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通常学級担任のための発達障害児教育入門編 5

第4章自分の気持ちを知りコントロールするためのClassroom SST

簡単に「他者理解」を身に着けさせることなどできるの?
他者意識をはぐぐむためのトレーニングが必要なのではないのでしょうか?

  クラス担任として道徳でもない学級指導でもない他者意識を育てるトレーニングが必要だと感じていました。
  国語科における感情や心情の読みとりでは、学力としての「読む力」に影響される。道徳や生徒指導における「他の人の気持ちを考えなさい」という指導も、個々の児童の生活体験や他者と関わりの軽重に影響され適切な指導とはなり得ていないと感じていました。
 そこで「他者との関わりや他者の気持ちを考える」必然性を持つトレーニングが必要である」と考え、NPO「くりえぃてぃぶキッズ」を立ち上げ、現役の先生たちと一緒に視覚による場面認識とロールプレイによるシミュレーション「どうするのトレーニング」を開発してきました。本章ではそうしたトレーニングについて紹介しようと思います。
 従来の吹き出しへの記入という「吹き出し法」と言われてきたトレーニングでの課題は「書く力、読む力」が影響し、課題に関してのイメージの広がりが見られない場合がありました。
 そこで場面設定を「視覚」から行い、台詞を共同して作りあげるという作業を通して、「話す」ことでイメージをひろげさせることが可能になると考えました。さらにロールプレイとして表現することで、種々の状況の中での当事者の心情や感情を「疑似体験」することで演者となる児童の理解が深まり、体験したことのなかった状況での判断をどの様にすればいいのかを考えさせることができると考えてます。

視覚から状況を読み取る場面を設定

場面カード
学年、特性に応じたプリントの作成

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