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9/5 ニュースなスペイン語 Mapi:マピ

マピ(写真(左))は大変知りたがり(con una gran curiosidad)の5歳の女の子。

とても感情豊か(muy expresiva)で、出演者(concursantes)がマピの素朴な質問(sencilla pregunta)に答えられないと、怒る(enfado)――。

ん〜。どこかで見たことのある設定だぞ、これは。耳からも湯気て出るし……。

これは、もう、日本でお馴染みの「チコちゃん」で、間違いない!!

NHKで放送中の「チコちゃんに叱られる!」は、実は、「Chiko's Challenge!」という名前で、スペイン国営放送でも紹介されている。しかも、日本で大成功を収めた(gran éxito)番組として、だ。

で、そのチコちゃんが、スペイン版になって8月1日に、登場した。

陰でコソコソパクるのは何かみっともないけど、堂々とオリジナルを明らかにして真似るのは、チコちゃんへのリスペクトだし、これはオマージュ作品と言っても良い。

それに、チコちゃんと大きく違うのは、マピは全身CGで描かれている点だ。しかも、チコちゃんみたいに、こまっしゃくれた感じはなく、目も大きかったり、服も今っぽくて、素直に好感が持てる。

まぁ、それもそのはずで、マピの産みの親であるデザイナーのマルコス・ラジャ(Marcos Raya)は、

僕にとって一番重要だったことは見た目がかわいい女の子だという点、そして、どの年齢層にもウケるという点だ(Para mí lo más importante es que fuera bonita de ver y que fuera un personaje que cautivase a todas las edades)

と述べているように、これは、スペインでのマーケティング戦略なのだろう。

マピの相方は、お笑い芸人(humorista)であり、脚本家(guionista)であり、司会(presentador)でもあるハンドロ(Jandro)。ハンドロはバレンシア州出身の45歳。本名はアレハンドロ・ガルシア(Alejandro García)。多才ぶりは、岡村隆史を彷彿とさせなくもない。風貌は、ん〜、全然違うけど(タイトル写真の右)。

例えば、

●カバはどうしてあくびをするの?(¿Por qué los hipopótamos bostezan? )
●宇宙人はどうして髪の毛がないの?(¿Por qué los extraterrestres no tienen pelo?)
●空はどうして青いの?(¿Por qué vemos el cielo de color azul?)

こんな質問があった。まぁ、これは、日本人も疑問に思うかな…。

でも、次のは、中々、難しい。翻訳・通訳泣かせの質問だ。

●¿Por qué se llama Vía Láctea si no está hecha de leche?

直訳すれば、「「乳の道(=天の川)はミルクで作られてないのに、どうしてそう呼ばれるの?」になる。

天の川を、ギリシア神話からの「乳」と関連付ける欧米と、七夕伝説によって織女星と牽牛星を隔てる「川」と関連付ける日本とでは、そもそも、発想が違う。だから、疑問が共有できない。

疑問を共に持つためには、共通の文化的、社会的、言語的、歴史的な背景が必要。

だから、日本人にも共感が得られるように訳し直すなら「「天の川」は川じゃないのに、どうしてそう呼ばれるの?」となるか。

あと、個人的に、疑問に対して疑問を感じたのは、

●カリフラワーはどうしてあんなに臭いの?(¿Por qué la coliflor huele tan mal? )

だ。小生は茹でたり、特に、サッと焼いた時の香りが大好きなんだけど、確かに、スペイン語のレシピサイトには、匂いを抑える方法が満載だ。ムムム、個人的な好みの差か、はたまた、国民による差か……。

写真はマピ(左)とハンドロ。ちなみに、放送初日には、「ひでぇ(horror)」、「延髄斬り食らわしてえ(pegarle una patada en la nuca)」、「まるで悪魔(satánica)」、「みっともない(vergonzosa)」など、散々なコメントがあふれていた。

まぁ、5歳の女の子なんだから、大目にみてやって。

出典
https://www.rtve.es/rtve/20220602/jandro-presentara-mapi-1/2357855.shtml など