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8/31 ニュースなスペイン語 Perdiz:ヤマウズラ

ヤマウズラは写真にあるような野鳥。日本には生息しておらず、よく耳にする普通の「ウズラ」とも同種だが、専門的にはいろいろと違うみたい。

スペイン語では「marear la perdiz」という成句で「時間をだらだらと無駄に引き伸ばす」という意味になる(なお、スペイン語圏にも生息はしてない)。

ちなみに、「marear」は「乗り物酔いさせる」という意味なので、直訳すれば、「ヤマウズラを酔わせる」ということ。なぜ、このような表現が生まれたかについては巻末で書くとして……。

(アルベルト・ヌニェス・フェイホ(Alberto Núñez Feijóo)は)(首相戦までの)35日間を時間をだらだらと無駄に引き伸ばしながらごすようだ(vaya a estar 35 días mareando la perdiz)。

今回のキーワードを使って、本日、ペドロ・サンチェス(Pedro Sánchez)と会談を持ったフェイホを批判したのが臨時教育大臣(ministra de Educación en función)のビラール・アレグリア(Pilar Alegría)だ。

批判は次のように続く。

こんなまやかしの会談で達成できることは、国民党内部でフェイホのリーダーシップについての議論を封じること。すでに何人かがその資質に疑問を呈しているのに(Con este paripé, lo que consigue es que en su partido no se abra el debate sobre su liderazgo, que algunos ya están poniendo en cuestión)。

同じく辛辣な批判を繰り広げたのが臨時防衛大臣(ministra de Defensa en función)のマルガリータ・ロブレス(Margarita Robles)だった。

失敗に終わる首相就任(Investidura abocada al fracaso)――。

こんな具合にフェイホの最近の奔走ぶりを批判。

ロブレスは、今回の会談を実施することで、

(フェイホは)首相戦までの1ヶ月、スペインを停滞させることになる(Tiene a España paralizada durante un mes, no sabemos qué pretende)

と指摘。さらに、

フェイホは何だかよく分からない無駄なショウをやろうとしている(escenificar no se sabe muy bien el qué)

と呆れ気味。そして、

我々にはフェイホが政治ショウを繰り広げるのを見ている暇はない。我々の国について考えなければならない。スペインはフェイホのパフォーマンスに付き合っている場合ではない(No podemos perder el tiempo para que el señor Feijóo escenifique. Hay que pensar en nuestro país. España no se merece estar un mes de performance)。

とピシャリ。

ふたりの大臣に共通しているのが、フェイホの施策が時間の無駄と判断していること。

それにしても、ズケズケと言うなぁ、闘う前から負け戦だなんて……。

フェイホはこうした舌戦にへこたれない漢か。国王からの推薦を支えを自らの首相就任にまでつなげることができるのか。

写真はヤマウズラ。

かつてヤマウズラを狩る時、猟犬などを使って、追いまわし、体力を消耗させたそうだ。

この様がまさにウズラを「酔わせる」ように見えたという。

こうしたことを何回もやることで、あたかも、狩りをするまでの間、何もせず、時間稼ぎをしているように見えたことから、「marear la perdiz」なる表現が生まれたらしい。

ただ、実際はウズラは疲れさせられて、しっかりと狩られたのだから、「酔わせる」には、それなりの理由があったということになる。

果たして、フェイホが今やっていることは、本当に時間の無駄なのか。

それとも一見無駄に見えるが、相手の息を止めるくらいの、ちゃんと実のある策略なのか。

全ては1ヶ月後のサンチェスとの一騎打ち戦で分かる。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20230829/robles-critica-feijoo-investidura-entrevista-rne/2454758.shtml

読者の川上さんのご指摘により、一部、加筆修正しました(9/2)。