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10代までに出来上がった感性が超重要だと思う件

経済学の巨頭ケインズは、多くの経済学者や政治家を見る中で、このように述べています。

経済哲学および政治哲学の分野では、25歳ないし30歳以後になって新しい理論の影響を受ける人は多くはなく、したがって官僚や政治家やさらには煽動家でさえも、現在の事態に適用する思想はおそらく最新のものではないからである。
『ケインズ全集7 雇用・利子および貨幣の一般理論』( 訳者:塩野谷祐一)より

人間の根本となる思想(価値観)は、大人になったあとで、そうそう変わるものではないということです。

これは、経済思想や政治哲学に止まらず、実感として、感性全般にも言えることではないかと思います。

つまり、ほとんどの場合、20歳前後までに見てきたものや経験してきたものが、大変重要であるということです。


お正月番組の恒例となった芸能人の格付チェックで、GACKTさんが、一流のものと普通のものを見分ける力が抜群であることがわかっています。

中には、バイオリンや盆栽などの芸術関係のものは、素人が見ていると、違いなどほぼわかりません。(むしろ良さもわかりません)

見分けられるのは「勉強をしているから」であるとGACKTさんは別の時に語っていたようですが、おそらく10代までに養われた芸術的な感覚が大いに影響していると思われます。

家庭では、クラシック、シャンソンなどの音楽が流れていたようで、自身もピアノを習い英才教育を受けたようです。

ちなみに同番組でGACKTさんとペアを組んだことのあるYOSHIKIさんも、幼少期からクラシックに慣れ親しんでいたようです。


20歳前後までの感受性は強烈です。

私自身、音楽にせよ、映画にせよ、人物にせよ、最も大きな感銘・影響を受けたのは全て20歳までであることを思い出します。

それ以降、いいなと思うものはあっても、20歳までに受けてきた衝撃を超えるものはなく、それらのものを見て測る判断基準は10代の頃に出来上がっていたのではないかと考えています。

クラシックや芸術には全く縁のない子供時代で、心を揺さぶる音楽といえば、90年代のJ-POPや、ヒップホップなどでした。笑いの中心にはダウンタウンがいて私の感性は作られていったのです。

もし私が30代で初めてダウンタウンを見たり、ヒップホップを聞いたりしていれば、何も感じないどころか、嫌いになっていたかもしれません。

大人になってから勉強して、優れた芸術やクラシック音楽などに触れることは可能ですが、10代までにそれらと親しんできた人たちとはやはり差があるのです。

勉強や努力で手に入れられないもの、それが感性であり、幼少期から20歳前後までがピークであるということは、自分の経験を振り返って、また他の人の様子を観察して大いに納得できます。


長らく重視されてきたロジカルシンキングに加え、最近はアート思考(アートシンキング)が注目されています。

0から1を生み出すのに必要な思考法としてマイクロソフトなどをはじめ有名企業でも取り入れられています。

そこで必要なのが感性だと言われています。

クラシックや芸術作品を見ることだけが感性を伸ばすというわけではないと思いますが、これからの子供たちには、優れた感性を養うという視点がより重要になりそうです。

そして、そんな感性を伸ばしてきた人たちが増えていくことでしょう。

そんな人たちの感性をうまく取り入れていくことがリーダー層に求められる課題となるのではないかと思います。


ここまで読んでいただきありがとうございました。

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