見出し画像

木・土・竹の素材の可能性を追求した隈研吾の建築

大分県由布市にあるCOMICO ART MUSEUM YUFUINの敷地内に隣接して建つ、隈研吾設計の保養研修施設があります。3棟に分棟することで、川沿いの小さな集落のような佇まいとなることを目指したもの。各棟の庭園や露天風呂から由布岳を望めるように、建物の配置と距離感に気を配り、薄い銅板葺きの屋根を山に向かって雁行させています。

3つの棟の内装はそれぞれ、木、土、竹の自然素材をテーマにし、素材の可能性に挑戦しています。保養所Aは木をテーマとし、杉・ヒノキを壁・天井に使用。保養所Bは土をテーマとし、壁の多くを左官仕上げにしています。保養所Cは竹がテーマ。玄関には煤竹を詰打張りにし、天井は竹突板の練り付けとなっています。

薄い銅板葺きの屋根が山を背景として数寄屋の雰囲気を醸し出している。
焼き竹の塀の向こうに山並みを望む。天井は和紙貼り(越前紙)。
(写真/藤塚光政)

設計:隈研吾建築都市設計事務所
施工:㈱佐伯建設

上記の隈研吾の事例の写真や解説は、伝統建築を改めて見つめ直す「和風住宅25」に掲載しています。特集は「障子の美」。建築家の住宅事例から、地域の設計事務所や工務店の事例まで、見どころ満載です。