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テレビ局、信頼回復の道は「予定調和」を捨てることでは?

元テレビっ子の私からのエールを聞いて

私は生粋のテレビっ子でした。テレビ番組が好きでキャプテン翼が「ボールはトモダチ」なら私はテレビがトモダチでした。なんでしたら卒業アルバムの集合写真から外してもらって、テレビとツーショットでも構いません。

「そんなぁ大人になったから言えることですよぉ」
と思うでしょ。マジなんです。

そんなテレビっ子だった私ですが、現在、定期的に視聴するのはBSの報道番組か『お笑い向上委員会』を見る程度。あとはYOUTUBEのテレ東Bizとか。あるいはサンモニとかモーニングショーとかツッコミ目的で視聴することはあります。視聴というよりは「記録する」といった見方です。

本来は一視聴者として応援してあげたいけど、どの局も似たような企画、同じタレントしか出演しないからワクワクしなくて。今、思うとテレビ局は各局でもっと色があった気がします。

だから現在の凋落ぶりは悲しくもあります。今、話題の騒動もテレビの予定調和と凋落を露呈した気がしました。

立花氏と報ステ騒動は予定調和の象徴



https://www.j-cast.com/2022/06/17439617.html?p=all

NHK党・立花孝志党首がリモート参加した今月16日の『報道ステーション』の党首討論中、ロシアによるウクライナ侵攻を受け「国民の安全 どう守る?」というテーマに対して

「テレビをご覧の皆さん、テレビは核兵器に勝る武器です。テレビは国民を洗脳する装置です。テレビは国民が知るべき真実を隠しています」

と発言したところ、テーマにそぐわないという理由で退席するハプニングがありました。

立花党首はTwitter上でテレビ朝日側から事前にテーマから逸脱した発言を控えるよう要請があったと明かしました。立花氏の発言は逸脱したとは思えないですし、今回に限らず出演者がテレビ批判をすることは別に珍しいことでもないでしょう。

立花氏は過激発言でもシンパ・アンチ問わず話題性のある人物だから、局側が警戒する気持ちも分からんでもないです。

しかし番組の趣旨を考えてほしい。これは「党首討論」ですよね。場合によって党首同士で口論、激論に発展することもありえます。海外なんてたまに番組内で出演者が殴り合うシーンも報じられます。

もちろん暴力、暴行はよろしくない。だけどテレビは本来、非日常を楽しむものであって出演者の暴走もまた非日常であり、仮に党首が暴走、暴言に至ったとしてもそれを含めて「人となり」だから是非はともかく有権者の判断材料になりませんかね。

立花氏への要請も無難に終えたいという局側の意向が見て取れますし、そんな予定調和の世界では面白くない。ハプニングがあってこそテレビ本来の魅力である「非日常」があります。それで苦情が来たらそういう時に

「嫌なら見るな」

ですよ。

テレビ局は「鵺」(ぬえ)みたい

高齢者とお昼の情報番組を見ていた時に「バズる」という意味について教えてくれと言われました。これは説明に困りました。「注目される」という意味だと教えたところ「だったら注目と言えばいい」と反論されました。その通りだと思います。

どう考えても主要な視聴者層は高齢者だから、ネットスラングを安易に使うべきではありません。お笑い番組ならばまだ分かりますが、お昼の時間帯でネットスラングというのがどうも…。

制作側は若い世代もいるだろうから、ネットスラングも抵抗がないと思いますが、見る側の大半は「Twitter?」「ハッシュタグ?」というのが実情ではないでしょうか。

全てがちぐはぐなんです。ネット批判をするかと思えば、YOUTUBEやTwitterの焼き直しをする、ネットスラングの使用、ジャーナリズムや報道の自由という割に先の立花氏のように予定調和で無難に放送しようとする――。

サルの顔、タヌキの胴体、トラの手足を持ち、尾はヘビ、伝説の怪物「鵺」みたいです。脳内はマスコミというプライド、ネット依存とネット嫌悪が同居し、胴体はまがりなりにもテレビ局という大会社、ところが足元はグラグラ、尾っぽは切られつつある(希望退職者制度)、実に脆い鵺ですが。

斜陽産業と言われ同じ傾くなら予定調和を捨ててみては?

「ふりきった」

という言葉が大好きじゃないですか。全然、ふりきれてないけど。これがかつてのテレビっ子からのエールです。


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