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停電しても不安なし。災害から家族を守る安心な家「ZEH」

地震や大型台風が猛威を振るい、自家発電できる太陽光発電を搭載したZEH(ぜっち/ゼロエネルギー住宅)が安心・安全の面から注目を集めています。災害対策の面からみたZEH住宅の必要性について、ZEH推進協議会の小山貴史さんにお伺いしました。※聞き手:だん編集部

※ZEHの基本解説については、以下の記事も併せてご参照ください


――冷暖房コストの削減や健康に暮らせること以外にZEHのメリットはありますか?
ZEHは最近増えている災害対策の点でも大きなメリットがあります。住宅の環境性能を評価する制度「CASBEE」(キャスビー)のツールの一つ「レジリエンス住宅チェックリスト」で見ると、ZEHはレジリエンス度(災害対応力)が高いことがわかります。ZEHは災害時にも安心して暮らせる住宅と言えます。

2018年9月6日に発生した北海道の胆振(いぶり)地方東部を震源とした地震では、北海道全域が停電しました。予想に反して停電は数日間続いたことから、自宅で発電できる太陽光発電への関心が高まりましたね。この時は夏の北海道で発生した地震で熱中症の危険性はそれほどありませんでしたが、本州でこの規模の地震が起きていたら、停電で冷房が使えず、熱中症が発生したかもしれません。

――冬に停電が発生した場合はどうでしょうか。
断熱性能が高いZEHは熱が逃げにくいので少しの熱でも家を温めることができ、暖房にかかるエネルギーも少なくて済みます。灯油なども、使う量(エネルギー)が少なくて済む。物流がストップして灯油が買えないという場合でも、ストックしている燃料を効率的に使うことができるため安心です。

――停電で電気が使えなくて困っている近所の人に、自宅の太陽光発電を利用してもらうというような光景をテレビのニュースなどでも見ました。
災害時の連絡や情報収集に欠かせないスマートフォンを使うのにも電気は必要。電気を確保できるZEHは、災害時には所有者個人の生活を維持するだけでなく、まちのライフライン・防災拠点としても機能します。発電した電力を蓄えることができる蓄電池や電気自動車を併用すれば、夜間でも電力を使うことができますし、ヒートポンプ式の給湯器「エコキュート」があば、昼間に太陽光発電でお湯を沸かして貯めておくという使い方もできます。

――南海トラフ大地震や首都直下型地震などの巨大地震の可能性が高まるなか、災害対策にもなるというZEHのメリットが注目を集めそうです。
東京など人口が集中しているエリアで災害が発生すると、行政が避難場所を確保することも難しいことが防災の専門家から指摘されてます。その場合、多くの人が自宅で復旧を待つことになるでしょう。平時だけでなく災害時にも安心して暮らせるという家庭防災の視点は、災害の規模の大型化が進んでいる今、これまで以上に重要性が高まっていると思います。

※本記事は「だん02」の記事を再編集しています