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実はストレスだった!ダメ動線の家に住むと面倒くさがりになる|住宅収納スペシャリスト川島マリ

住宅収納スペシャリストの川島マリです。
動線とは、人が自然に動く時に通ると思われる経路のことを言います。家の中だと歩く道筋でしょうか。動線が長くなると、わずか数秒、数歩の違いが何かをするときに時間がかかり面倒に思います。

もともとの性格にも関係しますが、ダメ動線が原因で面倒な気持ちにさらに拍車がかかるという人は多いようです。

やる気になる動線とは?

家のなかを歩くのは、家事をする、着替える、お風呂に入るなど、何かをするためです。そのため、その時に使うモノや場所までが遠いと、モノを取りに行く動線が長くなります。

例えば、リビングが1階でお風呂も1階、2階に寝室がある場合、お風呂に入るたびに2階の寝室まで下着を取りに行くのは動線が長く面倒です。
ならば、下着やパジャマは1階の脱衣所に置いた方がとりに行く手間が省け、楽に暮らせます。

このように、日常的に使うモノは、使う場所の近くに収納することが動線のいい家をつくるための鉄則

取りに行く、片付けるのが面倒と思う距離に置いているモノがあるな、と心当たりがある方は、収納場所を見直してみましょう。

リビングが片付かないのは、ダメ動線のせいかも

リビングに収納がひとつも無い間取りをよく見かけます。
収納がないと広い空間になりますし、コストもかからないため収納を作らない選択もありますが、家族みんなが几帳面な性格やミニマリストでなければ片付かずにイライラするかもしれません(笑)。

202012-note4面倒な人

写真/PhotoAC

勉強道具、おもちゃ、パソコンや書類など、家族それぞれがいろいろなことをするリビングには、置いておきたいモノがたくさんあります。

収納が作られていなければ、使うたびにモノがある場所に取りに行って、また戻さなくてはならないので、後で片付けようと床やテーブルの上に出しっぱなしになってしまいがち。

リビングには、たとえ床面積が減っても最初から造り付け収納を設けることをおすすめします。

後から収納棚などの家具を置くこともできますが、背の高い家具は圧迫感がありますし、地震で倒れる心配もあります。

リビングに置いておきたい勉強道具、パソコン、書類、おもちゃなどは奥行き30~45cm程の棚があれば収まります。棚の奥行きは収納したいモノにもよりますので、リビングに置きたい物を考えて収納を依頼しましょう。

固定概念で決めた場所はダメ収納かもしれない

これから家を建てる、リフォームをするという方は、いまの収納場所は、ベストなのかをまず疑ってみましょう。

たとえば、今の家では洗面所でお化粧をしていたとしても、新しい家ではリビングでするようになるかもしれません。その行動が予想されるのであれば、化粧品一式はリビングの一角に置けるように収納場所を設けておくと、ストレスなく片付けられます。

また、引っ越した時に決めた収納場所が、暮らしてみると動線が悪いという場合もあります。収納計画をしても、実際に住んでみると行動動線が変わるので収納場所を見直したほうが便利なことはあるのです。

今までマンションで暮らしていた人が3階建ての戸建て住宅に引っ越したら、それまでは平面だった動線が、上下の動線へと変わります。想像のつかない生活は、暮らしてから動線に合わせて収納場所を移動させると便利になることがあります。


提案された動線は、我が家に合わないかもしれない

回遊動線やファミリークローゼットなど、流行りの動線を取り入れた間取りが増えています。間取りにも流行りがあるのです。
家づくりの際に間取りを提案されたら、動線と収納があなたの家族の行動とモノの量にあっているのか想像してしてみてください。

マンションをリノベーションする方のコンサルティングをさせていただいたことがあります。家の中は回遊動線が2カ所ありました。①玄関からファミリークローゼットに直接入れる回遊動線、②キッチンから和室に繋がる回遊動線。とても使いやすそうな間取りでした。

①は玄関→クローゼット→寝室と通り抜けられるので、玄関先でコートを脱いで、荷物を置いて寝室からリビングへ行けると説明されたそうです。
確かにそれは便利ですが、そのために寝室から洗面所とお手洗いに行く動線があまりよくありませんでした。

高齢のご夫婦なので今後の生活を想像すると、外への出入りより家の中で過ごす動線を優先した方が使い勝手が良いのではないかと思いました。

②のキッチンから和室へ入れる回遊動線は、和室の利用目的(寝室?客間?)から考えると直接キッチンとつながる必要が感じられません。
それなら、出入りする扉部分は収納にしたほうが使い勝手が良くなります。

回遊動線は便利になるとが多いのですが、住む人の暮らし方に必ずしも合う間取りとは限りません。思い込みはやめ、家族の暮らし方を想像し、適材適所を考えることが大切です。

キッチンと洗面所が遠いとストレスになる

洗面所とキッチンは毎日何回も行き来する動線になるので、位置関係は気をつけたいところです。

どの家庭にもおすすめしたい動線は、家事効率から考えてキッチンと洗面所を近くに設置することです。

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朝は朝食の用意や片付けをしながら洗濯、子どもの準備、自分の身支度。
夜は夕飯の用意や片付けをしながら、洗濯、お風呂の用意、子どもをお風呂に入れる、歯磨きを手伝う…など。

子育て中の方はもちろん、忙しい現代人は同時進行でやることがたくさんあります。

洗面所とキッチンが離れていたら、往復しながら行う家事はストレスですので、最初から動線を近づける間取りにすることで、かなり軽減できます。

まとめ

・収納が適所にないと動線が悪くなる
・収納の定位置は、見直してみるとストレス軽減につながることも
・提案された間取り図の動線と収納は、我が家にあっているのか確認する
・キッチンと洗面所は近くに配置する

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お問合せ先 株式会社イリス
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著書『はれやか「収納マップ®」』では、「洗濯動線の楽な家」というテーマで、動線の確認とつくった「収納マップ®」を掲載しています。
ぜひ参考にご覧ください。