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小学生から中学生へ 自律的な学習へのみちびきをトンネルづくりにたとえると
はじめに
小学生の学習をサポートしてきました。学校の帰りに立ち寄り、無心に宿題をこなしていくようすをみながら、ふと思ったことを記します。
こどもたちがおこなっている勉強はトンネルをつくる作業とにていないかと思いました。
学校で午後まで活動したあとに
勉強は誤解がないように前置きしておきしますが、トンネルを掘ることと似ている一面があります。
掘るルートにめぼしをつけたらその部分をボーリングといって地下がどうなっているか地質調査します。これから掘ろうとする場所がどんなようすか知るため。
わたしの主宰する学習サポートでは、こどもたち自身がきょう学校で習ったことを思いかえし、咀嚼する場と位置づけています。ここでまず学校で習った内容の理解を確認します。
例題・練習問題を解いてみる
たとえば算数。教科書に書いていること、あるいは先生が説明したこと、もしくは解き方を自分なりにみちびいてすじみちがたつか例題を解きます。この作業は実際にすこしずつ掘っては調べる調査坑に似ています。
あるいは先進導坑といって、本坑を掘る前に作業しやすいように前もって近くにトンネルを掘っていく場合があります。これは教科書の練習問題や、教科書に添ったワークや問題集などにあたるでしょうか。こうして本坑を掘るための情報をすべて収集します。
まとめテスト(実力テスト)を受ける
そしていよいよまとめテストや実力テスト。これは本坑を掘る作業そのもの。実際に掘ってみるとさまざまな難所があります。崩れやすいところや水がでてきてしまうところなど。
こういったところにさしかかるときはコンクリートミルクといって、前もってコンクリートを液体にしたものを岩盤の割れ目やもろいところに流し込んで固めておいてから掘っていき、崩落を防ぎます。
この作業は、基本となる練習問題を解いた経験をいかし、それを応用する力がもとめられます。ちょうどととのった解き方や効率のよい解き方、確固としたものにする検算に相当しそうです。これらの「すべ」をより多くじぶんのものにして、臨機応変に使えるようにしておくと応用がきくといえそう。
実力をつける
まだ終わりではありません。テストが終わったらなぜ解くのに時間がかかったか、どうしてまちがえたかの検証をしていき、思考の幅をひろげるとともに記憶を確固なものにしていきます。
トンネルでは掘ったあとすぐに周囲を鉄骨やコンクリートでシールド(固めること)をしてゆがんだり、こわれたりしないようにして、換気口をつくり、道路をたいらにして、あるいは線路を敷いてライトをとりつけ、トンネルとしての形を整えます。
場合によっては地下水の排水のポンプや避難路の設営なども必要になります。こうしてトンネルがひととおり完成します。ところがここで完成して利用できるわけではありません。むしろこれから。
勉強の場合にはテストのあとの実力維持、おさらいでしょうか。この作業があるからこそ、わすれずにつぎの学年の段階へすんなりはいれるし、つみかさねられて実力を向上させられます。
ちょうどトンネルのメンテナンスや定期検査などはそれに該当するかもしれません。開通当初の性能を長く維持するにはこうした地道な作業が欠かせないはず。
おわりに
こうした、作業をほかの生活習慣とともに自分でやらなきゃと自発的に行えるようになってこそ、小学生のみきわめがもらえるといえるし、中学生になって保護者の手をかりなくても学習をすすめられる自律的な習慣がかたちづくられていくと考えます。
何十年ものあいだ、メンテンナンスで人の手がくわえられて安全に利用できるトンネル。こうした地道な作業のつみかさねがあって、安心して通れると思います。
小学生の学習をトンネルの建設にたとえるのはどうかとは思いますが、わたしはそれ以来、このことをつねに思いながらこどもたちに接しています。
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