぶどうに対する格別の思い入れ、その独特の風味にわたしは魅了されつづけ、いつかはぶどうをつくりたいと思い、畑で挑戦。あまりの風、病気、湿度、虫などでかなわなかった。やはり適地適作をまもらないと。ぶどうで思い知らされた。

おわりに

 干したくだものは好みのたべもの。みじかになまのくだものがないときに重宝してきたし、いまは年中おせわになっている。とくに干しぶどうを口にふくむと、ぶどうにまつわるさまざまな経験があたまのなかをめぐる。


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