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2021夢日記  優しい振りしたひどい嘘  ji-jyo 12月5日


僕は今年に入ってから毎日、夢日記を書いている。過去のものは月別にマガジンを作成してあります。

昨日は何かいい夢が見れるといいなと思っていたけれど、残念ながらあんまりいい展開ではなかった。

始まりはちょっと田舎感残る都会になり切れていない街中を一人歩いているところからだった。

僕は堅苦しい制服を着てこれから待ち合わせの予定がある公園へと向かっていた。

『やあ署長! 今日も平和で何よりだね。』

『ああ。こんにちわ。』

どうやら僕はこの街では警察署長のようだ。だけど待ち合わせに向かう僕の足は何だか重苦しい。それに気分だって晴々しているとは程遠い感覚だ。

それからしばらく歩くと待ち合わせの公園に到着した。待ち合わせの相手はまだ来ていないようだ。公園のベンチに腰を掛け夕暮れの空を見上げながらこれから起こることに憂鬱さを感じていた。

『ああ。署長。お待たせしてすまないね。それにこんなことを頼むなんて何とも情けない。』

現れたのはもう定年しているであろう随分とご年配のお爺さんだった。

『何言ってるのさ。困ったときはお互い様だ。とは言えここは人目に付くからあの喫煙所の中に入ろう。』

お爺さんを連れて公園内にある喫煙所へ入った。
僕は胸ポケットにしまってあった茶封筒を手に取りお爺さんに渡した。

『本当に3万円で足りるのかい? とは言っても僕もそんなに高給取りなわけじゃないからこれ以上工面するのは難しいんだけど。』

『本当にすまないね。こんなことお願いしていいものかと本当に迷ったんだが、仲間に困ったときは署長に相談してみろと勧められてね。』

『僕に出来ることなら喜んで協力するさ。返済は焦らなくて大丈夫。それに利子なんて一切いらないよ。余裕が出来たときに返してくれればいいからね。』

そんな優しい言葉をかけながら僕はまもなく鳴り出すお爺さんの携帯の着信を待っていた。

ピピピー。ピピピー。

『あっ。いかんいかん。取り立ての催促だ。ちょっと出てくるんで署長待っててください。』

お爺さんは慌てて携帯だけ持ち、持ってきていた手提げバックを置いたまま喫煙所から出て行く。

お爺さんが完全に見えなくなってから僕はお爺さんの手提げバックの中に手を忍び込ませた。あった。あった。通帳と印鑑だ。これを頂くために今日はこの約束を果たしに来たんだ。お爺さんには悪いがこれは仕方のないことなんだよ。

そんなことを思いながら何事もなかったかのように待っていると、話を終えたお爺さんが戻って来た。

『ではお爺さん僕は署に戻ります。お爺さんもお気を付けて。』

『いやー。今日は本当にありがとう。また近いうちにご連絡します。』

そんなやり取りをしてお爺さんとは別れた。

帰り道、川沿いの土手でさっき頂戴した通帳の中見を確認する。
通帳の残高は7万4千円ほどだった。

『今回は4万くらいの儲けにはなったな。』

そんな極悪非道な言葉をつぶやいたところで今日は目が覚めた。

何とまあ、胸糞悪い展開だった。しかも悪いことをしているのが自分だなんて。悪いことされる夢も嫌だけど、悪いことしてる夢はもっと気分の悪いものだと感じる朝だった。

さて、明日も夢日記を書いていこう。

 

【2021 11月夢日記 ~ji-jyo~】


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