見出し画像

11/15 ニュースなスペイン語 Ayuso, abuso:アジュソの職権乱用

タイトルの「Ayuso(アジュソ)」は、言わずと知れた、マドリード州知事イサベル・ディアス・アジュソ(Isabel Díaz Ayuso)のこと。

ところで、マドリードの社会労働党(PSOE)本部前で、同党が成立を目指す恩赦法(ley de amnistía)に対する抗議活動(protesta)が11日目に突入。

本日と明日、ペドロ・サンチェス(Pedro Sánchez)が首相就任(investidura)のためのウィニングランを駆け抜けようとする最中、かなり、きな臭い状態が続いている。

そんな中、今度は、アジュソに対する抗議活動が勃発した。

コトの発端は、先週の金曜日、アジュソが、性自認に関する法律(la ley de identidad y expresión de género)とLGTBIヘイトに対する包括的な保護を定めた法律(la ley de la Protección integral contra la LGTBIfobia)の一部を早急に(por tramitación de urgencia)変更する(modificación)手続きを取ると宣言したことにある。

まぁ、アジュソは国民党(PP)なので、保守らしい動き。

どんな項目をどのように変更するかについて、実は、小生も熟知していないのだが(追々、報告しよう)、当然のことながら、こうした揺さぶりに警戒感を示すのは、いわゆる性的マイノリティーの人々だ。

マドリード内の約30の関連団体に呼びかけ、今回の抗議活動を招集した組織「一歩たりとも(Ni un paso atrás)」の代表は、参加者たちを前に、次のように演説した:

これは我々の運動の始まりに過ぎない。これは本法を変更させないことを我々が達成しない限り、決して終わることはない(Esto es solo el inicio de una movilización que no terminará hasta que consigamos que esta legislación no se cambie)

デモにはトランスジェンダー議員のカルラ・アントネッリ(Carla Antonelli)や、社会労働党やマス・マドリード党(Más Madrid)の関係者など、新進系左派の面々が駆けつけた。

参加者たちは

「アジュソは辞任せよ(Ayuso dimisión)」
「トランスジェンダーの権利は一歩たりとも後退しない(ni un paso atrás de los derechos trans)」
「我々の権利は決して売り飛ばされることはない(nuestros derechos no se venden)」

などのスローガン(lema)を訴えた。

そんな中で、小生の目を引いたのが、タイトルにも挙げた「Ayuso, abuso」だ。

この標語はこれまでのアジュソ批判の時にも度々登場している。

アジュソは何をするにも強硬姿勢なので、そのイメージがどうしても「職権乱用」と結びつき、しかも、苗字がイジリやすい。

だから、

「Ayuso, mil abusos」
「Con Ayuso, hay abuso」

というバリエーションもある。意味はほぼ同じ。

あと、今回の抗議活動ではお目見えしなかったが、よく、出てくるのが、以下の人形:

鼻筋が通り、そして、比較的、くっきりした目のアジュソを、悪意を持ってデフォルメすれば、当然、こういう造形になる。

この人形は「Ninot(Monigote;Cabezuda) de Ayuso」などと呼ばれていて、医療関係者(sanitarios)のデモなどによくいる。

La Pinocha(女ピノキオ)という愛称(?)まであるみたい。

人形の赤いシャツはアジュソがよく選ぶシャツだし、実際に、以下のように黒い(多分)スカートを身に付けることもある。

まぁ、攻める方も、よくアジュソのことを見ている。

恩赦をめぐっては、国民党とボックスが社会労働党を攻め、LGBTIをめぐっては、反対に、社会労働党が国民党を攻める。

どうもチグハグな感じがする。

写真はマドリードの抗議活動の様子。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20231113/mas-mil-personas-protestan-sol-contra-reforma-ayuso-leyes-lgtbi/2460776.shtml