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2/5 ニュースなスペイン語 Desalinizadora:淡水化プラント

小生は知らなかったが、バレンシア州のサグント港(Puerto de Sagunto)に淡水化プラントなる施設があるそうだ(写真)。

海水(agua salada)を淡水(agua dulce)に変える設備があるようだが、この度、エコロジー移行省(Ministerio de Transición Ecológica)が、この施設からカタルーニャ州に向けて船舶で水を運搬する(llevar agua en barco)計画を、関係各所と進める合意が取れたことを明らかにした。

先週の金曜日から、カタルーニャ州の200を超える自治体(municipios)が干ばつ(sequía)による水不足のため、緊急事態を発令している(están en estado de emergencia)。

同州ではダムなどの貯水量(caída de las reservas)が16% を下回っていて(por debajo del 16% de su capacidad)、農業、工業、都市整備、レジャーなど(usos agrícolas, industriales, urbanos y recreativos)での水の使用が制限(restricciones)されている。

今回の措置は水不足を緩和する(paliar)狙いがあり、第一陣の船隊(primeros barcos)は、早ければ、6月にカタルーニャ州に到着予定で、水の供給が正常化するまで、数ヶ月(los próximos meses)続くことになる。

今回の水の補給によって、バレンシア州の淡水プラントは、通常より約15%の過剰稼働(encima)となるようだが、同州での供給などにはまったく問題ない(no tiene ninguna afección)という。

バレンシア州知事カルロス・マソン(Carlos Mazón)は、自治州間の水のやり取りの連携(solidaridad hídrica)が、公的な方法で、スペイン全土に広がってゆくべきだ(debe extenderse de manera oficial a toda España)と述べ、全国的な水不足には、ひとつの自治州に頼るのではなく、政府が主導することを求めた。

そして、マソンは今回の淡水化された水は飲料水(consumo de boca)に優先的に使用すべきとの考えを示し、農業用水(no para riego)などには使用しないよう求めた。

さてさて、今回、水不足の話題となったのはカタルーニャ州だが、他の州は潤沢に水が使えているかというと、そうではない。

以下の図は、スペイン全体の飲料用水(agua para consumo)の貯水率を示している。

これを見ると概ね左上の地域は安泰のようだが、カタルーニャ州の他にも、南部のアンダルシア州もかなり深刻。

スペイン国営放送(RTVE)は「ダム(Embalse)」というコーナーを随分前から常設していて、国民に注意を呼びかけているが、いかんせん、雨が降らないのだから、どうしようもない。

写真は淡水化プラントの一部。

バレンシア州政府は今回の措置が同州に悪影響が出ないよう「文書」での確約を求めた(Gobierno valenciano pide garantías "por escrito" de que el envío de agua a Cataluña no les perjudicará)――。こんなニュースが入った。

今回、カタルーニャに手を差し伸べる英断をしたバレンシアとて、決して水が潤沢というわけではない。

ガリシア州政府の不安も当然。

ガリシア州あたりから、陸路でも水を運搬したらどうかしらん。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20240203/gobierno-planea-llevar-cataluna-barcos-agua-desde-valencia-sequia/15954695.shtml