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薄井秀夫
2020年6月6日 11:20
供養という考え方も、葬式仏教を葬式仏教たらしめている重要な概念である。 辞書によると「三宝(仏・法・僧)または死者の霊に諸物を備え回向すること」(広辞苑)とあるが、一般的には故人があの世で安らかでいることを祈る行為を供養と呼んでいる。 ただ仏教における供養は、単に祈ることではない。我々生きている者が、この世で良い行いをして徳を積み、その徳を、あの世にいる故人に送るという仕組みになっ
2020年5月20日 09:32
葬式仏教には、いわゆる仏教の世界観とは異なる宗教世界がある。 仏教の教義的な宗教世界は、実に壮大な世界である。お経ごとに様々な物語や世界観が広がり、複雑かつ緻密なことも特徴だ。 それに対して葬式仏教の宗教世界は、素朴で、感性的な世界である。日本の風土から生まれた宗教世界と言ってもいい。 この葬式仏教の宗教世界をもっともよく表しているものに、お盆がある。お盆の期間、家庭で行われる営みは