6/11 ニュースなスペイン語 Rebajas de penas:減刑
小欄でも度々取り上げている通称「ハイはハイだけ法(ley del 'solo sí es sí)」による望まれない効果(efectos indeseados)の最新集計が最高裁判所(Supremo)などによってまとめられた。
その数、減刑が1127件、釈放(excarcelaciones)が115件。
5月1日に発表された数字よりも微増した(aumenta levemente(それぞれ、1079件・108件))。
ハイはハイだけ法の正式名称は「性の自由を総合的に保証する法律(Ley orgánica de garantía integral de la libertad sexual)」。
本法は、昨日と一昨日、小欄でも取り上げたサン・フェルミン祭の開催中、2016年に発生した集団暴行事件(agresión grupal)をきっかけに制定された。
この法律は、その制定の経緯からも分かるだろうが、性的暴行の被害者を救済し、加害者をできるだけ厳重に罰するための法律になるはずだった。
しかし、その精神とは裏腹に、法理論に不備があったため、すでに起訴されて服役している性犯罪の加害者が減刑され、時に、出所までするケースが多発した(2023年1月30日の小欄)。
この法律は「雑な仕事(chapuza)」などと揶揄されたりもした。
こうした矛盾した結果をマスコミなどは「望まれない効果(efectos indeseados;〜 no deseados)」と呼び、注視してきた。
加害者が厳罰化されるならまだしも、減刑されることは被害者感情に、明らかに反することから、その改正(reforma)が当然議論されてきたのが、これを頑なに拒絶してきたのが、担当大臣たる平等省(Ministerio de Igualdad)のイレネ・モンテロ(Irene Monteto(写真))をはじめとするポデモス党(Podemos)の議員たちだった。
結局、政権与党のスペイン社会労働党(PSOE)は4月、政敵である野党の国民党(PP)と共闘し、同法の改正を、半ば、強硬採決した。
これがポデモス党との亀裂をより深くしたことは、想像に難くない。
ハイはハイだけ法への対応のまずさが原因かどうかは分からないが、ポデモス党は先の選挙で大敗した。
さて、ポデモス党の生き残りの策は?
来月に解散総選挙を前に、ポデモス党など、各党の動きが活発化してきた。
こうした動きも、機を見ながら、紹介してゆこう。
写真はイレネ・モンテロ。
さき頃、あるゴタゴタをきっかけに1万8000ユーロ(約270万円)の罰金を命じられた(condenada)。
泣き面に蜂というか、窮すれば鈍すというか、とにかく、災難は重なる時は重なる。