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10/29 ニュースなスペイン語 Horario de invierno:冬時間

小欄でも毎年この時期になると取り上げる話題。

まず、基本的なことをおさえておくと、今月28日の土曜日の明け方から29日にかけて、スペインでは時間を1時間遅らせる。

具体的には、イベリア半島では夜中の3時を2時に(Las 03.00 horas de la España peninsular pasarán a ser las 02.00)、カナリア諸島州では夜中の2時を1時にする。 

これで冬時間の準備が万端と思いきや、今回の記事には付随事項が書いてある。

まず、ネットに接続してない(que no se conectan a la red)電化製品(electrodomésticos)のタイマー類も遅らせることを忘れずにとの注意喚起がある。

逆にネットに接続しているパソコンやタブレットは自動的に時間が変更される(cambian la hora de forma automática)という。

そして、毎年議論になるのが、健康への影響(efectos para la salud)だ。 

時間変更(cambio de horario)について、専門家は総じて否定的。

時間を変更して十分な休息が取れないと、がん(cáncer)、認知症(alzhéimer)、高血圧(hipertensión arterial)といった病気を引き起こすだけでなく、肥満、糖尿、心筋梗塞、脳いっ血、うつ、不安症(obesidad, diabetes, infarto de corazón, el ictus, la depresión y la ansiedad)などの病も発症するリスクが高まる。

さらに、寝不足によって、イライラ(irritabilidad)、不眠症(insomnio)、集中力低下(falta de concentración)、仕事や勉強の効率が上がらない(bajo rendimiento laboral o escolar)、そして、食事前に過度に食欲増進(tener hambre antes)などの不調が起きてしまう。

時間変更に身体が慣れるにはどのくらいかかるのか(¿Cuánto tardaremos en acostumbrarnos?)。専門家によると、人にもよるが、概ね、1週間から10日かかるらしい。

子供や基礎疾患がある人(personas con patologías)は要注意という。

そもそも、何故、人体にこんなにもリスキーなシステムがあるのかと言えば、総てはエネルギーの節約(ahorrar energía)のため。

確かにエネルギーは節約できているらしいが、どのくらい節約できてるかは不明(pero no está tan claro el 'cuánto')という。

むしろ、時間変更をしない方が企業にとっては有効(suprimir esta práctica sería algo beneficioso para las empresas)という研究もあるほど。

専門家によれば、冬時間のままでいる方が身体には良い(sería mucho más beneficioso para la salud mantener el horario de invierno) らしい。

というのも、睡眠時間がより多く取れて(facilita tener más horas de sueño)、夜明けと共に、より自然な目覚め(un despertar más natural que coincide con el amanecer)を可能にするからだ。

もし、夏時間(horario de verano)を続けると、冬の数カ月間、朝は光がなく(habría falta de luz por la mañana)、反対に、夏の間では、夜が明るすぎる(en los de verano un exceso de luz por la noche)という。

一方、冬時間にしておけば、登校する時や出社する時に薄暗いことがなくなり、学業や仕事の効率もあがるという(evitaríamos tener horas de oscuridad cuando los niños van al colegio o cuando empezamos la jornada laboral y favorecería el rendimiento escolar)

こうもややこしい時間変更はいつまで続くのか。少なくとも2026年までは続行することが2023年の官報(Boletín Oficial)に載っている。

じゃあ、26年以降は時間変更がなくなるか、というと、まだ、合意がない(por falta de acuerdo)。

無くすとしたら、冬時間と夏時間のどちらを採用するかの決定は、ヨーロッパ各国に委ねてもよいことがEUで承認されている。

ややこしや、ややこしや。

写真は時間変更を知らせるポスター。

3時には2時になるでしょう(A las 3:00 serán las 2:00)――。

かくも不思議な表現は日本語にはない。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20231028/cambio-hora-octubre-2023/2457692.shtml