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4/6 ニュースなスペイン語 Lista de espera:待機者リスト

コロナ最盛期の時、コロナ診察が受けられない人たちのことを日本では「待機者」と言っていた。

今回、小欄で扱う「待機者」は、スペインの、しかも、コロナ以外の病気で、手術を受けられない患者(pacientes sin operar)のこと。

その待機者がスペイン全国で79万3521人(2022年12月31日時点)に達し、これまでの最多記録を更新した(batir récord)と、厚生省(Ministerio de Salud)が発表した。

出典に挙げた記事には以下のような検索エンジンが付いている。

これは、住んでいる州、かかりたい専科(especialidad)を選ぶと、診療(consulta)か手術(operación)のどちらかを受けるのにどのくらい待たなければならないのかの日数が出てくる。

例えば、カスティージャ・ラ・マンチャ州在住で、形成外科手術(cirurgía plástica)を受けたいと入力すると次のような結果がでてくる。

手術を受けるのに平均で238日にかかり、これは、スペインの他の州で同じ措置を受ける平均日数より41日長い、というようなことが分かる。

80万人に達する勢いの待機者は、前年度比で12%増、同年6月と比べても7%も増えていので、うなぎ登り。

手術を受ける(intervención quirúrgica)のにスペインでは平均122日、そして、初診(primera consulta)には平均95日かかるという計算。

この数字はあくまでも平均なので、患者の約22%が、手術を受けるのに、6ヶ月は待たなければならないというのが実態らしい。

専門(especialidad)や自治州(comunidad)によってかなりの隔たりがあるようだ。

例えば、外傷科(traumatología)は最も待機患者が多く、約20万人に及ぶ。これに、眼科(oftalmología)の約17万2000人が続く。

一方、肺や呼吸器などの胸部外科(cirugía torácica)と心臓外科(cardíaca)はそれぞれ2000人/3000人と待機者は最も少ない。

具体的な病名では、白内障(catarata)の治療は平均で72日待ち。前立腺肥大(hipertrofia benigna de próstata)は131日、外反母趾(juanetes)は133日、それぞれ、待たなければならない。

自治州で見てみると、9つの自治州で、手術を受ける際の国内平均122日を超えている。

カスティージャ・ラ・マンチャ州とカナリア諸島州が共に157日待機でトップ(encabezamdo el listado)。

そして、ほぼ同数で、エストレマドゥーラ州(156日)、カンタブリア州(154日)、カタルーニャ州(同左)などが続く。

一方、マドリード州は待機日数が68日と最も少く、バスク州(73日)とガリシア州(75日)がこれに続く。

他の自治州の様子は以下のとおり。色が濃くなるほど、待機日数が多いことを表す。

スペインは臓器移植(trasplante orgánico)では世界トップクラスの実績をあげている(昨年10月14日の記事など)。これは輝かしい光の部分。

でも、今回のように、医療従事者の不足によって、様々なところに弊害が出ていることも事実。労働環境改善を求めて医療従事者たちがデモ(manifestación)を行うのも納得(だが、時に、彼ら・彼女らがストライキ(huelga)をして、さらなる、状況悪化を招いているのも事実)。

こちらは陰の部分。

写真はマドリードでの医療従事者によるデモ。

彼ら・彼女らの白衣から、こうしたデモを「白い波のうねり(marea blanca(時にMarea Blanca))」と呼ぶことがある。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20230404/listas-espera/2435770.shtml