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9/30 ニュースなスペイン語 Cuarta fuga:4ヶ所目のガス漏れ

昨日の続報。

昨日の記事では、今週の月曜日、ロシアとドイツを結ぶパイプライン(gasoducto)ノルド・ストリーム(Nord Stream)に亀裂(rotura)が3ヶ所見つかったと紹介した。

バルト海(Mar Báltico)のスイス海域に1ヶ所、デンマーク側海域に2ヶ所。

そして、昨日、スイスが新たに4つ目の亀裂を発見したと発表した。これで、デンマークとスイスの両国の海域で2ヶ所ずつガス漏れが発生していることになる。

ここで、昨日の記事の補足をひとつ。

昨日の記事では「activo」という単語を「稼働中」と訳した。しかし、現在、ノルド・ストリーム1号は「機能しているわけではない(no están operativos)」。というのも、動いてはいるが、ロシア側からのガスは事実上止まっている状態。

ただ、パイプライン内に、構造上、メタン(metano)を含む圧縮ガス(gas a presión)が残っていて、これが亀裂から吹き出ている(filtración de burbujas a la superficie)。

大量のメタンガスの放出によって、環境への悪影響(daños medioambientales)が懸念されている。

専門家によると、パイプライン内に残っているガスの半分以上が吹き出だしたため、来週の日曜日あたりには止まるのではないかと計算されている。

そして、きな臭いのが、月曜日と木曜日に見つかった計4ヶ所のガス漏れは、いずれも偶発的な事故ではなく、意図的(deliberado)な破壊工作(sabotaje)が原因との見方が優勢である点。

誰が、何のために、どのように、破壊工作を実行したのかは、まだ、分からない。調査結果が出るまでに数週間かかる見込み。

しかし、 ポーランドとウクライナはロシアの仕業であると信じて疑わない(Polonia y Ucrania no han dudado en culpar a Rusia)。

ヨーロッパの保安員はガス漏れが検知された海域でロシア船舶(buque ruso)が航行しているのを今週初めと先週に見たと証言している。

ただ、バルト海でロシア船舶が航行していることは珍しくないこと(presencia de barcos rusos en el Báltico es habitual)なので、そのことだけで、ロシアが破壊したとは断定できないらしい。

ノルド・ストリーム1号機は7月初め、「予定されていた技術的な停止(parada técnica planificada)」をロシア側から実施。その後、稼働と停止を繰り返し、最終的に、現在、ガスの全供給を中断している(suspendió todo el flujo)。プーチン大統領はヨーロッパ諸国が制裁を解除するまでは、ガス供給の再開はないと明言している(Putin aseguró que no se reanudaría hasta que se levanten las sanciones)。

ノルド・ストリーム2号機については、ロシアのウクライナ侵攻を機に、稼働を見合わせている状況。

北大西洋条約機構(NATO;OTAN)の事務総長(secretario general)のイェンス・ストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)は、同盟国のエネルギーインフラへの破壊工作に対しては、同盟軍(Alianza) は協力しつつ断固たる(unida y con determinación)対応を行う(responderá) と述べた。場合によっては軍事介入も辞さないことを示唆した格好だ。

もう、新たな火種はたくさんだ。

写真はスイスから提供された4つ目のガス漏れの様子。ガスの泡が吹き出ている範囲は、推定、直径950メートル。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20220929/gasoductos-nord-stream-fugas-suecia-dinamarca/2404180.shtml