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2021夢日記 漬物屋とおちゃめな店主 ji-jyo 5月22日


僕は今年に入ってから毎日、夢日記を書いている。過去のものは月別にマガジンを作成してあります。

昨日の夢はちょっとおかしく、ちょっと切ない展開だった。

始まりはちょっと田舎の商店街。多くのシャッターが閉まった店の列に、数少なく空いていた1軒の漬物屋で働いているところだった。

『親父さん。この樽で最後ですよね?』

『うん。そうだね。ご苦労様。』

僕はしばらくの間その店にお世話になっていたようだ。
なんとか今日まで続けてきたこのお店も、周りのシャッターが閉まったお店の仲間入りになってしまう時が近づいていた。

『最後にうちの漬物、買いに来てくれるお客さんたくさん来るといいですね。』

『そうだね。もう仕事は終わったし、奥でお茶でも飲もう。ほらこっちへおいで。』

親父さんは優しかった。一見、ザ・職人といった風貌ではあったが、口調も穏やかで、少し腰が曲がってて、何より僕のことを気にかけてくれていた。

『ふ~。お茶おいしいね。で、どう? この間の話し。』

親父さんがつぶらな瞳でそう尋ねてくる。

『ああ。はい。やっぱり答えは変わらないですね。』

『えっ? じゃあ継いでくれるってこと?』

やっぱりつぶらな瞳で、今度はとぼけた振りをしているようだ。

『えっ? いや。僕は継げないので今日でこちらを辞めますよ。』

僕がはっきりそう言うと、つぶらな瞳をゆっくり閉じて、親父さんは少しのあいだ黙っていた。

『何事にも終わりは来るよね。いいことも、悪いことも。私ら人間の命にも。わかってはいた。わかってはいたけど。本当にそのときが来ると、簡単にすうっとは…飲み込めないものだね。この歳になっても…。』

またゆっくりと目をあけた親父さんの目は真っ赤になっていて、今にもあふれ出しそうな涙でいっぱいだった。

ずるいよ。そんな風にされたら、一生懸命、悩んで出した答えが揺るいでしまいそうじゃないか。
そんなことを思ったあたりで今日は目が覚めた。

いつも元気だったり、おちゃめな人が、時折見せる涙の破壊力は反則だと感じる朝だった。

さて、明日も夢日記を書いていこう。


【2021 4月夢日記 ~ji-jyo~】


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