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油絵を描いておもうこと:こんなアプリがあるといますぐにでもつかいたい


はじめに

 油絵を趣味にしてきた。かなり長くなる。ほぼ基本どおりにやってきた。その時間と手間のかかるプロセスもふくめてたのしみとすればよいのかもしれないが、描くたびにもっと作業しやすくなるといいなと思ってきた。

わたしのわがままな希望としてはデジタルの画面上で油絵の作業がほぼ再現できればいちばんいいと思う。その理由とは。

油絵のおもしろさ

 油絵ではキャンバスなどの平面にえのぐを置いていく。数日から1週間ほど乾かすとつぎの作業にすすめる。乾いた油えのぐのうえにぬりかさねていく。水彩画は一気呵成に描く。基本的に乾いたうえにはえのぐを再度のせない。

最近はアクリルえのぐや、水性の油えのぐ風のタッチで描けるえのぐが登場している。それらもかさねぬりするならば乾かしながら描くところはかわりない。

それが油絵の特徴なのでしかたない。したがって描きはじめの手順としては墨絵など下絵なしのいきなり本番でえがく手法をべつとして、デッサンまではどの絵でもほぼおなじ。その先は本格的にやるならば油絵は多少の手間がいる。

絵を描く準備

 ここからは油絵について。キャンバスの生地に白などの絵の具をベタ塗りして下地とする前処理がある。

日本画もどうさ引き(漢字では「礬水引き」) というにかわとみょうばんを溶いたものを絹や和紙にぬる。これで絹や和紙に岩絵の具がのるように下地とし、この下地がないとにじんでひろがり絵にならない。

つまり下地をつくるところは油絵と日本画はよく似ている。これでえのぐをのせやすくして剥落をふせげる。最近はいずれもこの作業までを済ませたキャンバスやどうさ引きした和紙が画材店に用意されているので、ふつうはこれを買ってつかう。

さてそののちの作業

 油絵。鉛筆や木炭で描いたデッサンを定着させ、乾いたらやっとえのぐの登場。とはいっても下塗り。たとえば茶系のえのぐを速乾性のオイルでうすめたもの。これを「おつゆ」と称し、その「おつゆがき」で、さきほどの木炭などで描いた線とはべつにあらためてデッサンするように輪郭線などを描いていく。ここで全体をみながら構図や配置をきめていく。

かわいたらやっとつぎの作業。えのぐにまぜる油の調合がかわっていく。だんだんとえのぐを溶くあぶらの調合を変える。ゆっくり乾くタイプの油のわりあいをすこしずつふやしていく。ひととおり全面に筆をはしらせたらその日の作業をおわり、かわかす。

うらがえした絵(ほこりが付着しにくい)の乾燥場所には注意が必要。ヒトの出入りのさかんな場所には置けない。うっかりした場所におくと絵のサイズによっては家族から「油絵がじゃま」といわれかねない。

わたしは50号をこえるとクローゼットに。これすら数がふえてくるとさすがに手狭になる。そこで、できた絵のうえに下塗りのえのぐをぬり、その上に描くことも。つまりリユース。

100号以上の大きな絵になると、さすがにひと部屋を供出するはめになる。とにかく場所をとる。せっかくなのでと数枚を同時並行で描く。へやじゅうに描きかけのキャンバスの状態。

場所を占有するのはなるべくならさけたい。くわえて油えのぐや使いふるしの筆洗液のあと処理や廃棄。油えのぐのチューブは金属製。古い時代のえのぐには重金属類をふくむものすらあった。最近は合成系の色素にかわりつつある。これらの処分はなかなかたいへん。基本的にうっかり捨てられない。自治体の担当窓口にたずねるぐらい。

こうしたい油絵のえがき方

 そこで趣味の範疇のわたしにとっての油絵の今後は思いきってデジタル化の方向へ。油絵の作業を画面上で再現できるアプリの登場を待ちたい。

ほしいアプリとはどんなもの?

たとえば理想的には、えのぐを溶き油と混ぜる、混色する、そして筆につけてキャンパスへ。そうした一連の作業を画面上でおこなう。

これを「かわいた」状態(レイヤーを新たに選択する作業に相当するのかな)で、つぎにかさねぬりしていく…。

これさえできればいい。すでに一部の作業ならばドロー系のソフトでできそう。これをもっと手作業のごとくペンタブのペンではなく「筆」を併用しながらできればいい。つまり手作業のごとく油絵が描けると理想的。あとかたづけや収納にわずらわされない。

おわりに

 すでに上述したものに部分的に近いものはありそう。油えのぐを油で溶きすぅ~とのびて筆先のかるくなる感触を再現できるとなおさらいい。手がおぼえている感触をいかせるならば理想的。これなんかまだないだろうな。

絵を描くほうに集中できるほどつかい勝手のいいアプリは、そろそろバーチャルリアリティで可能なのかな。筆をペンタブにあてると、キャンパス地のごつごつした筆先の感触やかすれなどあじわえたら最高。ずいぶん高価なものになりそうだけど。

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