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また今度はマジックアワーに溶け込んで

飲食店勤務の私ですが、このお店の客層は30〜40代の女性が多い。

同じ世代でも、テーブルによって空気はそれぞれ違っていて面白い。

久しぶりに会ったはいいけど、近況報告が終わってお葬式みたいに静かなテーブル。

久しぶりに会ったから、話に花が咲きまくって終始女子高生みたいにワイワイしているテーブル。

それぞれスマホばかり見ているテーブル。


お客様それぞれの楽しみ方で時間を過ごされているけれど、個人的にはワイワイしているテーブルが好きだ。

見ていて楽しいし、どんな話で盛り上がっているのか気になる。
なんなら一緒に食事したい。

そしてそこには、周りからどう見られるかを気にしない豪快さもあって素敵。それは会話を楽しんでいる裏返しでもあるから。


女性は出産や結婚を機に、ライフワークが多種多様になる。

同じ30代でも、大きく分けて子供中心の生活の人、仕事中心の生活の人に分かれる。

私自身、学生時代にどんなに仲が良かった友人でも、現在のライフワークによって話す内容がだいぶ違ってくる。


正直に言うと、以前はそのことに対してとてもネガティブに捉えていた。

「久しぶりに会ったけど子供の話ばっかりでつまんなかったな〜」なんてしょげて帰宅することもしばしば。
もう昔みたいに盛り上がることもないのかな、なんて。

でもある日、ラジオでこんな話が。

「女友だちは30代で一旦お別れしても、子育てとかが落ち着いた40代になったらまた集まりだす。その時はそれぞれに修羅場をくぐってきたのでパワーアップしていて面白い。だから縁を切ったりせず、それまでお別れっていう考え方でいいんじゃないかな」(うろ覚えだけど大体こんな感じ)


白黒つけたがる極端な思考の私に、スッと入ってきた。


そうだよね、それでいいよね。

これまでに築いてきた私たちの時間を、わざわざ白紙にする必要はないよね。
今のあなただけを見て、ジャッジする資格も私にはないんだった。

一つ屋根の下で暮らしていてもまだまだ分からないことはあるのに、
年に数回、2、3時間しか過ごさない相手の全てを知ったような気になるのは失礼な話だ。

インスタの近況だけ見て満足して会う気にならない、なんて酷いこともある。

大反省。

くるりのJubileeという曲に歌詞にもこんな一節が。

人はそれぞれのLIFE
新しい場所を探して
でも君とは離ればなれ
陽が暮れて見えなくなっても
手を振って夜になっても

くるり/Jubileeより

特にオチはない、分かるようでで分からない、グレー。
それでいいんだよと言われてるみたい。



会いたい時に会いたい人に会えばいいし、その結果いまいち盛り上がらなくても、「また今度!」でOK。

お客様にも、美味しいコーヒーと、美味しい料理でそんな明るい
「また今度!」が生まれる空間を作っていけたらと思う。


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