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10/13 ニュースなスペイン語 Ayuso vs Sánchez:アジュソ対サンチェス

マドリード州知事イサベル・ディアス・アジュソ(Isabel Díaz Ayuso(写真))が、ペドロ・サンチェス(Pdro Sánchez)政権の打ち出した「省エネ法(el decreto de ahorro energético)」を「憲法違反(inconstitucional)」であるとして、憲法裁判所(Tribunal Constitucional)に提訴する(recurrir)と宣言したのが先月9月のこと(これについての記事を発出したと思っていたら、下書きに保存されたままだった。むむむ、残念!)。

そして、11日、憲法裁判所はマドリード州からの訴えを認め、法的検証を行う(admitir a trámite)。

政府の省エネ法についてアジュソが気に入らないのは次の点(なお、省エネ法に対する、マドリード州の初動については8月3日の記事を参照):

① 同法がサンチェス政権によって、恣意的に(de forma arbitraria)、しかも、権威主義的に(autoritaria)運用されている
② 同法が定める温度設定(limitación de temperatura)がもはや「国家の基盤を越えている(extralimita de la base estatal)」
③ 同法が自動ドアの設置(implantación del cierre de la puerta)を義務付けることは自治州の権限(competencia autonómica)と真っ向から対立する(colisión directa)
④ 同法が義務付ける10時以降のショウウィンドウの消灯(a obligación de apagar los escaparates)も、自治州の権限を侵害する(invade)ものである

つまり、アジュソはサンチェス政権の省エネ対策全部に、何一つ納得がいっていないということ。全面対決の姿勢を一層強固にした形。

①はつまり、あたかも、マドリード州を狙い撃ちしているかのような法律を、トップダウン的に押し付けていると言いたいのだろう。

②については、同法は暖房(calefacción)の上限を19度、冷房(refrigeración)の下限を27度とそれぞれ定めているのだが、真冬・真夏にこの設定はかなりきつい。

③はコロナ対策のために開けてあるドアを、エネルギー効率のために、閉めさせるとは何事ぞ!ということ。市民の「健康を守る(protección a salud)」ことは、憲法裁判所によって、いかなる権利よりも優先されていると定められている、とアジュソは主張する。

④では、自治州の経済活動を統制し、計画を立てるのは、各州の専権事項(competencia exclusiva en materia de ordenación y planificación de la actividad económica regional)であるにもかかわらず、国政が10時以降の商業活動を阻止しようとしている、ということ。しかも、10時以降ショウウィンドウを消灯するなんて、国内消費活動(comercio interior)、観光促進(promoción turística)、建物の巡回と保護(vigilancia y protección de edificios)のどの観点からも、まったくナンセンス。

憲法裁判所が今後どのような判断を示すのか、そして、アジュソ州政府はサンチェス政権に対して揺さぶりをかけられるかどうか注視してゆこう。

写真はアジュソ。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20221011/constitucional-admite-recurso-ayuso-contra-decreto-ahorro-energetico/2405780.shtml