年金っていくらもらえるの?

少し前に年金2000万円問題が話題となりましたね。老後に夫婦2人で生活する場合に2000万円の貯蓄が必要ですよ、という報告書でしたが、「そんなに貯められないよ!」と感じる方も多いと思います。

「年金ってもらえなくなるの?」「そもそも現時点で年金っていくらもらえる予定になっているのか?」など、年金に関する疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

年金の計算は難しいと思われがちですが、実は年金が大体いくらもらえるのかを簡単に計算する公式があります。ここでは年金の公式の紹介と、公式を使ってサンプルケースでのおおよその年金額を算出してみました。

年金の種類は?

そもそも年金とは?というところからおさらいしていきましょう。年金には公的年金私的年金という2種類の年金があります。公的年金は国が行う年金制度の事で、受け取れる年金は以下の3種類があります。

・老齢年金
・障害年金
・遺族年金

一方で、私的年金は文字通り自身で作る年金の事で、公的年金にプラスαで用意するものになります。以下のような私的年金がありますね。

・企業型確定拠出年金
・個人型確定拠出年金(iDeCo)
・国民年金基金
・個人年金保険

この中で、長生きすれば必ずもらうことになる公的年金である老齢年金について深堀りしていきたいと思います。

老齢年金とは?

老齢年金は老齢基礎年金老齢厚生年金の2種類があり、それぞれ受給要件を満たせば65歳から亡くなるまでもらい続けることができる年金です。老齢基礎年金は国民全員が受け取ることができる年金で、老齢厚生年金は第2号被保険者のみが受け取ることができる年金です。老齢厚生年金は老齢基礎年金に加えて追加で受け取ることができます。

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老齢基礎年金はいくらもらえるの?

老齢基礎年金は20歳から60歳までの保険料納付期間のうち、支払った年数に応じて給付額が変動します。老齢基礎年金満額(20歳から60歳まですべての期間でちゃんと納付した場合)は年によって変わりますが令和3年度は780,900円なので、もらえる年金額は

 19522.5円 × 保険料支払い年数

ということになります。ただ、細かい数字まで見ると計算が面倒になるのと毎年金額が変動するため、さらに計算がややこしくなってしまいます。なので、おおよその額として

 2万円 × 保険料支払い年数

と覚えておけば問題ないかと思います!
例えば、学生時代は未納で社会人になった22歳から60歳まですべて保険料を支払っていた場合、65歳以降にもらえる老齢基礎年金の年額は、2万円×38年=約76万円ということになります。
ただし、注意点があります。老齢基礎年金をもらえる受給資格は保険料を10年以上支払っていた場合に限ります。そのため、「5年間だけ払っていたから2万円×5=約10万円か・・」ということにはなりません。年金2000万円問題で年金はもらえないから保険料なんて払わなくてよ良いのでは?と思われる方もいるかもしれませんが、まだまだ公的年金は老後を支える重要な収入源になると思われるので、しっかり保険料は払っておきたいですね。

老齢厚生年金はいくらもらえるの?

老齢厚生年金は、収入に応じて給付額が変わる変動する報酬比例型の年金です。収入に応じて給付額が変わるためなかなか計算が難しいかと思いきやそうではありません。確かに正確な数値を出そうとすると年金定期便などとにらめっこしながら給付額を算出する必要がありますが、こちらも老齢基礎年金と同じくおおよその額を算出する公式があります。それが以下です。

 平均年収 × 0.55% × 厚生年金加入年数

例えば、生涯にわたる平均年収が400万円で大学卒業から60歳まで会社員だった場合、受け取れる老齢厚生年金の年額は400万円×0.0055×38年=約83.6万円ということになります。

正確な数値というよりかは、上記のおおよその公式を覚えておけば良いかなと思います。

実際の給付額の例①

以下の条件で65歳からもらえる年金額を算出してみます。

・新卒(22歳)から定年(60歳)まで会社員
・平均年収500万円
・学生時代の年金も払い済み

まず老齢基礎年金ですが、学生時代の年金もすべて払っているため20歳から60歳まで40年間支払っていることになります。そのため、もらえる年金額は老齢基礎年金満額になります。ここでは簡易的な公式を使用するため2万円×40年=約80万円とします。
次に老齢厚生年金ですが、平均年収500万円、厚生年金加入期間38年のため公式に当てはめてみると500万円×0.0055×38年=約104.5万円ということになります。
老齢基礎年金と老齢厚生年金を合わせると年間約184.5万円の給付が受けらることが分かりました。

実際の給付額の例②

以下の条件で65歳からもらえる年金額を算出してみます。

・新卒(22歳)から会社員
・途中32歳から15年間は専業主婦
・47歳で会社員に復職
・52歳で独立してフリーランスになる
・学生時代の年金は未納
・会社員時代の平均年収300万円

まず老齢基礎年金ですが、学生時代の年金は未納のため22歳から60歳まで38年間支払っていることになります。そのため、もらえる年金額は2万円×38年=約76万円となります。
次に老齢厚生年金ですが、平均年収300万円、厚生年金加入期間が計15年のため公式に当てはめてみると300万円×0.0055×15年=約24.75万円ということになります。
老齢基礎年金と老齢厚生年金を合わせると年間約100.75万円の給付が受けらることが分かりました。

年金額を計算したあとにどう行動するかが重要

ここまで年金額を算出する公式や実際のモデルケースでの年金額を算出してきました。算出した結果「意外と多いな」とか「いやいや、全然足りないじゃん」とか色々な感想があるかと思いますが、ここで重要なのは算出結果を受けて次にどう行動するかです。
年金額が足りないと感じる方は、おそらく「老後にこういう生活をしたいという願望があるけど遠く及ばない結果になった」ということだと思います。じゃあ、将来の理想の生活のために今から頑張って少しでも年収を上げて年金額を増やすとか公的年金以外の私的年金を少しずつ貯めて穴埋めを目指すか、など、対策がとれるわけです。客観的な事実(数字)を出して改善点を改善していく、これがまさしくライフプラン設計ということになるのではないでしょうか。

将来のことなのでなかなか実感が湧きづらいかもしれませんが、少子高齢化が進む日本では年金額の減額も現実味を帯びてきています。気づいた時には手遅れ・・・とならないように、今から対策をとっていきたいですね!

#お金について考えていること

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