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世はまさに「大公開時代」 -双方向3-

富、名声、力。

この世のすべてを手にした人たちが、今SNSやYoutubeといった、楽に双方向のアプローチができるメディアを使ってたくさんの発信をしています。

例を挙げれば福岡ソフトバンクホークス史上最強のエース、斉藤和巳さんがYoutube公式チャンネル上で明かしたSFF講座。斉藤さんはお股本3でもその投球術を絶賛されるなど、日本プロ野球史に残る技術を持つ選手としてよく名前が挙がりますが、その多くはわたしたちファンの「推察」と、一部メディアが「代理人として書いた双方向記事」によって支えられてきたように思います。(たいていはそうなのですが...)

しかしながら、推察だけの時代は終わりました。とうとうご本人が、エピソードを交えた直接的な双方向の信頼のアプローチを行ったのです。

振り返ると、

・最先端で、かつ効果が出ている理論を開示する
・開示がファンの「お気持ち」を不愉快にさせない書き方である
・結果を出すことによってさらなる信頼を得る

といった、私が「双方向の信頼の条件」として書いてきたものと合致します。そしてこの例を踏まえ、1こ目の条件の正確な言い方をすれば

・最先端、"もしくは100年変わらぬグローバルなもの"で、かつ効果が出ている理論を開示する

となります。

🔶相次ぐ大物選手の双方向アプローチ

私は時代を作ってきた方々の双方向アプローチを持った「生の声」が、Youtubeなど手軽なメディアを通じて、スポーツの歴史を大きく前に進めるかもしれない、と思っています。

私は今後、こうした「選手ご本人による双方向アプローチ」が主流になり、より技術の発展スピードが加速すると考えています。双方向の信頼は実際に結果を出しているご本人によるものが、最も信頼を築きやすいからです。そしてこの流れを、「大公開時代」と呼んでいきたいな、と思っています。

(といって、てっきとうな造語を作ったらご本人から引用RTがきてびっくりしました)

ワンピースの作中でロジャーの処刑が歴史の転換点となったように、いま私たちは歴史が変わる真っただ中にいます。そしてそれは、方向次第でポジティブなものにも、ネガティブな流れにもなりえると私は考えています。

🔶際立つ今川優馬選手の先駆性

ポジティブな例を一つ。野球ファンのみなさまにはもう説明不要でしょう。社会人野球、JFE東日本の今川優馬選手のTwitterアカウントです。

今川選手はこの「大公開時代」の前から、わたしたちファンとの双方向アプローチに積極的な選手でした。特に技術面に関してのお話ですが、積極的なアプローチだけでなくわたしたちファンの信じる「正しさ」と一致して、共に学び、共に詳しくなっていく。それまでにない「あたらしい」選手だったのです。この先駆性は、誰にもまねできない今川選手のすごさの一つであると私は思います。

もちろん、こうした成功の裏には、今川選手の真摯な人柄があることは忘れてはいけません。ファンの指摘や批判にも真摯に向き合う、そうした一面があるからこそ、私たちはどこまでも今川選手についていけるのです。

次はネガティブな例、なんですが...

🔶大公開時代は「過剰な透明性」を求める時代?

「大公開時代」は、言いかえれば「皆が透明性を持ち、透明性を持つことが当たり前になる時代」です。そしてそれは「行き過ぎたリスクコミュニケーションが多発する時代」と言い換えることができると私は思います。

リスクコミュニケーションとは、「災害といったリスクに対して、行政や専門家だけでなく市民の間で正確な情報を共有し、みんなで考えていく」というリスクマネジメントの用語です。

今回のコロナ騒動なんかもそうなんですが、最近こうしたリスコミをやるにあたって透明性を過剰に求めるあまり世論が真っ二つになるといった事態まで引き起こしたり、それによって心の安定を保てなくなる方も出てくるのでは、といった不安が私にはあります。双方向の信頼を求めるということは、透明性を求めるということではないのです。

もしわたしたちの「正しさ」と一致しない選手がいた場合、その選手は本当に淘汰されるべきなのでしょうか?それは選手だけの話ではなく、わたしたちのファンコミュニティに置き換えてみても通じる話かもしれません。そしてこの話は、ただ"淘汰される選手を守ろう"という単純な話ではないのです。

🔶あつ森への不満から見る「ほんとうの双方向」

こうした流れはスポーツだけでなく、ゲームの世界にも起きています。あつ森のUIは確かに不便を感じるところもあります。DIYでアイテムを作成する時何回もボタンを押すのは確かに面倒です。

しかしながらこうした「改善案」は、双方向の信頼に対する強烈な「北風」になりやすいと私は考えています。実際にゲームを作っているのは私たちプレイヤーではなくプログラマーやデザイナーです。彼らに伝えたいならば、彼らがこれを聞いているかどうかを確実にしてから伝えないといけないと思っています。彼らの「機能に込めた意図や"なぜ"」を読み解かないと安心は得られないかもしれませんが、わたしたちエンドユーザーは身勝手なデバッカーではないのです。「過剰な"カイゼン"」を求めていないかが、ネガティブな流れにならないかのカギを握ると思います。

🔶大公開時代に求められるのは「ここはよかったね」の"ほめ"

このネガティブな流れに対する最大の解決策は

「●●なとこは良かった、次は○○しような」の心がけです。

学生野球のコーチをされていた山本一真さんと根上一茂さんの対談動画の中に、この大公開時代を幸せなものにするヒントがあります。過剰なカイゼンだけでなく、「ほめるべきところはほめる」といったポイントは、より安定して効果のある改善、そして双方向の信頼へつながると私は考えています。なぜならば「相手がポジティブな気持ちになって、真剣に聞く姿勢を作ってから案を伝えている」からです。

もちろん一見すべての要素でツッコミどころがあってほめるべきところがないものもあるかもしれません。しかしそうであろうがなかろうが、こうした姿勢があるだけでも違ってくると私は考えています。


あなたの「もっとこうしろよ!」は、他人を傷つける凶器にもなります。ナイフの刺し合いになることがない、平和な「大公開時代」になることを願ってやみません。

じはんき

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