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7/26 ニュースなスペイン語 Votos extranjeros(1):在外票(1)

正確には「不在選挙人名簿票(voto Censo Electoral de los Residentes Ausentes;voto CERA)」という名称だそうだが、平たく言えば、スペイン国外に住む国民の投じる票のこと。

意味は変わらないが「votos exteriores」という表現もあるみたい。

その数は232万8261で、2019年の総選挙の時よりも約20万多いという。

全票数(censo total)のわずか6.2%だからといって、232万票をあなどることなかれーー。

記事によると、各党の勝敗のカギをも握る大きな票のようだ。

以下の地図がなかなか面白い。

例えば、マドリード(MAD)では、現在、スペイン社会労働党(PSOE)が議席(escaño)を持っているが、もし、国民党(PP)が、在外票の中から、わずか1749票を獲得すれば、議席は、社会労働党から国民党にあっという間に動く。

一方、南部のマラガ(MAL)では、逆に、社会労働党が3047の在外票を得られれば、議席を国民党から奪取できる。

こんな具合にギリギリの線(margen estrecho)にある議席が在外票によって移動する可能性(posibilidad de un movimiento de escaños)がある。

どうやら、去年までは、国外に住むスペイン人は投票権を関係機関に「懇願」しなければならなかったらしく(obligaba al elector a "rogar" a una autoridad electoral su derecho a ejercer el voto)、お上にわざわざ申請して選挙権を頂戴する煩わしさ、そして、投票時間がタイトだったことも相まって、2019年の総選挙では、わずか、14万5908人しか投票しなかったという。

この数ではさすがに、選挙結果をひっくり返す(cambiar el resultado de unas elecciones)ことは難しいが、今年の総選挙では、この懇願制度が廃止され、国外に在住するスペイン人は大使館(embajada)や領事館(consulado)に赴き、しかも、午前と午後に、投票ができるようになったという。

こうしたことから、今回の総選挙では、在外票が前回の総選挙を上回るのではないかと予想されている(por lo que se espera que en los comicios del 23J el voto emitido sea mayor)。

さらに、在外票は、首相の座を射止める(para ser investido presidente del Gobierno)際、党間の駆け引きの動向にも、重要なカギを握ることになりそうだが、この話は稿を改めよう。

写真は在外投票についてのQ&A(preguntas frecuentes)の表紙。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20230725/voto-extranjero-elecciones-generales-23j-escanos-juego/2452772.shtml