偉大すぎるせんぱい

【毎週火曜更新・時間堂、年商1億プロジェクト18】時間堂プロデューサー大森晴香です。ごきげんよう。昨日はひさかたぶりに雪かきをしました。ふだん、ちから仕事をまったくやらないことで有名な私ですが、昨日はたまたまひとり出勤。いつもみんなありがとう。てぇへんでしたよ。とほほ。

さて。

今週末は時間堂レパートリーシアターが本格始動するのです。ひゅーひゅーぱちぱち。今まではワークインプログレスだのプレビューだのと「準備期間だよ」って名前になっていたのですが、いよいよ、そういうやつ全部とれました。わははたのしみー。

1月は『言祝ぎ』と『熊』の2演目交互上演です。両方観に来たらいいじゃないの。イトウワカナとチェーホフ。寒いところのひとたち特集なのかな、冬だし。

さてさて。

レパートリーシアターを本格始動する直前に、われわれよりもずっとずっと前からレパートリーシアターをやっていて、今も毎月3週間くらい連続上演・休演日なし・毎日マチソワ、というツワモノなせんぱいのご尊顔を拝してきました。家族3人で行ったのですが、平日昼の回にも関わらず、発売開始10分で3人並んだ席はとれず。やむなく前後に分かれた席を確保。

場所は東銀座。地下鉄直結。字幕端末やイヤホンガイドの貸し出しあり。ロビーにはお土産屋さんが立ち並んでいる。劇場内でお弁当が食べられる。

どーこだ???

正解は…





歌舞伎座です。いえーい、壽初春大歌舞伎に行ってきたよ。

着いたそばから完全にお上りさん状態でした。高校時代の「芸術鑑賞会」以来のナマ歌舞伎。まず、地下鉄の出口案内からして「KABUKIZA(歌舞伎座)」とか書いてあって、わぉ、インターナショナルだ!とかなっちゃいましたよ。

いつか世界ツアーを、と言ってる時間堂なので、世界に開かれてるぜ、みたいなところについつい目が行きます。今回は試しに「字幕ガイド」を借りてみました。保証料1,000円だけで借りられます。返却すれば返してもらえますから実質タダです。ちなみにイヤホンガイドは700円+保証料1,000円だから実質700円。

リモートコントロールされているようで、ちゃんと作品のペースに合わせて画面が切り替わります。ナマの舞台に字幕をつけるって、たぶん、想像以上に難しいと思っていて(なにせ、人間が演じていますから)、ちゃーんといいタイミングで進むことにまず感心。さらにすごいのは、「日本語台本」「日本語解説」「英語字幕」の3つが同じ端末でボタン切り替えで全部楽しめること。しかも、どうやら日本語解説と英語字幕は内容が変えてある!細かいことは忘れちゃったけど、日本人なら「平家物語の時代。源平の戦いで~」と書かれていたら、なんとなーくわかる情報があるわけです。でも、外国の方はそうはいきませんから、「何世紀ごろ、平氏と源氏という大きな勢力の戦いがありました」みたいな解説が必要だったりします。

逆に、日本語解説には掛詞の説明が入っていたり(英語版ではただ翻訳だけになっていたと思う)。さすがです。歌舞伎せんぱい。

で、帰りがけにパンフレットを見ながら家族であーだこーだおしゃべりしたんですけど、これぞレパートリーシアターでだよねーと姉に言われておぉ、となりました。

歌舞伎のすごいところは先述の国際化とか長い伝統だけじゃなくて、毎日休みなく昼夜公演を毎月25日間とかやっているところです。それも、大賑わいで。作品のクオリティはもちろん最高級で。

歌舞伎座は1,808席あるそうです。さすがに全席完売ではなかったのですけど(主に花道が観づらい西側にちょびっと空席が)、それでも1,600~1,700人くらいは入っていたんじゃないかしら。単純に1か月25日×2公演したとして、1,600人平均だったら8万人ですよ。うへぇ。その10分の1でいいから呼んでみたいもんです。

去年の公演記録を見たら、何か月も連続で違う演目に出続けてる方もいるようでした。さすがに昼公演と夜公演は出演者が違うのですけど、空いた時間で翌月の稽古だって基礎訓練だってしているはず。ベテランであれば後進の指導、売れっ子ならテレビやイベントの仕事もあるかもしれません。俳優に実力と体力があって、層が厚くて、仕組みがしっかりしていて…と、さまざまな条件がそろわなかったらこんなたくさんの上演は不可能です。

伝統芸能の底力を見た気がしました。

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時間堂レパートリーシアターはまだ産声を上げたばかり。正確に言うとこれから上げるところです。いきなり歌舞伎先輩みたいにはなれないけど、「レパートリーシアターてなに?」って聞かれたときには、歌舞伎先輩をイメージしていこうと思います。夢は大きく。
だってさ、8万人が2,000円払ったらこのプロジェクトは完結しちゃうんですよ、すごいこってす。

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そんなこんなで今週末です。昼夜連続で2本とも観る、というオツな冬の過ごし方はいかが。十色庵エアコンは強力なのであったかいよ。

時間堂レパートリーシアター〔2016.1〕『言祝ぎ』/『熊』

言…『言祝ぎ』 熊…『熊』

23土13時 言◎/18時 熊
24日13時 熊◎/18時 言
25月15時 熊 /20時 言

◎小学生以下も入場可

お席でごはんが食べられるところは歌舞伎座先輩と一緒です。えっへん。カレーとチャイが人気。杏仁豆腐と生チョコが売れないので終売の危機です。で、デザートだって美味しいんだぞっ。

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なんだかカフェの宣伝になってしまいましたが、作品はね、おもしろいですよ。どちらもレパートリーにすべく、繰り返し稽古して繰り返し上演してますから。何度も観ている私が飽きもせずに面白がれるんですから、俳優ってのはすごいもんだなと思っています。

手の届く場所で起こる演劇。ご予約はこちら、またはnoteコメントでもお受けします。

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このマガジンを読んでくださってるすべてのかたが十色庵に来てくださったら、とか夢想します。さすがにそれは難しくても、スキやコメントやシェアなどで応援いただけると嬉しいです。投げ銭もだいすきだよ。

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