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5/30 ニュースなスペイン語 1000 millones de euros(2):10億ユーロ(2)

ウクライナ共和国のウォロディミル・ゼレンスキー(Volodímir Zelenski(写真中央))大統領が27日、スペインを訪問し、スペイン政府と安全保障協定(un acuerdo de seguridad)に調印。ウクライナは2024年度(durante 2024)、総額で10億ユーロ(約1700億円)の軍事支援(apoyo militar)を受けることになった。そして、フェリペ6世(Felipe VI(写真右))とペドロ・サンチェス(Pedro Sánchez)首相はゼレンスキーに惜しみない支持を示し、ゼレンスキーはウクライナを代表し、多大な感謝を述べたーー。

28日の小欄では、こうしたスペイン・ウクライナ両国の(過剰なまでの)友情演出とは裏腹に、スペイン国会内の反応は冷ややかだったと締めた。

で、今回はその続報。

サンチェスは、支援の詳細について、ロシアに手の内を見せることになる(para no dar pistas a Rusia)という理由から、多くは語らなかったものの、スペインは現在、地対空ミサイル パトリオット(misiles de defensa antiaérea Patriot)を提供しているとした。

そして、戦車レオパルト(tanques Leopard)と軍事品(munición)も輸出することになるだろうとも述べた。

サンチェスのこうした対応に対して、真っ先に疑問を呈したのが、かつての朋友、連立パートナー(socio del Gobierno)であるポデモス(Podemos)の報道官、イオネ・ベララ(Ione Belarra)だった。

ベララは武器を供与しても両国家の力の相関関係は変わることはなく、戦争を長引かせることに貢献するだけだ(el envío de armas no ha cambiado la correlación de fuerzas y solo servirá para prolongar la guerra)と強く非難した。

また、現在の連立パートナーであるスマール連合(Sumar)の報道官、エルネスト・ウルタスン(Ernest Urtasun)からも、支援の詳細が不透明である(opacidad)との指摘があった。

そのため、国会で支援の内容について、つまびらかにすべきである(analizarlo con transparencia)と要求し、この意見にカタルーニャの共和主義左翼(ERC)などの新進系の政党も賛同していた。

しかし、サンチェスは「本件はすでに締結している協定の覚書にかかわる事項なので、審議の必要性はない(no es necesario porque se trata de un memorándum de entendimiento)」と、身内からの要請を突っぱねた。

ウクライナ支援について、連立パートナーですらこのネガティブの反応なので、野党(oposiciones)の反発は推して知るべし…。

ちなみに、28日の小欄では触れなかったが、ゼレンスキーが宮殿(Palacio)に赴いた際、各政党は本来なら国会(Congreso)に集結するのが慣習のようだが、訪問の目的に賛同できない(no comparten el objetivo de la visita)として、ビルドゥ(Bildu)をはじめとするいくつかの政党が参列を見合わせた(han evitado aparecer)という。

サンチェスのスタンドプレイ感が際立つウクライナ支援となった。

それにしても、武器供与による戦争長期化そして、そのことで生じる人命損失の責任、果たして、サンチェスは取れるのかしらん。

写真は、王宮(Palacio)で、レティシア(Letizia)王妃(左)とフェリペ6世に歓迎(bienvenida)を受けた際のもの。

ゼレンスキーは身長170cm(公式発表)なので、まぁ、普通なんだろうけど、197cm(同)の国王の前では子ども並みに小さく見える。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20240527/zelenski-visita-madrid-ucrania-pedro-sanchez/16120184.shtml