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たくあん漬けはまだ先ね

寒いし、雪は降るしで、まだ大根の収穫ができません。
おばあちゃん直伝のたくあん漬けは美味い。
早く漬けて、たくあんをポリポリしたいのだが、味わうことができるのはまだ先だ。
おばあちゃんに聞いた美味いたくあん漬けをつける秘訣というのは、スーパーで売っている「たくあん漬けの元」という、糠などがセットになっている商品を使うことだった。
実に合理的で、賢いやり方だった。感銘し、爾来私も続けている。
しかし、自分で漬けたたくあんは美味しくないのだ。何かが違うのだ。
さっき見た、「科捜研の女」にでも分析してもらおうかしら、なんて。
大根の干し方、漬けるタイミング、塩の振り方などなのかもしれない。
畑の大根を見ながら考えた。
そうか、「もうしわけねな」と言いながら食べるから美味しいのだ。
きっとそうだ。おそらくそうだ。そうだと思うがどうだろう。
90歳をとっくに過ぎたおばあちゃんが、腰を曲げて仕込む姿を想い、今年もわざわざ漬けてくたという、ありがたみがないので、美味しくないのだ。
ということは、私の漬けた「たくあん」も、子供たちが「もうしわけねな」と言いながら、ポリポリと齧る音を聞けば、私のたくあん漬けも美味しくなるかもしれない。果たして今年は美味しくなるのだろうか。不安だなは。


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