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庭のスペースの粘土と砂の地面を植物が育つように「土」にする 25年間の顛末


はじめに

 新築から25年。半生をともにしてきた家、土地、生活のさまざまをふりかえり、シリーズのごとくさみだれ的にnote記事にしてきた。

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きょうは庭の土について。新築してしばらくのあいだはこどもたちが小さいのでどろんこ遊びの場と化していた。そこからの庭の土づくりがはじまった。


粘土と砂

 家をここに建てようと決めた土地は、明治以降、田→畑→宅地と変化してきた場所。したがってもともとさまざまな土壌からなる。

そばに小川が流れるので、土地を2メートルほど掘ると石ころの多い粘土混じりの層。そして畑土。

家を建てるにあたって、数年前から畑の表土(5トンほど)は、うすくはがして脇に積んだ。

かさ上げのために砂質の土を入れて足していた。そこへご近所から黒土もいただいた。家建てにじゃまにならない脇のほうへ。

上にあげた土壌にはそれぞれ植物を育てる上で一長一短がある。粘土は保肥性はよいが水や空気を通しづらい。一方、砂は養分が流亡しやすいが水のとおりや空気の流通はよい。

この両方が表面に露出し共存する土地だった。


両方を混ぜていく

 砂と粘土。言葉でいうのはかんたん。その両方ともに石ころが交じる。けっこう多い。集めては掘り、20センチぐらいまでの深さの1~2センチ以上の石をひろいあつめていった。なかにはヒトの頭大の大きさの石が出てくる。これらは花壇の周囲に置いていく。

大きな石は新築時に合併浄化槽を埋設する穴を掘ったときに出てきた。もちろん重機で。わたしがようやくころがせる50kgほどの石。そこで5個ぐらい。そこから配管のみぞから10個ほど。いずれも庭石とした。

谷あいの土地なのでもともと扇状地。長い年月のあいだに上流部から流れてころがってきたものだろう。丸いかどのとれた石が多いのに納得。

こうしてめだつ石をとり除いたあと、砂の多いところと粘土の多いところをそれぞれの場所からもっていき混ぜる。おたがいの場所がはなれているので、同時並行で一輪車を使い行ったり来たりしながらすすめていく。

仕事の休日にそれをあてて、数か月ほどでようやく庭の一角を混ぜ終えた。その合間にもこまかな石ひろいがつづいた。とにかく石が多い。石の山が2つ、3つと増えていった。この小石は庭から玄関にいたるコンクリートの通路の基礎に使えた。

ひととおり整備した土には寄せておいた畑土と黒土をすこし混ぜてなじませておいた。


植物がなかま入り

 土ができると植物を育てたくなる。まずは無難な草花から。最初に植えたものは1年草。土づくりがじゅうぶんでないので育たないだろうと思い、初心者向けの草花を選んだ。

ビギナーズラックなのか、思いのほかよく育ちつぎつぎと花が咲いた。これに気をよくして、種まきをできる土地を広げていき、1年草に宿根草を植えていった。1年草については苗でなく種まきをしてこの土地に合うものを探していった。

毎年のようにさまざまな1年草を中心として種子を選び、苗に育て植えつけ、彩りのいい花壇にした。ちょうど世間で園芸ブームが訪れ、さまざまな新品種の植物が園芸雑誌に登場した頃。

比較的植物のよく育つ土地だとわかってきた。そこまでで5年ほど。そろそろいいだろうと果樹や庭木など、本来植えたかった木の苗木を園芸店で探し、ひとつひとつ植えていった。

そのあいだに山から腐葉土を運び入れ、記事にしたコンポスト堆肥を置き肥して、土はだんだんとやわらかになった。


果樹を植える

 木々は草花とちがいよく考えないとたびたび植え替えできない。とくに果樹は実をつけるまで期間を要する。早いものでも3年以上。したがって慣れるよりもすこし早めに植えはじめてちょうどいいかもしれない。

いくつか生き残ればいいやぐらいの気持ちで植えていった。そうしないとけっこう時間ばかりがすぎてしまう。

もっとも植えたかった果樹が桃。自宅の庭での収穫が夢だった。風通しと日当たり、水はけのよい東かどをはやくから整備して、桃のためにあてがった。

選んだ品種は「川中島白桃」と「照手水密」。品種のことなる2種を植えることでおたがいに受粉樹とした。前者は比較的古い品種で果実が大きく育てやすい。

後者は当時の新品種でまだ登録間もない頃。花つきのよい枝垂れ桃で実も食べられ、前者の受粉樹として観賞用に庭木として最適と考えた。こちらのほうが値がはった。

両者の苗を3メートル半ほど離して植えた。数年のあいだは殺風景なので、そのあいだには浅い根の1年草を植えた。

川中島白桃の苗はあたりだった。淡いピンクの花がみごとなうえに実なりがよく、しかも大きくて(~400g)おいしい。おすそわけした方が味見をされ品種を尋ねられ、その年のうちに苗を買い求めてご自分の家の庭に植えられたことがあった。

枝を接ぎ木にしたいと本職の果樹農家の方が何度か訪れたことも。これにはびっくりした。

のちに農産物を道の駅などに出した際に、この桃の果実はよく売れた。これはわたし自身がおどろきだった。

もとが粘土と砂の何もはえていない土地で、こんなにおいしいくだものがとれるとは。感慨深い。


おわりに

 庭にさまざまな植物を植え、現在はその桃も寿命が来て土に帰った。果樹としての桃の木の寿命は短いそうだ。だがもう一度、苗を買い求めて植えて育てるだけわたしには余命はないだろうし体力もない。

すでにこどもたちがその同じ庭で植物に親しんでいる。ひとりは農業の分野に興味をもち仕事にしている。わたしはそれらをながめつつ聞くだけにしている。手を出すまいと草刈りなど維持管理だけ手伝っている。

土に病気が出ればその草花を処分し、草木灰をまくかアフリカンマリーゴールドをきざんで混ぜ込み、何年か休ませる。それでなんとかなっている。あまりひんぱんに植えるとさまざま起こりやすいようだ。


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