見出し画像

昨今の状況の出口のみえはじめたなか、学生さんたちとせっして


はじめに

 どうやらこの春以降に、昨今の状況のようすがかわりそうな気配。そんななかで研究パートのしごとに通う。

するとおなじ研究室に所属する学生さんたちとせっする機会がある。2年生から4年生。昨今の状況はこうした学生さんたちの生活を大きく左右していると報道では聞いていたが、あらためて現実として知った。

しごとにむかうと

 研究パートのしごとは週2~3回。早朝から夕方まで。フレックスタイム制。日がながくなりはじめたのですこしずつうしろへずらしている。それでも朝はやい。だれにもじゃまされずに没頭できる。年をかさねてくると朝はやいのは苦にならない。そのぶんはやくねむくなる。

学生さんたちはほぼ逆。午前の授業よりは午後の授業。実験の打ち合わせなどの時間をたいてい昼すぎがいいと希望。

そんなようすなので、彼らと出会うのはたいてい午後から。わたしは夕方はやめにかえるので、実験の合間に話せるのはほんの2時間弱ぐらいか。リスクを抑えるにはちょうどいいかもしれない。


バイトでつなぐ

 生活のようすを聞いてみるといずれの経験もうすい。とくにアルバイトの機会にめぐまれていない。それでもこのところはすこしずつしごとがあるらしい。コンビニ、電話応対、塾の講師、専門店での販売など。いずれもひとむかしまえから学生によくあるバイト。この状況下でもなんとかカツカツだがしごとをつなげてこれたらしい。

それにしてもわたしが学生だった頃(世のなかはバブルにむかいつつあった)とくらべて塾の講師で得られるバイト代の金額はさして変わらない。
インフレを考慮にいれたらむしろ実質的にはかなりのマイナスだろう。

ほかも時給は千円に満たないものばかり。したがって学びが本業ではあるがバイトなしではほんとうに食べていくのはたいへん。学食すら毎日はくるしいという。多くは自炊しなにがしかあるものですませているという。

生活のちがい

 わたしたちの頃の話(もちろんバイトもしていたが)をすると、学生さんたちはピンとこないことがあるという。生活の濃さにちがいを感じるという。夕食を友人たちと定食屋で食べたり、飲み屋に行ったりはほぼないそうだ。おなじ千円でも価値が大ちがい。

それにもましていちばんきびしい頃にはヒトと会う機会がほぼなかったそうだ。授業はリモートばかり(いまも一部はそう)だったらしい。サークルの活動は制限が多く、とにかく先輩から授業だけでなく就職活動などの話すら面と向かって聞けないぐらい。話をきいていると報道されている以上にきびしい。
 
学生時代ほどさまざまなヒトに出会った時期はないかもしれない。年代のちがうヒトとも出会えたし、そうした経験から糧にできたことは多い。コミュニケーションについてやっぱりやりとりの経験が大きい。

なるべく話をきいてみる

 そうした3年間をすごした彼らなので、なるべく話を聞くようにしている。彼らなりの苦労を多く聞いた。

こちらが話すことをほんとうにめずらしい話を聞くような反応やそぶりをする。すこしでも彼らの今後に役立てるならばとじぶんなりに経験してきたなかで、失敗をふくめてプラスになりそうなものをえらびつつ。

おわりに

 こんな世界史にのこる事象を経験する機会はそんなにないだろう。ほぼ世界じゅうで同時進行。世界じゅうの若者たちにとって度合いのちがいはあれども、おたがいに生のコミュニケーションをとることの困難な状況のなかですごしてきたはず。

多感なわかい時期を彼らなりに得たもの、得られなかったものがあろう。貴重な時期をとおいむかしにすごした経験者のひとりとして、つたえられるものがもしあるならば、機会あるごとに話して伝えようとおもう。状況が好転しているようなので。


関連記事


広告


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?