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50年前 焼石岳の尿前川本沢を登る

スキャンを続けているが、モノクロだけだと、そろそろ飽きてきた。
カラーネガを適当に選んだら、焼石岳を流れる胆沢川の支流、尿前川本沢を登った時の写真がでてきた。
白黒をスキャンした時もあったが、やっぱりカラーの方が雰囲気が伝わる。
中沼登山道の入り口まで先輩に車で送ってもらい、夜明けとともにあるきはじめる。

まだ半分寝ているから写真も眠いなあ


下の写真は、そろそろクライマックスの大きな滝にさしかかる手前、でかい雪渓があらわれた。
上を行こうか下を行こうか。

精一杯のポーズをとっている
本当は怖くてビビっている


真夏なので半袖で歩いているが、雪が多いので寒いくらいだ。
半分過ぎてろうか、少し遊びすぎたようだ。
天候は悪くなるし、辺りは隠隠滅滅として、岩場や雪渓が行く手を阻む。

山友が右か左かと思案中だ

尿前川の支流は、急峻な沢が多いが、天竺沢と尿前川の本流は、なかなか手強い。せめてもの救いは、沢を詰めると、かならず登山道に出る。
登山道にさえ出れば、小屋まで一っ走りだ。
この辺を登っているときはまだ余裕の顔だが、この先からはカメラをしまって、ひたすら滝を越えていった。
腹は減るし、雲は厚く陰湿だし、早くこの沢を越えて、金明水の小屋に行きって、あったかい飯を食いたい。

だめだろう指を写しちゃ
トップで登ってカッコつけてんだから

こんなふうにして、丸々一日かけて沢を登り、姥石平を経由して金明水の小屋に泊まり、翌日夏油温泉へと下山した。
下山は、金明水から牛形山への縦走コースを歩いたので、アップダウンはきついは、とにかく長くて長くて泣きたかった。
それでも温泉に入りビールを飲むことだけを考えて、なんとか歩き切った。
丁度50年前の、夏のことだった。
この時に使った赤いザイルは、部屋に置かれたままだ。

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