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農業の販売にまつわるさまざまな改良したいところをお客さん目線でかんがえてみる


はじめに

 4年前まで農業で生産と販売を兼業で経験。そして昨今の状況下で断念。やさいを買う立場にもどり、店でならぶ商品をみつつ変わっていない部分をよくしたい、改良できないかとかんがえる。

きょうはそんな話。

昨今の状況で

 しばらくやさいをつくり、販売所などに搬入していた。年々、生産量と販売額があがってきてそれなりの収入に。6年目で主業を追いこし第二種兼業農家の立場に。当時をふりかえる。「お客様の視点でやさいをつくり、そして販売すること。」これを口では言っても実行するとなるとこまやかさの点でなかなかおぼつかない。

こうして消費者の立場にもどるととたんにいくつか気づく。自分自身の行動をいくつかふりかえってみる。

まずは販売するやさいの量。いちどきにたくさんできるやさい。豊作自体はうれしいがこちらは売る段階になるとちがう。なんとか畑のやさいたちが日の目を見れるといい。たくさん入れてよろこんでもらおう、こうしていっぺんに売ろうとする。結果的に大きなパッケージになりがちだった。

ここで買ってくださる立場に立ってみる。家族数はもはや3人をきっているかもしれない。おひとりさまも多い。実際に加工食品の容器に入る分量はひとりぶんや2人前の分量がめだつ。以前は4人前をよく目にしていたが。こうしてよかれと思ってすることがアダになる。

やさいをつくる立場のヒトビトはひもちをよくする方法をなにかとよく知っているもの。買ってくださる方々はそうとは限らない。あまったり傷んだりしがち。どうしても自分本位でものごとをかんがえがちだったなあとふりかえる。

容器代をかけているが

 えらんでもらおうときれいにパッケージングする。とくに夏場の青菜を想像してほしい。はたけから収穫してはやいときは1,2時間で棚にならぶ。

それでもはだかのまま野菜テープで巻くだけでは半日すぎるとしんなりしてくる。ところが専用の透明袋にいれるとこれがびっくりするほど収穫時のようすを維持できる。買う立場でもやっぱり鮮度は気になる。

夜半すぎから収穫、よぶんな葉をおとし、洗浄、パッケージング、留める、運搬、搬入と作業をいくつも経て棚にならぶ。なるべく品質をたもつくふうを買う立場で察するのはなかなか大変。経験したわたしでももはやわすれがち。

さらにこうした容器。たとえばトマト。やむなくまるいふたつきプラスチック容器をつかっていた。中玉サイズのトマトの生産がつくるはたけでは最適と知り、5月中旬から梅雨の中ほどにかけていっきに生産し、販売所に搬入していた。

毎日、中玉トマト6~8個入りを20~40ケース、さらにミニトマトをおなじぐらい。房のまま持ち込むことも。雨の日も1か月半は休まず、兼業の学習サポートとともにひとりでやっていた。

容器を大箱で市場に買付にむかい、すぐになくなりかけてあわてて発注をかける年も。このふたつき容器代がけっこうかかる。たかい品質の容器ならば運搬中でも荷崩れせず、なかのトマトのむきも変わらないほどしっかりしている。

そのぶん経費がかかる。それに農園独自のカラーのシールを一枚ずつ貼り、差別化を図った。そのぶん手間もふえる。パッケージングの作業はてんてこまい。

あれこれ手間が

 作業の途中でシールが足りないとPCとプリンターを稼働、一方でトマトをひとつずつていねいに容器にならべてふたをする。その際にかならずヘタを下向きにして、とまとの底の部分をうえにむけて入れる。2段でつめるのでへたが下のトマトにあたらない位置に置く。

1個ずつ微妙にサイズがことなるので、おなじ数やくみあわせでぱんぱんになる。これでは運送中の振動などで割れかねない。ほどよいかげんで容器にいれ、かといって運搬中に容器内でうごいてほしくない。

これが消費する側になるとそうともいえない。プラごみはふえるし、ごみすての手間がます。プラぶくろだけでもかなりの量がたまる。こうした容器代も代金ではらっている。なんとかならないか。八百屋でかご買いして、買いものかごに入れてもらった時代がなつかしい。これはこれでムダが少なかったなあ。

野菜テープ

 世のなかには便利なものがあると当時は思っていた。透明袋の口をすぼめて留めるパイロンテープ。専用の用具をつかうとじつにかんたんにしっかりきれいに留められる。ごくごくふつうに使われる。

ところが買ってきてつかう段になるとこのテープ、なかなか開けにくい。これはお客さんの立場になるとよくわかる。料理の最中など気が急いているときなどはいらいらしてしまう。キッチンばさみをさがす。

もっと開けやすい袋にしてよと思いがちになる。これに代わるものとしてこれ。バッグ・クロージャー、つまり袋の口留め。


バッグ・クロージャー

食パンの袋を留めるあれといえばわかりやすいかも。アメリカのかたの特許。

こちらがいい。これならば扁平な部分に農場のロゴ入りタグをつけられる。はずすのも再度つけるのもわりとかんたん。こっちがよかったなあとやめたいまになって思う。

おわりに

 こうして買う立場にもどりそうした苦労をしなくなった分、やたらといまになってこうすればよかったとか、ここはこうしてと改良のアイデアがうかんでしまう。

必要は発明の母。これはこれであたらしいアイデアとして活かす道もあるかもしれないなあ。立場が代わるとアイデアが湧きやすいのかもしれない。


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