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マーケティング・コンサルタント、書店ビジネス、福祉、そして政治家。チャレンジの集大成が始まるライフシフト。

私がいま業務委託契約を結んでいるニューホライズンコレクティブという会社の同僚・福森和歌子さんが、三重1区の衆院議員候補として活動し始めました。とある経緯でそのいきさつやライフシフトについての考え方を取材することができましたので、こちらのnoteで記事を公開させていただければと思います。

2021年に独立しマーケティング・コンサルタントとして活躍する一方、福祉事業に興味をもち、社会福祉士の資格を獲得。また年間約150冊は読破するという無類の読書家で、書店ビジネス起業も模索する。そして今、地元三重1区の立憲民主党候補として衆院選出馬予定。。。。ニューホライズンコレクティブ(NH)メンバー・福森和歌子さんの現在をスケッチするには、いったいどこから描き始めればよいのだろう。
この活動の多面体がどのように生まれ、どう動いているのか、お話を伺った。

コンサルと書籍
1994年に電通入社。マーケティング局に8年間在籍した後、自ら異動願いを出して新聞局、出版局を歴任。それぞれの局で氏が愛する「書籍」を扱う部署にも配属され、役職にも就いた。ただ会社員生活26年目を迎えた時、
「やりたいことは大体やりつくしたし、そろそろこの会社での仕事はイイかな、、、」
と思うようになったそうである。そんな矢先、各社員のセカンドキャリアを応援するNHの制度が耳に入ってきて、参加を決めた。この独立の決断を起点に、今に至る福森さんの目まぐるしい活動が始まることになる。
「今NHの作業としては、出版業界団体や食品会社のマーケティングコンサルの仕事をしています」
電通時代の経験と知見を活かして各社のビジネスに関する課題解決に一役を買っている状況が、まず氏の一面の姿。定期的に会合に参加し、丁寧に業態のあるべき方向性をサジェスチョンする。
また冒頭に触れたが3日に1冊はコンスタントに本を読破しているという書籍への情熱を種火に、知人が経営する書店でボランティアとして働きつつ、書店ビジネスのいろはを学んでいるところだという。
「ボランティアで働く代わりに、本屋経営のノウハウ、事業計画書の作り方とかそういったことをタダで学ばせてもらっています」
将来的には自分も書店を経営したいとの夢を抱いている福森さん。今の店でイベントの企画運営を手伝いながら、NHの中でもメンバー向けの読書推進オンラインサロンを自ら立上げ、改めて本を読む楽しさの発信に努めているところだ。
さらにもう一つ。福森さんが人生を通して向き合いたいと語るテーマ、福祉に関する活動も始まる。あることがきっかけでもともと興味を持っていた世界ではあったが、福祉に携わりながら社会に貢献したいという志が頭をもたげるのである。

福祉への思い
社会福祉士という資格は福祉系国家資格の中でも難易度が最も高いと言われている資格だ。
受験資格として福祉関連の学校の卒業が必要な上、実務経験も求められる。試験自体の出題科目や範囲も広く、問題自体も難しい。
その資格を、福森さんは、取った。
独立したからと言って、自由な時間がふんだんに取れるというわけでなく、むしろ新たに向き合う様々な仕事を増やしながらの挑戦。
「ついていくのが精いっぱいだけど、何とか頑張っています」
2021年、資格取得のための学校に通っていたころの福森さんを個人的に知っていた筆者は、そんな風にこぼしながらも目標に向かって邁進、目をきらきらと輝かせていた氏を思いだす。日中は通常のコンサル業務をこなし、夜は学校。福祉の現場での経験も積む。そんな過酷な毎日を送りながら見事初回のチャレンジでの合格だった。
さて、では資格取得後、この勲章を元に今福祉について何を始めているのだろう。そのことについて問うと、
「子ども食堂でボランティアとして時々お手伝いしていますが、特に何もしていません」
と飄々と答える。一瞬キツネにつままれたような気分になるが、実はすでにさらなる行動力のマグマが彼女を別の次元へと突き動かし始めていたのである。

政治の世界へ
コンサル、読書という趣味を生かした活動、そして福祉。ここまではある意味これまで氏の中で顕在化していたエレメントを着火点とした動きだ。次に向かったのは彼女自身、心の奥底にあってしばらく向き合っていなかった願望が、一気に表出して出来上がった目標点だったのかもしれない。
政治家になる。政治家になって世の中を良くしたいという思いだ。
「もともとは心のどこかで政治に興味があったんですよね。小学校のころ田中角栄にあこがれて政治家名鑑みたいなものを買って読んでいたことも思い出します・笑。そうしたらある時、ネットのニュースでたまたま私の地元三重2区から立憲民主党が立候補者を公募することを知ったのです」
候補を公募するというシステムがあることを筆者は初めて知ったが、福森さんはそういった情報をただ読み飛ばすことはしなかった。自分が向かおうとしている方向と照らし合わせ、子供時代から眠っていた熾火のような思いを今一度掘り起こす。気が付いたら書類選考のための資料を作成し、応募していたそうだ。
「やはりまずは地元で公募しているということが大きかったですね。地元へ貢献したという気持ちは大きかったです。三重がさびれていくのは見ておれないと。それと政治家になれば社会福祉についても根本的な課題を法律を変えて解決していくことができると思いました。他にも、ずっと法案が先送りになったままの選択的夫婦別姓制度をはじめ、常々気になっていたジェンダー平等の活動にも手を付けられると思ったのです」
第1次の書類選考は無事にパス。その次は地元三重に戻って、担当者との面接が待ち受ける。その場では立憲民主党系の県会議員、市会議員のお歴々と対峙しながら、自らの所信を語ったそうだ。
「面接で特に聞かれたのは、まずなぜ会社を早期退職したの?とか、なぜ立憲民主党なの?といったことでした。退職については正直にさっきお話したようなことを伝えましたし、各政党の政策を勉強しつつ、やはりこの党が一番私の考えとフィットすると思ったからということも伝えました。そして私のやりたいことは総て政治につながっているから応募した、とも説明しましたね」
最終的に三重2区ではなかったが、1区の候補としてめでたく採用。大手広告会社からの転身候補の誕生として、地元の新聞も賑わせることとなった。

全てやってみる
広告業界で培ったマーケティングコンサルの知見があったからこそ世の中の趨勢・課題を客観的に分析、寄り添う下地ができた。政治家年鑑を買うほどの読書好きだったからこそ幼いころから政界にも違和感なく興味を持てた。福祉への思いはやがてその制度そのものを政治で改善したいという思いにつながり、地元の衆議院議員候補者の一人となった。一見脈絡のないような福森さんの変遷が、話を聞いているうちに一本の糸でつなぐことができるようになってくる。
まだこの先、衆院選がいつ行われるかははっきりしていないが、氏のペースで、着々と、目標に向かって歩みを進めている。
「とにかく今は有権者の方に自分を知ってもらうことが大切だと思っています。地元の方々への挨拶まわりもそうだし、街頭演説も頑張っています。街頭では東京などに比べて反応してくださる方が多いように感じますね。最近では時々見知らぬ方から福森さんですよね?と声をかけていただくこともあって。嬉しいですけれどあまり街中で馬鹿なことはできないと身が引き締まります・笑」
意外に電通時代に鍛えられてきた社会人としてのマナーや、相手の心を常に思って行動する気持ちなどが今に役立っているんですよ、とも語る福森さん。その口調はあまりにも自然で、気負いがなく、ほのぼのとした心地良ささえ感じさせるのだ。こんな政治家がいたらきっと国民も幸福な気分にしてくれるのではないかと思わせる。

「独立して数年、いろいろやってきて今改めて思うのは、‘やってみたいことはすべてチャレンジしてみる’。そのことが大切だと身に沁みて感じるようになりました」
自分の中にある可能性への信頼。それこそが氏を間断なく前進させる原動力であると感じた。
広告業界から出発し、コンサル、書店ビジネス、福祉、そして国政へ。福森さんの活動の次章はいったいどこで展開されるのだろうか。目が離せない。

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