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10/22 ニュースなスペイン語 Hotel cápsula:カプセルホテル

スペインの大手紙「エルパイス」が先日、スペインにカプセルホテル(hotel cápsula)のブーム(bum)が到来したと
報じていた。

日本発の宿泊様式(la modalidad japonesa de alojamiento)と紹介されている。

2019年5月16日、バスク州ビルバオに、カプセルホテルが開店した。バスターミナルにほど近い立地で、48の客室、60名が宿泊できる。シングル(individual)が27ユーロ(約円)、ダブル(doble)が38ユーロ(約円)。ダブルがあるあたりがスペインっぽい。

ビルバオのカプセルホテルを手掛けたオプティミ・ルームズ社(Optimi Rooms「至上の空間」の意)は、今月、マドリードにも同形態のホテルをオープンする。こちらは、82カプセルを有すとのことなので、ビルバオよりは、大きい規模だ。

ビルバオのカプセルホテルの前に、実は、先発隊がいた。数年前にバルセロナで創業したらしいが、オープンから数ヶ月で閉店したそうだ。「当時はまだ、このタイプの休憩施設を受け入れる準備が、市場の側に、無かった(el mercado todavía no estaba preparado para este tipo de estaciones de descanso)」とはある専門家の言だ。

スペインのカプセルホテルは日本のものより大きいという。

「私たちはこのタイプのカプセルの特許を取っていて、中国で特注し、スペインに輸入しています(Nosotros hemos patentado este modelo de cápsula grande en España y las hemos traído desde China en exclusiva para nuestros hoteles)」と創業者のイニャキ・サバラ(Iñaki Zabala)は話す。

上記以外にも、マドリードではあとふたつのカプセルホテルがオープン予定。しかも、カナリア諸島にも、すでに、数か月前に別のカプセルホテルが操業を始めている。また、メキシコやコロンビアでもカプセルホテルがオープンし、「まずますの滑り出し(rentable)」だという。

スペインでは法整備が追い付いていない。もともと、カプセル部屋(cubículos)に泊まるという発想自体が無かったのだから当然だ。そもそも、スペインの現行法では、トイレも浴室もない施設を「ホテル」と呼ぶこと自体、無理がある。どちらかというと、「簡易宿(albergue)」に近いようだが、しかし、厳密には簡易宿とも違う。

意外かもしれないが、コロナ禍がカプセルホテルブームの追い風にもなっているという。

まず、消毒が個別部屋よりずっと簡単(desinfectar mucho más fácil)。そして、ホテルの個室では、ルームメイトの「飛沫が飛んでくる(le lleguen partículas de saliva)」のを避けられないが、カプセルホテルは「完全に外部から隔離できる(completamente aislada del exterior)」。そして、人々は必要性からでなく、独特の経験をするためにカプセルに泊まりたがる(la gente quiere dormir en las cápsulas para vivir una experiencia original, no por necesidad)。そして、これをSNS(las redes sociales)にあげる。カプセルホテル業者にとっては、願ったり、叶ったりだ。

日本ではなじみ深いビジネスモデルだが、スペインでは、まだ生まれたばかりだ。日本文化の浸透にあいまって、今後、どのように成長するか。注視してゆこう。

写真はビルバオのカプセルホテルの様子。近未来的な造りが話題を集めている。