ハンガリーが親ロシアの理由

ハンガリーは共和制国家

国家元首が存在せず、最高統治権は人民が持つ政治です。


歴史

ハンガリーもヨーロッパでは幾多の戦いに参加し、巻き込まれてきた国家。
多民族国家でもあり、独立も容易ではなかったでしょう。

かつてはモンゴル帝国と戦い、オスマン帝国に支配され、オーストリアに支配され、オーストリア=ハンガリー二重帝国時代もありましたが、第一次世界大戦で破れてオーストリアと分離。
第2次世界大戦ではナチスドイツと強調したがために枢軸国となってしまった敗戦国。一度入るとクーデターでも抜け出せないヤクザの世界と同じ。
ソ連の占領下で臨時国民政府が樹立され、ハンガリー全土からドイツ軍を駆逐し、ハンガリー軍を降伏させた。


ハンガリーの政治

ソ連の衛星国となった時代も厳しい生活を強いられたようですが、ソ連崩壊とともに現在の共和国制となった。
日本と同じ議院内閣制で国会が最高権威機関。

NATO加盟、EU加盟とすっかり共産主義から脱却したハンガリーですが、2010年に再びオルバーン氏が首相となると親ロシア路線に転換し始めた。

過去のソ連崩壊あたりでは、オルバーン氏自身は共産主義や社会主義に抵抗し、民主化の旗手として奮闘。

1998年には欧州最年少首相であった。
2010年に復権したあとは現在5期目に突入という人気ぶりです。

もちろん、長く政権を取ると独裁的なところもあるでしょう。
しかし、国民が支持するならばそれでも構わないのかもしれません。


親ロシアでも支持される理由

オルバーン首相は今回のウクライナ問題でNATO加盟国でありながらウクライナへの軍事支援を拒否。国益に反するという理由です。

2014年に「国を成功させるのはおそらく民主主義ではない。成功者はシンガポール、中国、ロシアなどだからだ」と語り、国家による統制を重視する中ロに接近しているとのこと。

EUとロシア、中国とうまく外交をしながら国益重視の政策で一貫している。

つまり、国民が第一であるからこのようなダブルスタンダードでも成功するのです。

下記の記事を紹介します。

オルバン首相 再選の背景に迫る(2022/6月取材、WEB特集)


ロシアのウクライナ侵攻でも再選するオルバーン氏

親ロシアでプーチン大統領と親しいオルバーン氏は、ロシアがウクライナへ侵攻した直後、軍事侵攻に反対姿勢を見せるなか、4月の選挙でも圧勝したオルバーン氏。
欧米のロシア産の原油や天然ガスの禁輸制裁に反対する独自路線。

首都ブダペストで見たハンガリー国民はロシア支持!

極右団体は”Z”のTシャツを着ている市民までいる。

極右団体の演説

「ウクライナは世界の中心ではない。謙虚に振る舞い、何が戦争を引き起こしたのか考えるべきだ。」
「ウクライナ人は、我々が彼らの味方をしないことを非難するが、我々を戦争に巻き込むな。自分たちでまいた種は自分たちで摘み取れ。」

NHK記事より

取材班がオルバーン氏を支持する理由を市民に聞くと、
トート・マーリアさん曰く、

「オルバン政権のエネルギー政策のおかげで、これまで通りの料金で済んでいます。野党が勝っていたら、値上がりどころではなかったかもしれません。」
「オルバン首相は、国民に戦争の影響が及ばないよう、最大限の努力をしてくれています。戦争の影響を最も受けるのは、貧困層です。私たちは農業をしていますが、肥料や農薬が値上がりし、食料も軒並み値上がりしました。
ウクライナの方たちには同情しますが、やはり何より大切なのは自分や家族の生活です。人道主義だけで家族を食べさせることはできません。」

NHK記事より

吉岡美有紀氏(取材班)は、

「実は、今年2月、各国がロシアの動きを警戒する中、モスクワを訪問し、プーチン大統領と会談を行っていたオルバン首相。この時、合意を取りつけていたのが、2035年までの天然ガスの安定的な供給についてだった。」
「現在、EU加盟国の多くが、ロシアから石油や天然ガスの供給を大幅に減らされ、価格の高騰に喘いでいるが、ハンガリーは、いまも変わらず供給を受けられているという。」

NHK記事より

当然にEUと亀裂は生じ始めているようです。
市内のガソリンスタンドでは、多国籍の車は割高で売っており、それがEU各国から批判を買っている。

メディアへの介入

自国優先の政治で支持を集めていますが強権化が懸念されているようです。
賛否が分かれるところですが、詳しくは記事を参照ください。

個人的には情報統制は反対ですが。

民主化でもEUには失望する市民

セチュクー・フェレンツさんの話

「当時、私は小さな子どもでしたが、父と一緒に西側のラジオを盗み聞きするのを楽しみにしていました。そして、夢を見ていました。20~30年たてば、この国も西ヨーロッパのようになると信じていたのです。」
「市場はイタリア産やスペイン産など、西ヨーロッパの商品であふれ返っています。取引を握っているのは、外資系の大企業だけですが、彼らが求めているのはハンガリー産の商品ではありません。私は、ただ平等に扱ってもらえることを望んでいただけなのに、結局ただの生産工場になってしまいました。」

NHK記事より

記事では次のように取材班は解説している。

「それまで経験したことがなかった市場の競争にさらされ、自分たちのぶどうが安く買い叩かれるようになったという。EUに加盟しても、経済格差が埋まらない現実。市民への取材を続けると、フェレンツさんのように、かつて抱いたEUへの憧れが、失望へと変わった人が少なくないことが分かってきた。そうした人々の多くが、EUが掲げる価値観に挑戦し、“国益”を重視した独自路線を打ち出しているオルバン首相に期待を寄せているのだと感じた。」と。

NHK記事より

旧ソビエトの燃やされた国章

このように吉岡美有紀氏は締めくくった。

「かつては、自由と平等を求め、旧ソビエトなど大国の支配からの脱却を目指していたハンガリーの人々。
その彼らが、いま「自由よりも毎日の生活だ」と口にし、独自路線をとるオルバン首相を支持する姿を見て、この数十年の間に彼らに何が起きたのかを、もっと知りたいと強く感じるようになった。
それを知ることこそが、現在、世界各地で、欧米型の民主主義に背を背ける国が増えている背景を少しでも理解することにつながると考えたからだ。
冷戦後、平和と繁栄を求めて急速に成長を遂げてきた世界。
その影で、ハンガリーの人々がどのような人生を歩んできたのか、より深く取材をしていきたいと考えている。」

NHK記事より

個人的感想

ソ連崩壊後、ハンガリー国民は戦争を望まない民主国家へと変貌できました。
オルバーン氏も民主化運動に積極的に参加し、若くして首相まで登り詰めた人物。

そして、自国民優先、国益優先の政治をした結果として資本経済も大事にするが専制国家が相手でも大事にする。
ダブルスタンダードでも何でもない。
これが自国を守るリーダーたる姿勢であります。

私が思うに、プーチンはマフィアも同じです。
昔のマフィアやヤクザなどは地域を守ってきた部分もあります。
地域に溶け込み、災害時では住民を守ってきたヤクザ。
縄張りがあり、「上納金」と言われるような裏社会の徴収もある。
一長一短はあるが、日本では暴対法が出来てからというもののヤクザが衰退してきました。

その結果として半グレなるものが市民に脅威を与えている現在。

半グレに任侠はない。
ゆえに相手を利用することしか考えない。
人道も何もない。リーダーも完全な組織ではないため影響力も無い。

裏社会の秩序は乱れ、警察でも抑えることが一苦労。
それは表では法規を守る立場であることから、脱法行為は出来ないのです。

暴力団対策本部のメンツはどうですか?
ハッキリ言ってヤクザと変わらない風貌です。
それぐらいの厳つさと気概がないとヤクザは押さえ込めない。

ヤクザには任侠があります。
ヤクザは無くなりますか?
無くなりません。
どんな世の中にでも「はみ出し者」は存在します。
それが社会というものです。

ヤクザは時に暴力的です。
しかし、近隣住民のカタギには手出しはしないもの。
うまく付き合うことは可能なのです。ハンガリーのように。

バイデンは悪徳警官か?
表向きは正義の味方。
民主的に選ばれた大統領?
(郵便投票で不正の疑いしか感じないが・・・)

しかし、裏ではネオコンに操られ、世界の利益を一方的に搾取しているだけにしか見えない。
善人に成りすまして裏ではとんでもないことも平気でやる。
(ノルドストリーム破壊工作)

日本は情報統制が知らない間に行われ、プロパガンダが蔓延るメディア。
ノルドストリーム破壊工作も情報統制していた疑いのビックテック5社の米議会への召喚問題も、日本のテレビメディアは一切報じない。

ロシアや中国、北朝鮮に対する日本人は「彼ら国民はメディア統制されて可愛そう」というが、日本も同じだということを全く感じていない人が多い。

極右団体の演説で集まった市民の話であったように、「真実」を知れば原因がどこにあるのか、誰が起こした戦争なのか分かる話です。

プーチン大統領を「酷い指導者だ」と一方的に言う人は、「真実を知らないただの市民」か、あるいは「真実を知る臆病者の市民」かのどちらかです。

私は臆病者にはなりたくない。


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