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8/1 ニュースなスペイン語 Vacuna española:スペイン産のワクチン

4月13日の記事の続報である。

スペイン産のコロナワクチンがいよいよ誕生か!?ー。結論から言うと、ちょっと待て、ということになったというお話。

4月の記事でも既報だが、科学研究高等院(Centro Superior de Investigaciones Científicas:CSIC)では現在3つのコロナワクチン開発のプロジェクトが進められている。

その内、最も有力視されていたマリアノ・エステバン(Mariano Esteban)のチームのワクチンが、ヒトへの臨床検査(ensayo clínico en humanos)のゴーサインがスペイン薬品局(Agencia Española de Medicamentos )によって取り消された。

とは言え、プロジェクトリーダー(impulsor)のエステバンは「理論的に見て(lógicamente)」、こうした状況下では遅れがでることは当たり前と考えているようだ。

ただ、エステバンの所属先のCSICは、ワクチンの接種(adminstración de vacuna)によって実験に使われていたサル(macaco)が死んだのは、「肺の損傷(lesiones pulmonares)」によるものとするのは、全くのデタラメ(totalmente falso)と発表した。

死亡したサルを解剖(autopsia)した結果、確かに肺に損傷は確認されたが、サルはこの傷によって死んだのではない、と関係機関は述べている。この辺りの言い分がよく分からないが、とにかく、余計な懸念を国民には抱かせたくないのだろう。

我々のワクチンは全ての変異株に効果を持つだろう(Nuestra vacuna tendrá eficacia contra todas las variantes)―。エステバンは胸を張る。

このワクチンは天然痘と同じ種のウイルスで、これを極限までに弱化させたもの(un virus altamente atenuado de la familia de la viruela)を用いる仕組みのようだ。

ボランティア(voluntario)の確保もばっちりだ。フェーズ1の114人はまずはワクチンを打ったことによる反応(efecto)を確かめる。フェーズ2の500人は抗体のでき方(inmogenicidad)と安全性(seguridad)を確認する。そして、2~3万人がフェーズ3に参加し、ワクチンの効果(eficacia)を確かめる。

ただ、臨床までには、もう少し時間がかかりそうだ。ボランティアにはコロナにかからないで待っててもらうしかない。(率直な疑問として、コロナにかかった人はボランティアにはなれないのか?もしくは、すでに別会社のワクチンを接種した人で性格な治験ができるのか?)

写真はプロジェクトリーダー、マリアノ・エステバン。