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東京大学情報理工学系研究科 コンピュータ科学専攻 筆記試験対策

はじめに


試験概要
こちらの記事の続きになります。
まずはコンピュータ科学専攻の筆記試験の試験範囲のおさらいです

  • 共通数学
    1問50分で、線形代数・解析(微分積分)・確率統計の3分野から1題ずつ計3題出題されます。解析分野は教養レベルの微分積分に加えて、常微分方程式と、たまに複素解析も出ます。

  • 専門科目(コンピュータ)
    情報数学、数値計算、離散数学、アルゴリズムと計算量、形式言語、論理学、 プログラミング言語論、コンピュータアーキテクチャ、オペレーティングシステム、 デジタル回路、機械学習の計11分野(!?)から4題出題されます。70分で2問を解き、30分休憩の後また70分で2問を解く感じです。

勉強方針
外部生が頭を抱える一番の要因として、問題を解こうにも過去問に解答が無いというハードルがあります。共通数学は問題演習が積みやすいのでそんなに問題ないですが、専門科目は勉強しづらくめちゃめちゃ困ったので、本記事では解答付きの書籍のみ紹介し、問題演習がしやすいようにしています。
また専門科目に関して、東大が公式で発表している参考書籍リストもあるので、一度目を通すと良いと思います。

共通数学


まずはマセマをやりましょう!賛否両論あるかもしれませんが、数学の基礎的な教養が足りていない私のようなへっぽこにとってはとても助けになりました。マセマ線形代数・微分積分・確率統計について、教科書と演習をまずは完璧にしましょう。これだけでも結構大変なはずです。余裕があればマセマの常微分方程式の高階微分方程式くらいまでやれば十分だと思います。

私はそれに加えて大学院への数学(線形代数編微分積分編)をやりました。問題数は少なめですが良質な問題がまとまっていて、良い問題集だと思います。これだけで十分合格ラインには到達すると思います。
また、特に線形代数に関してマセマで足りない部分は「数学の景色」や「理数アラカルト」などのサイトを大変参考にさせて頂きました。

確率統計に関しては、統計検定1級の勉強の時に使った 竹村 彰通 : 新装改訂版 現代数理統計学 なども参考にしました。マセマではカバーされていない内容として、順序統計量と条件付き分布は過去問でも問われているので、チェックしておくと良いと思います。

いかんせん専門科目の量が多く、直前になると数学まで手が回らないので、早いうちに数学は始めておいてある程度のクオリティに達しておくと後が楽です。

専門科目


問題の専門科目です。範囲が膨大ですが、各分野ごとの関連を意識しながらやると少しはやりやすいかと思います。個人的におすすめの勉強順に、各分野について概要を書いていきます。括弧内は頻出度です。

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